2015年5月28日木曜日

参院憲法審査会  改憲巡り各党が意見表明

 27日、参議院憲法審査会が開かれ、審査会が今後取り組む課題について、各党が意見を表明しました。
 その中で、自民党大規模な災害などに対応する「緊急事態」や「環境権」の条項を憲法に明記すべきだと主張したのに対し、与党の公明党は「非常事態に国会が関与することは国会の本質的な権限で、議会に拒否権を与えることは最重要項目だ」と述べました。
 他の党から「緊急事態」に関する発言があったのかは不明です。
 
 もしもこの「緊急事態」条項の導入が特段問題視されていないというのであれば、極めて認識不足な審査会というしかありません。
        (関係記事)
5月18日 危険極まる緊急事態条項の導入 
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参院憲法審査会 改憲巡り各党などが意見表明
NHK NEWS WEB 2015年5月
27日参議院憲法審査会が開かれ、憲法改正を巡り、審査会が今後、取り組む課題について、各党などが意見を表明しました。
自民党が、大規模な災害などに対応する「緊急事態」や「環境権」の条項を憲法に明記すべきだと主張したのに対し、民主党は、改正論議にあたっては立憲主義など憲法の良識を尊重すべきだと主張しました。
 
参議院憲法審査会は、今の国会で、これまでに憲法改正を巡り、参考人質疑などを行っていて、27日は今後、取り組む課題について各党などが意見を表明しました。
この中で、自民党の阿達雅志参議院議員は「憲法の制定から70年近くが経過し、国家権能の変化、社会変化に応じて憲法を変えていくことが必要だ。国家の緊急事態に憲法秩序を一時的に停止する国家緊急権を憲法に規定することが重要だ。また、環境権などの明記や、憲法の前文に日本の伝統文化、価値観といった記述を加えることも考慮すべきだ」と述べました。
民主党の前川憲法調査会事務局長は「戦後70年、日本が1度も戦争に巻き込まれなかったことなど、現行憲法が果たしてきた役割を高く評価しているが、社会の変化に応じ、足りない点など建設的な議論を尽くすのは当然だ。そのためには積み重ねられた国会の議論や、立憲主義の思想と歴史など、憲法の良識を尊重すべきだ」と述べました。
公明党の西田参議院幹事長は「参議院は行政を監視する機能をより強化すべきだ。非常事態に内閣が対応する際、国会が関与することは、国民主権が要請する国会の本質的な権限であり、議会に拒否権を与えることは、憲法審査会で議論すべき最重要項目だ。官僚機構の統制のための議論も徹底して行う必要がある」と述べました。
維新の党の清水国会対策副委員長は「維新の党が提唱する統治機構改革を実現するためには、憲法改正が必要だ。憲法改正の発議要件を緩和することにより、憲法改正の原案を提示する機会を増やし、国民的な議論を喚起しやすくする必要がある」と述べました。
共産党の仁比参議院国会対策副委員長は「最大の憲法問題は、集団的自衛権行使を容認した安倍内閣の閣議決定と戦争法案の提出強行であり、戦後最悪の憲法破壊だ。このような下、明文改憲に直接つながる憲法審査会を動かすべきではない」と述べました。
参議院の会派「日本を元気にする会・無所属会」の田中茂参議院議員は「日本国憲法に書かれた近代憲法の精神と、日本人のアイデンティティを融合させて、日本独自の憲法をつくるべきだ」と述べました。
次世代の党の江口両院議員総会長は「他国によって作られた現行憲法を早急に改め、国民の国民による国民のための日本国憲法に作り直さなければ、いつまでもたっても日本は真の独立国とは言えない」と述べました。
参議院の会派「無所属クラブ」の水野賢一参議院議員は「憲法改正は必要だが復古主義などではなく憲法の精神を発展させて時代を推進し、人類や日本の進歩に寄与するような憲法にしていくべきだ」と述べました。
社民党の福島副党首は「日本国憲法の理念や条文を実現することこそ必要で、国会議員は憲法を尊重し擁護する義務を負っており、憲法が規定する理念をどういかしていくかを審査会で議論すべきだ」と述べました。
生活の党と山本太郎となかまたちの主濱副代表は「憲法は国家権力を縛るために存在するもので、96条の手続きに従って変えなければならないが、平和主義などの4大原則は変えられないと考えている」と述べました。