WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は16日、ジュネーブの本部で記者会見し、新型コロナウイルスについて「誰が感染しているのか分からなければ、流行を防ぎようがない」「火が見えなければ火事は消せない」「疑わしい人すべてをとにかく検査すべき」、「検査、検査、検査」と検査を徹底することが感染防止につながると強調しました。
極めて当然の主張で、感染者を把握しなければ感染拡大の防止が出来ません。
そして感染が分かった人については、病院とまではいわなくても大阪府が進めているように、倒産したり客が来なくなったホテルや空いている学校などの公共施設に隔離することが必要です。そうしないと家庭内に「隔離」した結果、家族全員が感染するという事態を生じ、それが外部への新たな感染源となります。
国がそうした対策を全く進めないなかで、検査しても治療薬がないから無駄だとか、医療崩壊が起きるからなどの口実をつけてPCR検査を拡充しようとしないのは不可解です。
重症者を優先的に入院させるということ自体は正論ですが、軽症者を放置したままでは感染拡大を防止できないし、感染が拡大すれば高齢者を中心に重症者は増える一方になります。それこそ医療崩壊に繋がるものです。
安倍政権は今年に入ってから2度にわたってWHOに大金を寄付しています。
しかし単に金を出せばいいというのではなく、テドロス事務局長の主張が正しいことを認め、検査拡大に向けて誠実に対応すべきです。
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WHO事務局長、感染防止に向け「とにかく検査を」
TBSニュース 2020年3月17日
新型コロナウイルスの感染が世界規模で広がり続けるなか、WHOのテドロス事務局長は16日、「この1週間で感染が急速に広がった」などと危機感を示したうえで、「誰が感染しているか分からなければ流行を防げない」と訴え、各国に検査の徹底を求めました。
「この1週間で新型コロナウイルスの感染が急速に広がった。中国以外の感染者と死者の数が中国を上回りました」(WHO テドロス事務局長)
16日、WHO(世界保健機関)のテドロス事務局長は会見で、新型コロナウイルスの感染者が過去1週間で急速に広がったと述べ、「これは地球規模の衛生上の危機」だと警告しました。その上で、「感染拡大を防ぎ、人々の命を守る最も効果的な方法は感染経路を絶つこと」だとして、各国に検査の徹底を求めました。
「誰が感染しているのか分からなければ、流行を防ぎようがありません。各国は“疑わしい人すべてをとにかく検査”です。そして、もし陽性反応が出たら、その人を隔離し、症状が出た2日前までさかのぼって、その人が濃厚接触した人を見つけ出してください。そして、その人もさらに検査するのです」(WHO テドロス事務局長)
また、テドロス事務局長は、経済状況の良くない国々を中心に医療体制が追いついていない状況に懸念を示し、そうした状況下では「高齢者と基礎疾患がある患者を優先すべきだ」として、症状の軽い患者は自宅での療養もやむを得ないとの考えを示しました。