2021年8月2日月曜日

02- 菅首相会見 楽観論を繰り返し危機に向き合わず

 国のトップは国民の命運を担っているので、愚かな人間がその地位に就くなどはあってはならなことです。その点で第二次安倍政権は無能と邪悪の8年弱でした。それがようやく終わって、今度は少しはマシな政権になるかと思ったのですが、無能と邪悪では瓜二つで、陰険な分 暗さが際立っています。

 トップに要請されるそうした資質は平時でも非常時でも変わりませんが、非常時の方が無能なトップによる弊害がより大きくなるのはいうまでもありません。
 方針であれ政策であれ、よく議論し審議してこそ「より良くなる」ものであり、それが他者から出される疑問や指摘の意味が理解できなかったり、理解できてもまともな回答が出来ないということであれば、方針が的確化され磨かれる余地などありません。
 30日、安倍首相が緊急事態宣言等について開いた会見でもその無能ぶりが遺憾なく発揮されました。これではコロナが収まることなどあり得ません。
 しんぶん赤旗に、「 ~ 楽観論を繰り返し危機に向き合わず」とする署名記事が載りました。
 それは簡単に言うと記者たちとの質疑応答で、都合の悪い質問には答えないか、答えても、はぐらかしでなければウソ八百というもので、これではどうしようもありません。
 記者は、「自身の責任に向き合わず、感染抑止に逆行する五輪開催を続け、楽観輪で誤ったメッセージの発信を続ける菅首相の姿勢が国民の命を危機にさらしている」と結んでいます。
 またしんぶん赤旗・深山直人・国民運動部長は、「苦境の国民 置き去りか」とする記事で、菅政権のコロナ禍での無為無策がどれ程国民を追いつめているかを指摘しました。
 併せてもう一つ、「政界地獄耳」氏の「政府を信じなくなった時に、国民はどう対応するのか」を紹介します。
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「宣言」拡大で菅首相会見 楽観論を繰り返し危機に向き合わず
                        しんぶん赤旗 2021年8月1日
 東京五輪期間中の新型コロナウイルス感染爆発に伴い、政府は30日、緊急事態宣言の拡大・延長を決定しました。この日、新規感染者は3日連続で過去最多を更新。しかし同日の記者会見で菅義偉首相は「人流は減っている」などと楽観的な見方を繰り返しました。感染急拡大を招いた原因や責任については答えず、医療が逼迫(ひっぱく)し国民の命が危機に直面する現実と向き合わない姿勢をあらわにしました。

矛盾した発信
 菅首相は、「これまで経験したことがないスピードで感染が拡大している」と述べる一方、ワクチン接種の効果で高齢者の感割合が減り、重症者や死者数が抑えられていると強調しました。記者から「東京五輪開催の前提としていた国民の命と健康は守られているか」と問われたのに対しては、五輪開催による交通規制やテレワークで 「人流が減っていることは事実」などと主張。テレビ観戦などで「感染拡大を防いでいきたい」と述べました。
 しかし、専門家は前回の宣言時と比べ都内の人出の減少幅が少ないと指摘し、東京など首都圏では医療崩壊の危機に直面しているのが現実です。厚生労働省の専門家組織は「危機感を行政と市民が共有できていないことが最大の問題」と指摘。その最大の要因は緊急事態宣言下で五輪を強行するという矛盾したメッセージを発信し続けていることです。菅首相の発言からは誤った現状認識と楽観的なメッセージが伝わるぱかりです。
 会見に同席した政府の新型コロナ分科会の尾身茂会長も、五輪開催や夏休みが感染拡大に与える影響に触れ、「国民の複雑な心情に寄り添った発信の仕方が求められる」ど述べました。しかし首相は、「国民と危機感を共有するために何が一番重要か」と間われても、 「国民のみなさんに危機]感を持っていただくことが大事」などと堂々巡りの答弁現状への危機感も、メッセージを伝える意思も能力も欠如していると言わざるを得ません。

終始責任逃れ
 感染爆発に至った事態について「自らの責任をどう考えるか」との質問に答えなかった菅首相に対し、「感染拡大を招いた責任を答えていない」とさらに追及する声が出ても、「いま発生している波をできるだけ早く収めることが一番の私の責任」と論点ずらしを繰り返し、責任逃れの姿勢に終始しました。
 菅首相が感染力の強いデルタ株の猛威などを感染拡大の理由にあげたことに対しても、厳しい指摘が出されました。デル夕株の脅威は今年春の時点でわかっていたとして、「デルタ株を見くびり、甘い根拠なき楽観論の下で、五輪を開催していることが感染を引き起こしているのでは」と追及する記者に、首相は「水際対策はきちんとやっている」と述べるだけでした。
 さらに、「感染の波が止まらず医療崩壊で救うべき命が救えなくなったとき、総理の職を辞する覚悟があるか」との質問にも答えず、「感染対策を私の責任でしっかり対応するごとはできる」と言い張りました。
 自身の責任に向き合わず、感染抑止に逆行する五輪開催を続け、楽観輪で誤ったメッセージの発信を続ける菅首相の姿勢が国民の命を危機にさらしています。  (伊藤幸)


苦境の国民 置き去りか 
             国民運動部長 深山直人 しんぶん赤旗 2021年8月1日
 お祭り騒ぎのような五輪の陰で、コロナ禍で苦境に立つ労働者や女性、中小業者らが置き去りにされています。
 「緊急事態宣言がずっと続いて心が折れそうだ。もう店をたたもうかと何度も考える」
 こう語るのは、営業自粛を強いられている東京都内の飲食店主。五輪で日本選手の金メダルを見ても気分は重いままだと語ります。
                  ■ □
 労働者の解雇や雇い止めは労働局集計だけで11万人を突破。実際はもっと多くの人が雇用を奪われています
 「緊急事態宣言で勤務先が休業となったのに休業手当が払われない」「営業不振で解雇され、再就職先もみつからず失業手当も切れてしまった」―。長引くコロナ禍と菅政権の無為無策が人々を追い詰めているのです。
 菅首相は五輪について「安全・安心」を繰り返しますが、困窮する多くの国民にこそ「安全・安心」を確保すべきではないのか。
 ところが、中小業者が一時支援金を申請しても、書類の不備を理由に何度も拒否されるケースが相次ぎます。「不備ループだ。支援する気があるのか」「人生を否定された気持ちになる」と批判の声があがっています。
 世論に押され、雇用を維持する雇用調整助成金の拡充や休業支援金がつくられましたが、困難に見合う補償ではありません。
 医療従事者は、国が医療機関に減収補填(ほてん)をしないため一時金が減額されたり、人員不足と過重労働で、やむなく退職する人が出ています。「もう使命感だけでは持たない」と訴えています。
 貧困と格差の拡大などコロナ禍で浮き彫りとなった日本社会の問題点の解消も先延ばしにされています。
 コロナ禍は、非正規労働者やフリーランス、女性や外国人など弱い立場に置かれていた人たちを直撃し、貧困や差別・不平等を増幅させています。ところが、最低賃金の改定目安は昨年がゼロ、今年もわずか28円です。
 五輪開催がもたらす感染爆発が、困窮と貧困拡大に拍車をかけることは必至です。困窮者支援に取り組む、つくろい東京ファンドの稲葉剛さんは、「災害の真っ最中に大規模スポーツイベントをやる国がどこにあるのか」と指摘します。今からでも五輪は中止すべきことは明らかです。
                  ■ □
 「五輪より命を守れ」「今からでも五輪は中止を」の声は止まることはありません。
 国民の声も憲法も無視する政治の転換を求めてきた国民は、菅政権になってその思いをいっそう強めているからです。苦しむ国民を置き去りにして五輪開催に固執する限り、国民との矛盾をいっそう深めざるをえません。


【政界地獄耳】
政府を信じなくなった時に、国民はどう対応するのか
                        日刊スポーツ 2021年7月31日
★東京都は29日、新型コロナウイルスの入院患者が3039人になったと明らかにした。政府はコロナウイルスの急速な感染拡大を受け、大阪、埼玉、千葉、神奈川の4府県に緊急事態宣言を発令、東京、沖縄と合わせ6都府県に拡大し、期間は8月いっぱいの予定だ。この政府の対応に与党公明党代表・山口那津男は人ごとのように「ちぐはぐ感がある」「現場とずれが生じており、国民の不安や不満が表れている」と言い出した。誰も責任を取らず評論するだけの政府に期待してはだめだ。

★東京都の感染者が2800人を超えた27日、首相・菅義偉は東京五輪を中止する選択肢はないかと問われ「人流は減少している。そうした心配はない」と否定したばかり。政府幹部は全国のコロナ感染者1万人超えは想定していたこととは言うものの、ここに至るプロセスで政府は五輪の開催を堅持しながらワクチン接種に頼っていたにすぎず、「言うことを聞いてくれない国民が感染を拡大させた」とでも言いたげだ。結局、専門家会議が踏み込めば批判し、都合のいいところだけ専門家会議の答申を待つという演出を国民はぼんやりと眺めているしかないのだろうか

今こそ政治家の劣化を問うべきではないか。年配のベテランが牛耳れば経験豊かな政治ができるという幻想も捨てねばならない。国会議員や政治家と呼ぶべき人材が与野党の中に圧倒的に足りない。政治のプロとしての経験、予見性や想像力、永田町と霞が関の役割の差別化ができず、理屈は立派だが融通が利かず、都合のいい側近や都合のいいデータだけでものを進めようとする。見たいものだけ、見えるものだけで判断するのは五輪開催の是非、コロナ禍と多くの人災を経験していれば国民は嫌でも感じる。政府を信じなくなった時、国民はどう対応するのか、間もなくわかる時が来る。(K)※敬称略