2021年8月31日火曜日

政府・自民党が総裁選を理由に臨時国会を拒否(LITERA)

 政府与党は30日、「自民党総裁選前の臨時国会の招集はしない」と拒否しました。総裁選が終る9月29日までは国会を開かないと言明したということです。

 政府は6月に野党が反対する中で強引に国会を閉じました。野党4党は7月、憲法53条に基づいて臨時国会の招集を要求して来ましたが、いまだにそれに応じないできた中での回答でした。
 デルタ株のコロナは首都圏を中心に全国各地で正に蔓延して留まるところを知りません。そうした急務に比べれば総裁選などは単なる私事に過ぎません。
 政府が緊急にやるべきことは共産党が事細かに指摘している通りですが、なかでも臨時の入院施設の設置と医療機関への財政的支援、それに持続化給付金と家賃支援給付金の再度支給や困窮世帯への給付金などはまさに大至急実行すべき喫緊の課題です国の杜撰な予算執行を改めさせ、必要な追加対策を打つためにも国会審議が必要です。それなのに10月まで国会を開かないとは、必要なことは何一つやらない政府です。
 LITERAが取り上げました。
 菅首相がワクチンさえ普及すれば万事解決という姿勢なのは、イスラエルの例がある通り大間違いです。それなのにいまだにその一点張りなのは本当に理解に苦しみます。
   ⇒(8月30日)接種率78% 「イスラエル」で感染再爆発 死亡者増加のなぜ
 日刊ゲンダイの記事「都内で高齢者のコロナ感染が増えている不気味…8割超がワクチン接種なのにナゼ」を併せて紹介します。
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自民党が総裁選を理由に臨時国会を拒否! コロナ対策の補正予算が組めず、追加支出に野戦病院の予算なし…国民の命を無視する国賊
                       水井多賀子 LITERA 2021.08.30
 政府、政権与党・自民党こそが「国賊」であるということがはっきりとした。野党が要求していた臨時国会の招集について、本日、政府・与党は「自民党総裁選前の臨時国会の招集はしない」と拒否したからだ。
 まず大前提として、新型コロナ感染拡大という未曾有の状況下で菅政権は6月に通常国会を延長することもなく閉会した。このこと自体が異常な話だが、これに対して野党4党は7月から憲法53条に基づいて臨時国会の招集を要求。憲法53条では衆参いずれかの総議員の4分の1以上から要求があった場合、内閣は臨時国会を招集しなければならないと義務づけているからだ。ところが、与党自民党はこの要求を拒否。つまり、平気で憲法違反を犯しているのだ。
 その上、現在は感染拡大と医療逼迫が全国規模となっており、国家的危機の最中にある。にもかかわらず、「総裁選前には臨時国会は招集しない」と拒絶するとは……。これはようするに、菅政権と自民党が「国民の安全を守ることよりも総裁選を優先させる」と宣言したも同然だ。
 しかも、この臨時国会招集の拒絶は、さらに国民を命の危険に晒す可能性があるものだ。
 今年度予算では新型コロナ対応のための予備費に5兆円を計上しているが、菅政権はこのうち約1兆4000億円の追加支出を8月27日に閣議決定。すでに4〜5月に1兆円を支出しているため、それらと合わせると予備費の残額は約2兆6000億円となっており、この予備費の残りだけで全国規模の感染拡大に対応できるのかと指摘が相次いできた。
 実際、政権幹部も、毎日新聞の取材に対して「もしコロナ予備費が枯渇して必要な資金を交付できなくなれば、自治体などが財政破綻しかねない。それは政治責任だ」とコメント(毎日新聞8月27日付)。今回、野党があらためて臨時国会に招集を要求したのも、一刻も早く補正予算の編成を急ぐ必要があるという理由からだった。
 だが、政権幹部ですら自治体の財政破綻を懸念するような切羽詰まった状態にあるにもかかわらず、菅政権と自民党は総裁選の投開票日である9月29日が過ぎるまでは補正予算の編成はおこなわない、というのである。

頼みの追加支出にも野戦病院への財政措置は含まれておらず! 自民党の国民切り捨て姿勢が鮮明に
 いや、問題はそれだけではない。最大の問題は、菅政権が「野戦病院」の設置にかんする予算について、まるで考えていないということだ。
 これまでさんざん「野戦病院をいますぐつくるべき!」と指摘されながら菅政権はまったく動こうとせず、ここにきてようやく都道府県に対して臨時の医療施設の設置を推進するよう文書で要請をおこなった。政府が率先して設置するべき局面だというのに、事ここに至っても自治体に丸投げということ自体が無責任の極みだが、じつは追加支出を決めた14兆円には、この臨時医療施設への財政措置が含まれていないのだ。
 しかも、27日におこなわれた衆参予算委員会の理事懇談会では、追加支出のなかに臨時の医療施設への財政措置が含まれていない点について、財務省側は「緊急包括支援金などを充てる」と回答。ところが、その場で日本共産党の山添拓・参院議員が緊急包括支援金の執行状況を質したところ、今年度分の緊急包括支援金約1兆5000億円のうち、現時点で執行されたのは419億円でしかないことがわかったというのだ。
 コロナ患者が自宅に放置され「自宅死」の事例が増加する一方だというのに、その対応を自治体に押し付けるだけではなく、財政支援さえまともにおこなおうとしない──。だいたい、ここまで緊急事態宣言が長引き、さらには全国に波及している状況にあるのだから、持続化給付金と家賃支援給付金の再度支給や困窮世帯への給付金など、追加の支援策がいますぐに必要だ。杜撰な予算執行をあらためさせるためにも、必要な追加対策を打つためにも、国会審議が必要なのは言うまでもない。なのに、その国会を、菅政権と自民党は総裁選が終わるまでは開かない、というのである。まったく話にならないだろう。
 普段、国会において野党が与党の強行採決などに反対するべく国会審議を拒否などしようものなら、こぞってネトウヨや冷笑系、政権応援団のコメンテーターたちは「野党は税金泥棒」などと吹き上がる。だが、この国家的危機の最中にも党内の権力争いを優先させて国会を開こうとしない政府・自民党こそ「税金泥棒」なのである。 (水井多賀子)


都内で高齢者のコロナ感染が増えている不気味…8割超がワクチン接種なのにナゼ
                          日刊ゲンダイ 2021/08/30
 新型コロナウイルスの全国的な感染爆発に収束の兆しが見えない中、新規感染者に占める高齢者の割合が増え始めている。8割超がワクチン接種を完了しているはずなのに、なぜなのか。
 65歳以上の接種は4月にスタートし、全国で87.16%(28日時点)が完了済みだ。東京都でも83.94%(同)が2回目の接種も終えているが、なぜか高齢者の感染が増えている。新規感染者数に占める割合は7月27日~8月2日には2.7%まで減少したのに、再び上昇。8月17~23日は4.3%に増えた。
「行きつけの喫茶店に高齢者が戻ってきて、マスクを外して大声で話す姿をよく見かけるようになりました。目を向けたら、〈オレはワクチン打ち終わったから〉と聞こえよがしに言われてムッとした」(都内在住サラリーマン)

■気の緩みか、抗体がないのか
 気の緩みに猛暑も手伝ってか、混み合う電車内でもマスクをつけない高齢者をチラホラ見かける。夜の街に繰り出すヤカラも増えつつある。都医学総合研究所がまとめた「都内主要繁華街における夜間滞留人口の年代別占有率」によると、午後10時~深夜0時の65歳以上の割合は、8%(14日時点)から9%(21日時点)に伸びている
 昭和大医学部客員教授の二木芳人氏(臨床感染症学)は言う。
「ワクチンの感染防止効果は100%ではありません。十分な抗体を得られない人が一定数は出てしまうので、接種を完了したからといって安心はできない。デルタ株の猛威は続いていますから、とりわけ高齢者や基礎疾患のある人は注意が必要です。人混みでウレタンマスクはダメ。うつらない、うつさないためにも不織布マスクをつけましょう」
 和歌山県がまとめた「ワクチン2回接種後の抗体保有調査結果」(12日付=7月下旬~8月上旬実施、対象100人)は、抗体が作られなかったり、中和抗体獲得に至らなかったとみられるケースを指摘。
抗体値が十分上昇しない事例は、高齢者や一部の基礎疾患を持つ者で見られた」「抗体値が高値であっても、PCR陽性で発症例があること、更には、他者に感染させた事例もある」と分析している。
 楽観論に取りつかれた菅首相のワクチン一本足打法が勘違い高齢者を量産させてはいないか。