日本人の4分の3が持っているという対新型コロナ免疫が、変異株が生じる以前のコロナには有効でした。安倍前首相はそのことを知らずに、日本でコロナがほどほどで収まったことを、自分の手柄であるかのように内外に誇ったのでした。
菅首相はそれと同じ認識のようで、これまで一貫してコロナはいずれ収まると楽観していました。
もしも今の事態を迎えてもその認識を改めないのであれば、とうていまともではありません。日本人のデルタ株に対する耐性はないということです。
厚労省もいまだにコロナが飛沫で感染するという認識に留まっているようです。
⇒ なんだっけ エアロゾル感染って?
いまこそ、これまで安倍/菅政権が徹底的に無視してきた(あるいは厚労省医官たちに洗脳されサボってきた)「検査と隔離の充実」という原則に立ち返るべきでしょう。
田中龍作ジャーナルの記事を紹介します。
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小池知事呆然 「2週間後には1,000人に1人が感染」の衝撃
田中龍作ジャーナル 2021年8月6日
【写真説明】いつもの自信満々は何処へ。小池知事の声は聞き取れないほどかぼそく、表情も
虚ろだった。=5日、東京都庁 撮影:田中龍作=
悲鳴のようなサイレン音と共に救急車が走り回る。街の日常風景となってしまった。
東京では1日当たりの新規感染者が5千人を超えた。2週間後には1日当たり1万を超えるとの試算が出た。都民1千人に1人がコロナ感染することになるのだ。(5日、東京都モニタリング会議)
打つ手なしの感染爆発に小池知事の表情は虚ろだった。
現場の医師は、政府や東京都の無策に怒りを禁じ得ない。
行政は「容体が悪化したら医師が駆け付ける」などというが、訪問診療の医師はすでに手一杯の状態だ。
「脳梗塞や末期ガンの患者を放って行けるはずがない」。
かねてから指摘されていたように通常の医療が支障を来す。手術の延期要請などだ。
【写真説明】現場が対応できない理想論。東京都モニタリング会議は絵に描いた餅を並べた。
=5日、東京都庁 撮影:田中龍作=
「濃厚接触者の定義が甘い。ほとんどできていない」。現場の医師は嘆く。
学童保育で先生が感染しているのに、児童たちは濃厚接触者と認定されなかった。
学童保育は氷山の一角だ。陽性の確率が高い人にPCR検査を受けさせないケースが目立つ。
「濃厚接触」と認定されなければ、その人たちは、何の意識もなく動き回る。ウイルス撒き散らしである。
こんなケースがあった。
デイサービスセンターで感染者(職員2人)が出たのに、センターに通っていた90代の女性は濃厚接触者と認定されなかった。
その後、老女は感染していたことが分かった。彼女を介護していた68歳の次男も感染した。
次男が倒れたら71歳の長男が看取るという。老老介護の悲劇だ。
医師は「徹底したPCR検査と徹底した隔離を。それしかない」と強調する。「隔離施設を作って感染者を隔離する」。
オリンピックに使うカネが3兆円もあったら、他国のように巨大病院を作ることができたのだ。
東京では「間もなく80%が(感染力の強い)デルタ株に置き換わる」。(5日、モニタリング会議)
感染爆発はとめどもなく広がるだろう。 ~終わり~
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。