NHKが発熱外来を設けて新型コロナのPCR検査を行っている東京・目黒区の「ロコクリニック中目黒」を取材しました。
ここでは、これまで1日10件ほどだった検査の希望者が先月末から3倍のおよそ30件に急増していて、陽性率は5割余り(発熱を訴える患者の半数以上がコロナに感染)に上っています。
陽性率はコロナの感染度の指標の1つで、10%を上回ると最高レベルの「ステージ4」(感染爆発)と判定されます。
陽性となった患者について保健所に報告すると、これまでは当日のうちに保健所から患者に連絡が入っていましたが、感染の急拡大以降、「保健所から連絡が来ない」とか「電話がつながらない」といった相談が相次いでいるということで、すでに医療崩壊の段階に入っています。
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都内クリニック PCR検査が急増「対処できる状態超えている」
NHK NEWS WEB 2021年8月7日
感染の急拡大で都内のクリニックでは、PCR検査を希望する人が急増しているほか、陽性になった患者から「保健所から連絡が来ない」といった相談の電話が相次いでいます。
東京・目黒区の「ロコクリニック中目黒」では、発熱外来を設けて新型コロナウイルスのPCR検査を行っていますが、これまで一日10件ほどだった検査の希望者が先月末から3倍のおよそ30件に急増しています。
陽性率は5割余りに上っているといいます。
検査の予約枠が2日先までいっぱいになることもあり、この日も「熱が出ているので検査を受けたい」という電話が入りましたが、すぐには難しいと答えていました。
また、陽性となった患者について保健所に報告するとこれまでは当日のうちに保健所から患者に連絡が入っていましたが、感染の急拡大以降、「保健所から連絡が来ない」とか「電話がつながらない」といった相談が相次いでいるということです。
このため医師は陽性となった患者一人一人に検査結果を連絡する際、症状を確認したり急に悪化した場合は救急車を呼ぶか、クリニックに電話するよう伝えたりしていました。
「ロコクリニック中目黒」の嘉村洋志医師は「自宅療養中の患者からの往診の依頼も増えており、PCR検査や発熱外来の希望者をすべて受け入れるのは難しくなっている。このままでは通常診療に支障が出てしまうし、忙しくなりすぎれば命に直結するようなミスが起きかねない。一つのクリニックで対処できる状態を超えている」と話しています。