2020年12月16日水曜日

ようやく正月にGo Toを一時停止 後手に回った責任は大きい

  政府が謳った「勝負の3週間」は全くコロナ感染の抑制の実をあげないどころか、逆に感染は拡大する一方で、1日当たり過去最高の感染者数と重症者数を記録しました。政府が感染抑制と反対のことをしながら国民に自制によるコロナの鎮静を説いても伝わりようがないからです。勿論それを国民の非にするのは間違いで非はすべて政府にあります。

 菅首相は正月をはさむ2週間に限って「Go To」を一斉に一時停止することを決めました。
 しかしそれはコロナの感染拡大を鎮静させるのが目的ではありません。
 13日発表の毎日新聞の世論調査で内閣支持率が40%に落ち、続いて翌14日発表のNHKの世論調査でも内閣支持率が42%に落ちました。いすれも「トラベル」の停止を求める声が圧倒的でした。
 当初は、まさか支持率が急落することはないと高を括っていたのが、裏目に出て大いに慌てたというのが実態です。
 菅首相にはいまだに「Go To」がコロナ感染の急増の原因という認識はないようです。「Go To」の一時停止を2週間も先延ばしにしたのが何よりの証拠です。この政権で本当に大丈夫なのでしょうか。
 毎日新聞の社説を紹介します。  
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社説 Go Toの一時停止 後手に回った責任は重い
                         毎日新聞 2020年12月15日
 政府は観光支援策「Go Toトラベル」について、28日から来年1月11日まで一斉に停止すると決めた。それに先立ち、新たに東京都と名古屋市に向かう旅行を対象外とし、出発分も自粛を求める。
 人の移動を減らして新型コロナウイルスの感染拡大を抑制し、医療現場の負担を軽減するという。
 「勝負の3週間」と銘打った感染防止策は効果が見られず、全国の新規感染者数が過去最多を更新し続けている。追い込まれた末の、あまりにも遅い対応だ。
 年末年始に向けて状況を好転させたいのであれば、すぐにでも停止した上で、感染が収束するまで再開を見送るのが筋だろう。
 専門家による分科会はかねて、感染急増地域を発着する旅行については、トラベルの対象外にするよう求めてきた。
 しかし政府は、大阪市と札幌市を対象から外しただけで、東京については高齢者や持病がある人への自粛要請にとどめていた。
 経済を優先し、感染対策を小出しにすることで事態を悪化させてきたのではないか。専門家が科学的な分析をもとに提言し、それを政治が政策に反映させて感染を封じる仕組みが機能していない。
 菅義偉首相は先週、インターネットの動画配信サイトで「移動では感染しないという提言を頂いている」と述べていた。
 今回の判断と矛盾する発言だ。突然方針を変えた理由について、納得のいく説明もない。
 そもそも、首相肝いりの政策だからといって、根拠を欠いた判断がまかり通るようでは困る。
 コロナ対策を受け持つ西村康稔経済再生担当相は、国民に「危機感を共有してほしい」と呼びかけた。しかし、感染拡大下でGoToキャンペーンのような景気刺激策を進めていたのは政府だ。
 自らアクセルを踏んでおきながら、感染拡大の責任を国民に転嫁するような物言いだ。国民の健康を守る責任をどこまで自覚しているのか、疑念は尽きない。
 毎日新聞の世論調査では、トラベルを「中止すべきだ」との回答が67%に上った。内閣支持率は急落している。
 専門家の提言を正面から受け止めず、後手に回って感染を拡大させた政府の責任は重い。