2015年5月14日木曜日

米上院でTPA法案審議入りを一旦否決、民主44人造反

 12日のアメリカ連邦議会は、TPP交渉に不可欠とされるTPA法案の審議入りを否決しました。
      ※ 貿易促進権限大統領と外国政府との通商合意について議会個別内容の修正を求めないとするもの。一括承認または不承認となる)
 オバマ大統領の身内である民主党議員のほとんどが労働組合の意向に沿って反対したためです。これでひとまずはTPPが妥結に向けて直進することは避けられました。妥結に向かうのは6月以降になるといわれています。
 
 オバマ氏はアメリカにとって圧倒的に有利なTPP協定なのに何故反対するのか不思議がっているということですが、大資本家にとって極めて有利な協定であっても、第一線の労働者にとってはカナダやメキシコなどの労働者が流入して来るなどの不利益があります。
 
 今後については大統領側は民主党議員の説得に入るので、このままTPP交渉が中断されて安泰というわけではありません。民主党は為替操作(円安操作など)に対する制限条項を要求しているので、それとのバーター取引でTPA法案が成立すれば、TPP協定は日本にとって更に不利なものになります。 
 
 それにしてもアメリカにとって圧倒的に有利であるということは、日本にとっては圧倒的に不利であるということです。TPPは決して関税だけの問題に留まるものではなく、アメリカが加盟国を、経済面をはじめ多角的に支配するための道具です。しかも当初から日本を標的にしたものでした。安倍政権はそれを百も承知で付き従っているわけで、売国の政権というしかありません。
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米上院でTPA法案審議入り否決、民主44人造反
TBSニュース 2015年5月13日
 先の日米首脳会談でも早期妥結を誓ったはずのTPPですが、オバマ大統領が身内の造反で窮地に立たされています。議会上院で民主党議員46人中、実に44人が、妥結に不可欠とされる大統領権限の審議をめぐって反対に回りました。交渉のスケジュールに大きな影響が出そうです。
 
 12日のアメリカ連邦議会。TPP交渉に不可欠とされる法案をめぐり異変が起きました。
 「賛成が52票、反対票が45票で、審議入りに必要な賛成60票に満たないため、審議入りは否決されました」(米議会上院12日)
 審議入りが否決されたのはTPA法案。TPP交渉での大統領の権限を拡大するための法案です。オバマ政権は議会に成立を強く求めていますが、大統領の身内である民主党の議員46人のうち、44人が反対に回ったのです。
 民主党を支持する労働組合などがTPPに反対していることが主な要因です。
 
 日本の鶴岡首席交渉官は・・・
 「(TPA法案が成立しなければ)これは交渉をまとめるための必須の条件が整わないということになりまして、その中で交渉を進展させることはなかなか難しいだろうと思います」(鶴岡公二首席交渉官)
 TPA法案成立の見通しが立たなければ、各国はTPP交渉の進展に積極的な姿勢をとらないと指摘しました。
 TPP妥結に不可欠とされる重要法案をめぐって起きたオバマ大統領の身内の造反。TPPの早期妥結に暗雲が漂っています。
 
 
TPA法案審議入り、否決=TPP合意、6月以降の公算―米上院
時事通信2015年5月13日
 【ワシントン時事】米議会上院は12日、環太平洋連携協定(TPP)交渉妥結の前提となる大統領貿易促進権限(TPA)法案について、本会議での審議開始に必要な動議を否決した。月内の法案可決は極めて難しくなり、TPP交渉の大筋合意は6月以降に遅れる公算が大きい。早期可決を目指す共和党は、改めて動議の採択を求める。
 動議は賛成52反対45で、採択に必要な賛成60票(議席数100)に届かなかった。TPPに慎重な民主党側は、貿易相手国の為替操作に対する明確な制限条項などを要求しており、審議入りには、両党間でさらに調整が必要だ。