全世界的な新型コロナ禍は当然経済にも甚大な影響を及ぼします。
日経平均は28日の段階で5日連続で計2337円下落しました。円は、日本が感染国になったことで一時「安全資産」の地位を失いましたが、米国での感染拡大で再び買われ出し、1ドル108円の円高になりました。
新型コロナの問題が長引けば、リーマン・ショックと東日本大震災を足したような事態になるかもしれないとされ、個人消費の下落は東日本大震災時を超えると見られています。
株価は1万5000円を割り込む惧れもあります。そうなれば日銀は債務超過に陥ります。まさにアベノミクスによる国家の大破綻です。年金資金はどうなるのでしょうか、
悲劇は計り知れません。
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新型コロナ禍直撃 日経平均「1万5000円割れ」の現実味
日刊ゲンダイ 2020/02/29
28日の日経平均株価は5日続落で、下げ幅は一時1000円を超えた。終値は前日比805円安の2万1142円。この5日間で2337円の大幅下落に見舞われたが、新型コロナウイルスの収束にてこずれば、さらに下がり続けるだろう。コロナ禍ショックは始まったばかりだ。
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このところの日経平均のダダ下がりは米国株の大幅安に引っ張られている。米国では26日に初めて感染経路不明の患者が確認されるなど感染拡大への不安が高まり、パニック売りが起きている。
28日のダウ平均株価は7日続落。前日比357・28ドル安の2万5409・36ドルで取引を終えた。下げ幅は一時1000ドルを超えた。12日にマークした史上最高値2万9568ドルから4100ドル以上も下げている。
トランプ大統領は「状況をコントロールしている」と強調しているが、発生地の中国・武漢からの帰国者らと対面任務を担当した保健当局の職員が「(感染防止の)適切な訓練も装備も与えられなかった」と米メディアに告発。米国で感染が急拡大すれば、米国も日本もボロボロだ。
さらに、気がかりなのが円高だ。
「日本は中国に次ぐ新型コロナ感染拡大国だったため、安全資産とされる円が買われず、円高が進行しなかった。これが輸出企業には追い風になり、日経平均の下落を緩和していた面がある。ところが、米国の感染拡大で、円買い、ドル売りに転じつつあります」(兜町関係者)
先週は1ドル=112円台で動いていたが、円高がじわじわ進行。きのうは108円台に突入した。加えて、トランプは利下げ圧力を強めている。3月の連邦準備制度理事会(FRB)での利下げはほぼ確実だ。米金利が0・25%下がると、1ドル当たり2~3円ほど円高が進むとされる。
「大幅続落しているとはいえ、日経平均は2万円台をキープしていますが、この先は不透明です。2月以降の経済指標や企業の決算などに新型コロナの影響が具体的に表れれば、市場はますます敏感になるでしょう」(前出の兜町関係者)
雇用もズタズタでアベノミクス完全崩壊
1月に企業は2019年10~12月期の決算を発表。20年3月期の決算見通しも示したが、新型コロナは織り込めていない。2月以降の感染拡大を受けて、3月期見通しの下方修正が続出する可能性は高い。20年1~3月期の実質GDPは2四半期連続のマイナスが濃厚だ。金融ジャーナリストの小林佳樹氏が言う。
「新型コロナの問題が長引けば、リーマン・ショックと東日本大震災を足したような事態になるかもしれません。08年のリーマン・ショック後、非正規社員を中心にリストラが広がり、11年の3・11後は、電力不足などでイベントの自粛ムードに覆われました」
イベント中止やテーマパーク休業、スポーツの無観客試合への変更が相次いでいる。東京ディズニーランドやUSJも臨時休業を決定。大和総研の試算によれば、新型コロナの影響で2~5月の4カ月間の個人消費が3兆8000億円程度減少し、3・11ショックの減少額2兆6000億円を超えるという。
足元では雇用環境がすでに悪化している。1月の完全失業率は0・2ポイント上昇し、2・4%と4カ月ぶりに悪化した。
「金融関係者は週明けには株価が2万円割れするとみています。5月までにコロナ禍がおさまらなければ、東京五輪の開催も怪しくなり、失業や倒産もいっそう深刻になっているでしょう。1万5000円を割り込んでもおかしくありません」(小林佳樹氏)
株価連動政権とヤユされてきた安倍政権の息の根が止まる日が近づいてきた。