翁長雄志知事は9日午前、中谷元・防衛相と県庁で会談しました。
このなかで 中谷氏は抑止力を維持するには「辺野古移設が唯一の解決策と確信している」と従来の方針を述べたということですが、菅、安倍の両氏に続いて3回目の同じ説明の繰り返しになりました。
また、尖閣列島をめぐる中国の活動の活発化で空自の緊急発進が4年間で5倍近くに増えた状況などをデータで示したということです。しかし海兵隊はもともと島嶼の防衛とは無関係の部隊なので、それもピント外れの説明です。
翁長氏は中谷氏の態度を「高飛車に聞こえた。沖縄県民の寄り添い、理解をいただくという方針とはほど遠い」とも批判しました。
二人が顔を合わせたこと以外には意味のない会談になったようです。
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翁長知事「建設中止決断を」 防衛相と会談
沖縄タイムス 2015年5月9日
翁長雄志知事は9日午前、中谷元・防衛相と県庁で会談した。米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古の新基地建設について、翁長知事は県内世論の反発を取り上げ、「建設は不可能である。沖縄県として絶対に反対したい」と述べ、辺野古が唯一の解決策という固定観念から脱し、建設中止を決断するよう求めた。
中谷氏は普天間の固定化回避は政府と国の共通認識で、その上で抑止力を維持するには「辺野古移設が唯一の解決策と確信している」と従来の方針を繰り返した。また、南西地域の島しょ防衛強化のため、宮古島市や石垣市への自衛隊警備部隊の配備を具体化させる考えを伝えた。
中谷氏は沖縄の地理的優位性を説明するため、中国の南西海域での活動が活発化し、空自の緊急発進(スクランブル)が4年間で5倍近くに増えた状況などをデータで示した。
翁長氏は就任後に会談を求めたが、中谷氏が「話し合っても溝が深くなるだけ」などと発言してきたことに「高飛車に聞こえた。沖縄県民の寄り添い、理解をいただくという方針とはほど遠い」と不快感を示した。
普天間問題では、戦後、米軍が銃剣とブルドーザーで強制接収した土地に基地を造った経緯を説明。「自ら奪い、老朽化し、世界一危険になったから、辺野古に新基地を造る。嫌なら代替案を沖縄側が出せという考え方のどこに自由と民主主義、人権という価値観を共有する米国との約束を実現する資格が(日本には)あるのか」と語った。
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名護市長「国と妥協点ない」 防衛相発言に
東京新聞 2015年5月9日
沖縄県名護市の稲嶺進市長は9日、中谷元・防衛相が翁長雄志知事との会談で、米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設を「唯一の解決策」と発言したのに対し「国と妥協点はない」と述べ、辺野古移設を拒否する意向をあらためて強調した。名護市で記者団に語った。
稲嶺市長は中谷氏の沖縄訪問を「『辺野古が唯一』と主張することが目的で(沖縄の)意見を聴く状況ではない」と批判。「市長や知事の権限、県民運動によって移設を撤回させるしかない」と述べた。 (共同)