2015年5月12日火曜日

緊急事態条項を通してしまったら9条を死守しても・・・

 映画監督・脚本・演出家・ジャーナリストの想田和弘氏が、「緊急事態条項」の持つ危険性についてツィートしています。
 緊急事態条項はナチスの全権委任法に匹敵するもので、9条改憲案以上に危険な条項なのに、メディアも政党も9条を守ることを強調するだけなのは、片手落ちというよりも間違っているという主張です。これは「緊急事態条項」の危険性に注目している人たちを大いに納得させるものです
 論客で知られる山崎雅弘氏も完全に同意のRTを寄せています。
 こういう的確で真剣な論調が先ずはインターネット界で盛り上がって欲しいものです。
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全権委任法に匹敵する緊急事態条項を通してしまったら、
9条なんか死守しても何の意味もない
想田和弘氏のツイートより 「晴耕雨読」 2015年5月12日
 報道各社や野党の「お試し改憲」批判に非常な危うさを感じる
 彼らは自民の本丸は9条であり、緊急事態条項など「理解を得やすい」ものから始めるのは姑息だと批判
 だが、自民改憲案にある緊急事態条項はナチスの全権委任法に匹敵する危険極まりない条項であり「理解を得やすい」ものですらない
 というより、緊急事態条項は9条改憲案以上に危険な条項のひとつであり、絶対に通してはならないものだ
 
 ところが現在の「お試し改憲」批判は、その最も危険な条項を「理解を得やすい」「穏健な」ものだと主権者に誤解させる可能性をはらんでいる
 全くもって危険である
 自民改憲案によれば、首相は緊急事態を宣言すれば法律と同一の効力を有する政令を勝手に制定できる
 つまりやろうと思えば、政敵を牢獄に放り込んだり、新聞社やテレビ局を閉鎖することもできてしまうだろう
 こんなものを「お試し」するの?
 本丸は9条じゃなくてこっちじゃないの?
 
自民改憲案第九十八条
 内閣総理大臣は、我が国に対する外部からの武力攻撃、内乱等による社会秩序の混乱、地震等による大規模な自然災害その他の法律で定める緊急事態において、特に必要があると認めるときは、法律の定めるところにより、閣議にかけて、緊急事態の宣言を発することができる
 
自民改憲案第九十九条
 緊急事態の宣言が発せられたときは、法律の定めるところにより、内閣は法律と同一の効力を有する政令を制定することができるほか、内閣総理大臣は財政上必要な支出その他の処分を行い、地方自治体の長に対して必要な指示をすることができる
 
自民改憲案第九十九条3
 緊急事態の宣言が発せられた場合には、何人も、法律の定めるところにより、当該宣言に係る事態において国民の生命、身体及び財産を守るために行われる措置に関して発せられる国その他公の機関の指示に従わなければならない
 
(略)自民改憲案第九十九条4
緊急事態の宣言が発せられた場合においては、法律の定めるところにより、その宣言が効力を有する期間、衆議院は解散されないものとし、両議院の議員の任期及びその選挙期日の特例を設けることができる
 
 僕には高度な詐欺師の手口に思える
 つまり自民が「9条には抵抗あるでしょうから、まずは緊急事態条項をやりましょうよ」と言うことによって、抵抗する側も優先順位が混乱してしまい、緊急事態条項に反対するよりも9条を守ろうとしてしまう
 
 でも自民の狙いは最初から緊急事態条項だという
 危険だ!共産党ですら9条が本丸だと誤解してる
 危ないぞ、これ
    「主張/自民党の改憲策動/国民愚ろうのお試し許さず
 
 こちらは、「明日の自由を守る若手弁護士の会」の見解
 法律の専門家も、緊急事態条項が極めて危険なものであることに警鐘を鳴らしている
  「『比較的理解が得やすいなんてとんでもない誤解であり印象操作であり騙しのテクニックである」   https://t.co/UAftu36G20 
  
 つーか、全権委任法に匹敵する緊急事態条項を通してしまったら、9条なんか死守しても何の意味もないよね、マジで
 護憲派と呼ばれる人々は、長らく「憲法問題=9条」と刷り込まれ、9条だけを守ろうとしてきたので、それ以外の条文に対する守りがあまりにも希薄かつ理解不足にみえます
 しかし自民改憲案が基本的人権そのものを攻撃している以上、そういう視野狭窄はいい加減に捨てて目を覚ましてほしいです
 
 2012年に自民党改憲案が発表されたときも、報道機関や護憲派が最も反応したのは9条の「国防軍」の項目で、それ以外はほとんどノーマークでした
 そのことに僕は本当に驚いて恐怖に慄いたものです
 護憲派が9条にしか反応できなくなってる
 これは極めて由々しき事態だと思います
 僕は9条も大事だと思ってますけど、人権条項などの方が実ははるかに大事だと思ってます、はっきり言って
 僕の理解では、日本国憲法の基本的人権を保障する条項群は、民主主義が生きて行くためにはどうしても欠かせない水や空気にも似た超ベーシックなものであり、9条はいわば豪華な付随品です
 その付随品を守ることも大事ですけど、それを守るのに必死なあまり水や空気を失ったら元も子もないでしょう
 
 だけど今の日本の憲法論議では、付随品の是非ばかりが議題にされていて、水や空気の存在がほとんど無視されている
 というより、自民党は水や空気を攻撃しているのに、攻撃されていることにすら気づきにくい
 非常に危うい状況だと思います
 
>山崎雅弘 私も同感です。先日もツイートしましたが( http://bit.ly/1zV2Sn5 )、朝日新聞を含む大手メディアは最近、示し合わせたかのように「九条改正が本丸だ」等、根拠のよくわからない「解釈」を盛んに記事に盛り込み、読者の視野や判断力を狭めています