2020年12月30日水曜日

高須院長が村上春樹氏に差別丸出し攻撃 大村知事リコール運動では不正が続々

 村上春樹27日配信ダイヤモンド・オンラインインタビュー記事で、菅政権のコロナ対応や学術会議問題について言及し、特にコロナ対応について「各国の政治家がどのように処理したかを見比べたら、日本の政治家が最悪だった」かなり直接的な表現で批判していたことに、高須院長が「村上春樹先生は日本人ですか? 日本人が選んだ代表を最悪と言うのは日本人が最悪だと言っているのと同じだと思います」とリツイートしました。政権を批判しただけで「日本人ですか」と攻撃するのは、それこそ戦中の「非国民」攻撃と同じです。
 菅政権は直近の世論調査(読売・日経)でも内閣支持率は42%~45%と落ち込み、コロナ対応を「支持しない」は59%~62%に達しています。この点から見てもむしろ村上氏の発言は国民の総意に沿ったものです。当然ネット上では高須氏に対して「自分は愛知県の大村知事のリコール運動をしたではないか」などを中心に批判の声が広がっています。
 そもそも高須氏は過去に〈日本を狙っているチョンコロにへいこらするな!〉〈誰が何と言おうが ヒトラーは私心のない 本物の愛国者だ〉〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉といった発言で猛批判を浴びたことがあります。
 因みに高須氏が音頭をとった「大村知事リコール運動」は署名が規定数の半分しか集まらずに不成立に終わりました。署名活動を担ったボランティアの男性らが12月4日記者会見を開き「不正な署名が多数あった」「同一筆跡の署名が多数あった」と告発し事務局への不信感を訴えたほか、現職の愛知県議や、市議、市長らが、無断で署名に名前を書かれていたと実名で証言しました。
 21日には愛知県選挙管理委員会も提出された署名に不正な署名が多数含まれている疑いがあるとして、全署名を調査することを決め不正が確認された場合、県警への刑事告発も検討していると発表しました。28日には、県選管64選管のうち14選管の署名を調べたところ、署名の8割超が選挙人名簿に登録されていない人物や同一人物の筆跡と疑われる署名などの不正があったことを明らかにしました
 かつてこれほど不正に満ちたリコール運動があったでしょうか。正にリコール運動史上の汚点です。
 LITERAが取り上げました。
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高須院長が村上春樹の政権批判に「日本人ですか」と差別丸出し攻撃を仕掛け批判殺到!  大村知事リコール運動も不正発覚で…
                             LITERA 2020.12.28
 高須クリニックの高須克弥院長がレイシスト・ファシスト丸出しのとんでもない発言をして、物議を醸している。
 周知のように、それは、作家の村上春樹氏への攻撃というかたちで飛び出した。村上氏は27日午前に配信されたダイヤモンド・オンラインによるインタビュー記事で、日本政府のコロナ対応や学術会議問題について言及。とくにコロナ対応について「各国の政治家がどのように処理したかを見比べたら、日本の政治家が最悪だった」「今の総理大臣だって、紙に書いたことを読んでいるだけではないでしょうか」などと、いわゆるハルキ節とは違う、かなり直接的な表現で批判していた。
 すると、高須院長はこの村上春樹インタビューの抜粋とネット上のネガティブな反応をまとめたネトウヨサイト「Share News Japan」の記事をリツイートし、こうコメントしたのだ。
〈村上春樹先生は日本人ですか?
日本人が選んだ代表を最悪と言うのは日本人が最悪だと言っているのと同じだと思います。
残念な発言です。〉(12月27日)

 呆れて言葉も出ない。改めて説明するまでもないが、日本人全員がいまの政権に投票したわけでもないし、投票したからといって白紙委任したわけでもない。選挙後も、厳しく監視し批判の声をあげるのは、民主主義国家において市民の当然の権利だ。
 それを政権批判しただけで「日本人ですか?」「日本人じゃない」と攻撃するのは、それこそ戦中の「非国民」攻撃や北朝鮮や中国における言論弾圧と同じではないか。ふだん中国や北朝鮮の悪口を言いまくっている高須院長だが、実は独裁国家に憧れているとしか思えない。
 もっとも、本サイトが批判するまでもなく、今回の高須発言にはネット上で大きな批判の声が広がっている。

〈高須は今の総理大臣を日本国民全員が満場一致で選んだとでも思ってんのかな〉
〈「日本人が選んだ代表を最悪と言うのは日本人が最悪だと言っているのと同じだと思います。残念な発言です」もしかして高須氏は日本を北朝鮮やロシア、中国みたいな国民全員同じ人や党に票を入れる国だと思ってます?〉
〈この人、民主党政権時には日本人ではなかったのだろうか?〉
〈高須氏は民主党政権の批判とかしたことないんやろか?〉
高須氏は、愛知県民が選んだ愛知県知事を批判しているのだが。
高須氏に聞いてみたいんですが。愛知県民が選んだ知事をリコール運動することは,高須氏は,愛知県民じゃぁないんですか?
日本人、しかも愛知県民が選んだ大村知事をリコールした高須は何人なの?

ヤフコメも「愛知県民が選んだ知事は批判しまくるのに」と高須批判が殺到
 普段はネトウヨの巣窟で高須氏に同調する意見の多いYahoo!ニュースのコメント欄(ヤフコメ)でも、今回のツイートには批判や疑問があふれている。

〈「高須先生は愛知県人ですか?」と問いかけた上で「愛知県人が選んだ代表(大村知事)を最悪と言うのは愛知県人が最悪だと言っているのと同じだと思います。残念な発言です」って言われても反論できないよ。〉
〈これを言う高須先生も、「中国などの入国拒否を解除」っていう総理の判断には文句言ってましたよね?
自分もそうやって批判しているのに、他の人が批判すると日本人への侮辱あつかいは、都合がよすぎませんかね?〉
〈愛知県民が選んだ知事は批判しまくるのに、
総理批判は許されないのか?言うてることめちゃくちゃ。〉
〈ただの揚げ足取りにしか思えないけど。その代表と違う人に投票してる人も大勢いるわけで、投票した人もその議員がどう言う行動を取るかは100%読むことなど出来ない。〉
〈少なくとも村上氏が言ってる事は間違ってないでしょ?。日本人だから憂いてるのでは?。確かに最悪の政治家を選んだのは国民(日本人)ですが、別に国民(日本人)が最悪とは言ってないでしょ?。〉
 
 指摘の通りだろう。高須院長の言動は矛盾だらけ、ようするに自分が支持する政権を批判する人間を「日本人ではない」と排除しているだけなのだ。しかも、この発言には、個人の発言内容や思想の背景を、短絡的に国籍や人種に結びつけるというグロテスクなヘイト思想が横たわっている。
 過去に〈日本を狙っているチョンコロにへいこらするな!〉といった露骨な朝鮮半島出身者への差別や〈誰が何と言おうが ヒトラーは私心のない 本物の愛国者だ〉〈南京もアウシュビッツも捏造だと思う〉といった歴史修正発言で猛批判を浴びたことがある高須院長だが、今回もそれに匹敵する暴言と言っていい。高須院長は即刻、発言を撤回し、謝罪すべきだろう。

大村知事リコール運動に不正が発覚!現職の愛知県議らが、無断で名前を書かれていたと告発
 ついでにいえば、高須院長にはもうひとつ、詳しく調査したうえで説明すべき問題がある。
 言うまでもない、愛知県の大村秀章知事リコール運動をめぐる不正疑惑についてだ。
 周知のように、2019年の「あいちトリエンナーレ」の「表現の不自由展・その後」をめぐる問題以降、高須院長ら極右安倍応援団はネット右翼と一緒になって“大村知事バッシング”を展開。今年6月には高須院長が中心になって「お辞め下さい大村秀章愛知県知事 愛知100万人リコールの会」なる団体を設立、実際に署名を募った。
 期限までに集まった署名は、必要な法定数約86万人に対して半分程度の約43万人分で、11月7日に高須院長が終結を宣言していたのだが、いま、その43万人の署名のなかに、不正があった可能性が指摘されているのだ。
 12月4日には、署名活動を担ったボランティアの男性らが記者会見を開き「不正な署名が多数あった」「同一筆跡の署名が多数あった」と告発したうえで、事務局への不信感を訴えた。さらに、現職の愛知県議や、市議、市長らが、無断で署名に名前を書かれていたと実名で証言した。
 22日の中日新聞は県議らの告発をこう報じている。

〈愛知県議の神谷和利氏(自民、豊田市)は、不正な署名が含まれている疑いをインターネットで知り「解職を求めていないのに名前があったら困る」と市選管に個人情報の開示を請求。名前があると連絡を受け、「刑事告訴も頭にある」と憤った。同様に名前があった杉江繁樹県議(同、常滑市)も「真相を究明してほしい」と警察に被害を伝えたという。
 碧南市議では自民系の十三人全員が開示請求し、小林晃三、新美交陽、磯貝忠通の三氏が無断で名前を書かれていた。小林氏は署名集めをする「受任者」の欄に名前が使われ「ひどい。誰がやったか想像もつかない」と語った。
 田原市の山下政良市長も開示請求で、署名簿に名前があることが発覚。住所と生年月日も書かれており、「誰が書いたか分からないが大変遺憾」と話した。〉

不正告発も「リコール潰しの策謀」であるかのように反論する高須院長
 他にも同種の情報提供が相次いでおり、21日には愛知県選挙管理委員会も提出された署名に不正な署名が多数含まれている疑いがあるとして、全署名を調査することを決めた。不正が確認された場合、県警への刑事告発も検討されているという。
 さらに本日28日、県選管は64選管のうち14選管の署名を調べたところ、署名の8割超が選挙人名簿に登録されていない人物や同一人物の筆跡と疑われる署名などの不正があったことを明らかにしている。
 ところが、この署名運動を中心になっておこなってきた高須院長は、〈僕は不正が大嫌いです。正々堂々と王道を歩いています。僕に対する出鱈目な攻撃には命懸けで立ち向かいます。償わせます〉などと抽象的な反論をしたうえ、〈素人でもわかる見え見えの無効署名を沢山作って公開する意図は?僕は43万人の署名に驚き、再リコール運動の芽を摘む行動だと推察します〉と、リコール潰しの策謀であるかのような指摘をしている。
 この不正発覚がリコール潰しの策謀だというなら、それこそ証拠をきちんと出すべきだろう。というか、そんな自分に都合のいい推論を述べる前にまず運動の責任者として徹底した調査をすべきではないか。
 過去の差別発言や歴史修正発言でも撤回も謝罪もなく開き直ってきた高須院長だが、住民運動を率いて現実の政治にコミットするようになったのだから、もう言いっ放しは許されない。「王道を歩いています」と言うなら、今度こそ自分の言動に責任をもつべきだ。(編集部)


大村知事リコール、署名の8割超が不正か 高須院長らが提出  愛知
                        東京新聞 2020年12月28日
 美容外科「高須クリニック」の高須克弥院長らが主導した愛知県の大村秀章知事のリコール(解職請求)運動で、県選挙管理委員会は28日、署名の提出があった県内64選管のうち、14の選管の署名を調べたところ、署名の8割超が選挙人名簿に登録されていない人物や、同一人物の筆跡と疑われる署名があったと明らかにした。
 25日までに県選管に報告のあった分。年明け以降も調査を継続し、悪質と判断した場合は県警への刑事告発も視野に入れるという。選管の担当者は「現行の直接請求制度の問題点や課題を示すものが非常に多く見られる」としている。リコール運動の事務局は取材に「現段階ではコメントできない」と答えた。

 高須氏らは11月、43万5231人分の署名を県内各市区町村の64選管に提出。その後、不正な署名が多数あるとの情報が寄せられ、県選管は21日、調査を決定した。自治体の選管に自己情報開示請求をした複数の愛知県議や県内の自治体の市議らも、取材に「無断で自分の名前を書かれた」と証言している。(共同)