「世界報道の自由の日」の5月3日、日本外国特派員協会(FCCJ)が今年設けた「報道の自由推進賞」の受賞者が発表されました。
この賞は、2015年発表の「国境なき記者団」の調査で、「日本の報道の自由度」が世界第61位へと後退したことを受けて設立されました。
「殉職した英雄賞」は故後藤健二さんでした。
後藤さんはISIL(イスラム国)に先に拘束されていた湯川遥菜さんを救出しようと単独でシリアに入り、そこで拘束され、その後中東を訪問した安倍首相の言動がISILを大いに刺激したこともあって、湯川さんに続いて殺害されました。
後藤さんは単独で戦乱の地に入って子供たちの表情を撮るなどした人道ジャーナリストでした。
年間最優秀出版賞には東京新聞が選ばれました。
詳しくはThe Huffington Postの記事をご覧下さい。
(関係記事)
4月5日 報道の自由推進賞 権力追及忘れたマスコミへの警鐘
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後藤健二さんに「報道の自由推進賞」 日本外国特派員協会が選出
安藤健二 The Huffington Post 2015年05月04日
日本外国特派員協会(FCCJ)が選んだ「報道の自由推進賞」に、シリアで取材中に亡くなったジャーナリストの後藤健二さんらが選ばれた。「世界報道の自由の日」である5月3日に発表された。
この賞は、2015年発表の「国境なき記者団」の調査で、「日本の報道の自由度」が世界第61位へと後退したことを受けて設立された。報道の自由の推進に貢献した記者、メディアそして個人を表彰するのが趣旨。
後藤健二さんは「殉職した英雄賞」を受賞した。FCCJは発表文の中で、受賞理由を以下のように説明した。
シリアで取材中に ISIL(イスラム国)に拘束され、安倍首相が「ISIL と戦う国のために」数億ドルの支援を約束した数週間後に斬首されたフリーランスジャーナリストです。彼は戦争そのものを報じるのではなく、戦争の悲惨な側面を報じる人道ジャーナリストでした。彼は他のジャーナリストたちが行きたがらない危険な地域をあえて取材することで、中東や他の紛争地帯で何が起きているのかを世界に伝えました。
その他の受賞者は以下の通り。
■調査報道賞
優れた調査報道を通じて、報道の自由の推進に貢献したジャーナリストもしくはメディアに贈られる。年一度の表彰。
• ファクタ
日大のスキャンダルやその他の金融スキャンダルに代表される、日本でタブーとされるテーマに関する継続的かつ質の高い調査報道に対する功績
• 朝日新聞「プロメテウスの罠」
原発の安全面や業界の隠蔽体質や腐敗に関する継続的かつ長期的な調査報道に対する功績
・ ジェイソン・クレンフィールドさん(ブルームバーグニュース)
KDDI の非正規の壁に挑む丸井美穂氏を取り上げた報道に対する功績。
■報道功労賞
報道の自由および言論の自由の促進に生涯を通じて貢献したジャーナリストまたは個人に贈られる。候補者は日本で活動していることを条件とし、該当者がある場合のみ表彰される。
・ジョン・ミッチェルさん (ジャパン・タイムズほか)
沖縄における枯れ葉剤問題やその他の米軍基地に関連した諸問題に関する一連の報道並びに著作に対して。
■報道の自由の友
日本を拠点として報道の自由を促進する運動に取り組む法律家、活動家、内部告発者などが対象。年一度の表彰。
・古賀茂明さん(元経産官僚)
表現の自由を抑圧しようとする政府に対する批判と、東京電力の問題を含む日本の政治や産業界に関する鋭い評論活動に対して。
・中野晃一さん(上智大学教授)
特定の勢力に阿ることなく、また恐れることなくタブーに踏み込み、日本の政治に関する鋭く有益な分析を継続的に行った功績に対して。
・マイケル・ウッドフォードさん(オリンパス前 CEO)
社の会計偽装を内部告発し、日本の企業統治により高度な透明性を促した功績に対して
■年間最優秀出版賞
出版あるいはウェブ上で公開された、優れた調査報道に対して贈られる。年一度の表彰。
・東京新聞
原発問題、政治スキャンダル、汚職、報道の自由に関わる継続的、かつ優れた調査報道に対して。
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後藤健二さんを特別表彰 スペイン国際記者クラブ
東京新聞 2015年5月6日
【パリ共同】スペインの国際記者クラブは5日、今年1月に過激派組織「イスラム国」に殺害されたとみられるフリージャーナリスト後藤健二さんを特別表彰した。
同クラブは毎年、スペイン内外で活躍したジャーナリスト5人を表彰。今年は「紛争地で人権擁護に尽くした賞」を特別に設け、後藤さんに授与した。式典にはサエンスデサンタマリア副首相や日本の越川和彦駐スペイン大使も出席した。