2015年5月20日水曜日

実質賃金3・0%減 過去最大 2014年度

 厚生労働省が19日発表した毎月勤労統計調査の2014年度まとめによると、働く人人当たりの名目賃金」は前年度比0・5%増で4年ぶりに増加しましが、物価の影響を考慮した実質賃金は3・0%減で、年連続のマイナスでした。
 
 この実質賃金の下落率は、現在の方法で統計を取り始めた1991年度以降で最大です。厚労省は「消費税率引き上げが物価上昇に拍車を掛け、下げ幅が拡大した」と説明しています
 アベンミクスによる円安・株高で一部の富裕層や大企業は株などで大儲けをしましたが、一般国民にとってはこれまでで最大の「貧困政治」ということになります。
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実質賃金 最大の30%減 消費増税で物価上昇
東京新聞 2015年5月19
 厚生労働省が十九日発表した毎月勤労統計調査(確報、従業員五人以上の事業所)の二〇一四年度まとめによると、働く人一人当たりの現金給与総額(名目賃金、月平均)は、前年度比0・5%増の三十一万五千九百八十四円で、四年ぶりに増加した。一方で、物価の影響を考慮した実質賃金は3・0%減で、四年連続のマイナスだった。
 
 実質賃金の下落率は、現在の方法で統計を取り始めた一九九一年度以降で最大。物価上昇に賃金の伸びが追い付かず、アベノミクスの恩恵が労働者には十分に届かなかった。厚労省は「消費税率引き上げが物価上昇に拍車を掛け、下げ幅が拡大した」と説明している。
 基本給などの所定内給与は0・2%減の二十四万九百二十六円で、九年連続のマイナス。残業代などの所定外給与は1・6%のプラスで、五年連続で増えた。
 給与総額を勤務形態別に見ると、正社員などフルタイムで働く一般労働者は1・0%増加し、パートタイム労働者は0・4%増だった。働く人に占めるパートの割合が前年度比で0・47ポイント増え30・0%となったため、一人平均の伸び率は0・5%にとどまった。
 
 調査対象となる事業所の入れ替えに伴い過去のデータを見直した結果、一三年度の現金給与総額は当初は小幅プラスだったが、0・2%減に修正された。
 実質賃金の算出に使っている物価は住宅関連の一部データを除いた指数を使っており、日銀が物価目標の対象としている生鮮食品を除いた指数より高めに出る傾向がある。
 
 <毎月勤労統計調査> 厚生労働省が賃金や労働時間などの動向を把握するため毎月実施し、公表している。政府が月例経済報告で景気の判断をする時の基礎データなどに利用される。調査対象は約3万3000事業所で、常時5人以上を雇用している約190万事業所の中から無作為に抽出。実質賃金の算出には、住宅関連の一部データを除いた消費者物価指数を使っている。
 
 
14年度の実質賃金3・0%減 物価上昇で、下落率最大
東京新聞 2015年5月19日
 厚生労働省が19日発表した毎月勤労統計調査(確報、従業員5人以上の事業所)の2014年度まとめによると、働く人1人当たりの現金給与総額(名目賃金、月平均)は、前年度比0・5%増の31万5984円で、4年ぶりに増加した。一方で、物価の影響を考慮した実質賃金は3・0%減で、4年連続のマイナスだった。
 
 実質賃金の下落率は、現在の方法で統計を取り始めた1991年度以降で最大。物価上昇に賃金の伸びが追いつかず、アベノミクスの恩恵が労働者には十分に届かなかった。厚労省は「消費税率引き上げが物価上昇に拍車を掛け、下げ幅が拡大した」と説明している。 (共同)
 
 賃金の増減率の推移