2020年12月9日水曜日

Go Toトラベル利用者 コロナ発症が2倍 東大チーム初調査

 コロナ対策分科会の尾身茂会長は6日のNHK番組で「医療現場は悲鳴を上げている。『Go To トラベル』を含めて人々の動きと接触を短期間で集中的に減らすことが、感染の沈静化には必須だ」と述べました。
 一方、加藤勝信官房長官は7日の記者会見で、Go To トラベルについて「最大で5兆円の経済効果、46万人の就業誘発効果があったという民間試算もある」として、「感染対策をしっかり講じることを前提に、Go To トラベルを適切に運用していきたい」と見直しに慎重な姿勢を重ねて示しました。菅首相の意向を踏まえたものであるのは明らかですが、無きに等しい感染対策とGo Toが両立するようであれば何の苦労もありません
 首相は国会で度々「4千万泊で180人(その後202人に)しかコロナの感染が起きなかった」と発言しました。しかしそれは菅氏のいい加減な思い込みに過ぎません。
 首相は経済効果に目がくらんで、これ以上感染者が増えれば医療が崩壊するという医療関係者の切実な声を理解していないようです。

 東大などの研究チームが8月末から9月末にネット上でおよそ2万8000人を対象に新型コロナの感染が疑われる嗅覚や味覚の異常などといった症状があったかを調査した結果、Go Toトラベルを利用した人は、利用しなかった人に比べ、統計上「有症率」がおよそ2倍になったということです。これこそが「エビデンス」と言えるものです。
 政府は直ちにGo To トラベル』を中止すべきです。
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「Go Toトラベル」利用者 “コロナ疑い”2倍
                       TBSニュース 2020年12月7日
「GoToトラベル」を利用している人は新型コロナへの感染リスクが高い。こんな調査結果が発表されました。
 東京大学などの研究チームはおよそ2万8000人を対象に、新型コロナへの感染が疑われる嗅覚や味覚の異常、発熱や頭痛などといった症状があったかを調査しました。その結果、Go Toトラベルを利用した人は、利用しなかった人に比べ、統計上、「有症率の差」がおよそ2倍になったということです。
 研究チームは「Go Toトラベルの利用で感染リスクが増加した」もしくは「感染リスクの高い人の方が積極的にGo Toトラベルを利用している」の2つが考えられるが、いずれにせよ「Go Toトラベルが感染拡大に寄与している可能性がある」と分析しています。


Go To利用者は「発症」2倍 トラベルで東大チームが初調査
                              共同通信 2020/12/7
 政府の観光支援事業「Go Toトラベル」の利用者の方が、利用しなかった人よりも多く新型コロナ感染を疑わせる症状を経験したとの調査結果を東大などの研究チームが7日、公表した。PCR検査による確定診断とは異なるが、嗅覚・味覚の異常などを訴えた人の割合は統計学上、2倍もの差があり、利用者ほど感染リスクが高いと結論付けた
 研究チームによると、Go To事業と感染リスクの関係を示す調査は国内で初めて。政府は8日に事業延長を盛り込んだ追加経済対策を閣議決定するが、継続の是非が改めて問われそうだ。
 調査は約2万8千人を対象に、8月末から9月末にネット上で実施した。


東京のGo To対策「残念」都医師会長 コロナで現場は疲弊「辞める看護師も」
                          東京新聞 2020年12月8日
 東京都医師会の尾崎治夫会長は8日、都内で会見し、「Go Toトラベル」で都が高齢者や持病のある人に利用の自粛を求めていることについて、「すべての年代で一度、人の移動を止めることが効果的と思っている。そこに至っていないのは残念だ」と述べた。

 都内の新規感染者では、中高年層が増えていると指摘。「現場の中では物言わぬ声がかなりたまってきている。看護師で辞める人がでてきている」と医療現場が疲弊しているといい、「12月に入って、患者数の急増で疲弊がさらに強まっている。このままでは医療を守れない」と警鐘を鳴らした。