日本では重症化しない限りPCR検査をしないということを原則として、いまだに検査件数は1日1000件台にとどまっています。そうしないと医療崩壊が起きるからという言い分なのですが、その一方で軽症と推測される感染者を隔離する施設の新設・拡充には一切触れようとしません。
新型コロナウイルスに対する検査としてはこのPCR検査に加えて、抗体検査(血清検査)があります。これは採取(少量の採血)が安全でかつ10数分で結果が判明するので非常に便利です。
医療崩壊は勿論起きてはならないことですが、検査自体を抑えることでそれを防ぐということではなく、医療の専門家は検査と医療を両立させるやり方を考案すべきです。ドイツは徹底的に検査をした結果、コンマ以下の致死率を達成していますが、医療崩壊を起こしたとは聞いていません。医療崩壊を回避する方法はいくらでもある筈で、医療崩壊を口実に検査を抑えることは許されないし、感染の実態が把握できなければ何ごとも方向性が定まりません。現に英国政府は350万個の抗体検査キットを発注しました。そのことはそれが医療崩壊につながらない確信を持っているということです。
共産党の小池晃書記局長が29日のNHKの「日曜討論」で、必要な人にはPCR検査を実施するとともに、抗体検査(血液検査)の導入を急ぐべきだと訴えました。
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抗体検査 導入急げ 日曜討論 小池書記局長が求める
しんぶん赤旗 2020年3月30日
日本共産党の小池晃書記局長は29日のNHK「日曜討論」で、必要な人にはPCR検査を実施するとともに、抗体検査(血液検査)の導入を急ぐべきだと訴えました。
PCR検査では鼻や喉から採取した粘液を使ってウイルスの有無を検査するのに対し、抗体検査では血液中の抗体を検査し、特定のウイルスに感染し免疫を獲得しているかどうかを調べます。
小池氏は、PCR検査の体制が1日8000件といわれながら実際の検査件数は1日1300件で、あまりに少ないと指摘し、「健康な人も誰でも検査すべきだとは思わないが、医師が必要と判断すれば直ちに検査できるようにすべきだ」と強調しました。
さらに、抗体検査はわずかな血液で十数分で判定できると述べ、イギリス政府が350万人分の検査キットを発注したことを紹介。「免疫の獲得が確認できれば、ウイルスをうつす危険もうつされる危険もないことが判定できる。これを大規模にやれば感染の広がりもつかめる。ぜひ政府の前向きの対応を求めたい」と述べました。
小池氏は18日の参院厚生労働委員会でも、抗体検査の早期導入を求めています。