政府は後期高齢者の年収「200万円以上」の人を対象に22年度から医療費の窓口負担を1割 ⇒ 2割 に上げようとしています(1人当たり年平均3万4千円増)。「若い人たちの負担を軽減するために」との謳い文句のもと、約370万人から年間880億円の負担増を見込んでいます。
しかしそれは例えば防衛費などの無駄を省けば簡単に捻出できます。それを選りによって後期高齢者に負担させようとするのは、まさに冷酷な新自由主義の発想のなせるものです。
しんぶん赤旗のシリーズ(不定期)「なんだっけ」を紹介します。
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(12月12日)血も涙もない冷酷政治 75歳以上医療費2割負担(しんぶん赤旗)
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なんだっけ
75歳以上医療費 窓口2割負担って?
しんぶん赤旗 2020年12月20日
Q お医者さんにかかった時に支払う窓口負担が高くなるの?
A 菅自公政権は75歳以上の人に対し、原則1割の窓口負担に2割負担を設け、負担増を押し付ける計画です。単身の場合は「年収200万円以上」、夫妻がどちらも75歳以上の場合は「年収が計320万円以上」の世帯を対象に、約370万人を2022年度後半から2割負担に引き上げようと狙っています。
政府は窓口負担がひとり当たり年平均3万4千円増になると推計し、3年間の「配慮措置」を設けると言いますが、それでも年平均2万6千円増です。あくまで平均ですから、入院を含め年5万~10万円増になる人も少なくありません。
Q 政府は「多くの人に『支える側』として活躍して」と言うけれど…
A 政府は、窓口負担増は「負担能力に応じたもの」だと正当化しています。しかし、すでに、単身で「年収383万円以上」、夫妻で「年収が計520万円以上」の世帯は「現役並み所得」だとして3割負担を押し付けています。2割負担の導入は中・低所得者を狙い撃ちにした負担増です。「支える側に」と言う一方で、国庫負担を削減した国の責任の後退には目をつぶり、大企業・富裕層優遇も続けたままです。
Q 2割負担の導入はもう決まったの?
A いいえ。国民的運動を広げ、来年の通常国会への法案提出を断念させれば、負担増を止めることはできます。負担増で患者の受診控えをさらに広げる道ではなく、ケアに手厚い社会こそが必要です。
(2020・12・20)