2021年8月17日火曜日

17- 菅氏に首相続けて欲しくないは65%/小池知事の失政が都民を医療難民化

 共同通信が1416日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は31・8%で7月の前回調査から4・1ポイント下落し、昨年9月の内閣発足後最低を更新しました(不支持率は0・8ポイント増の50・6%)。この時期の支持率4ポイントの下落は大きいです。

 新型コロナ患者の病床確保策に「不安を感じる」との回答は79・9%に上りました。
 菅氏に首相を続けてほしいとの回答は27・5%で、「続けてほしくない」は65・1%に上りました。
 各紙の調査で菅首相の不人気は明らかになっていますが、一向に退陣の動きはありません。
 ところで菅首相の無能・無策・不作為は既に指摘されて久しいのですが、小池都知事の方はその陰に隠れてあまり批判されないで来ましたが、無能・無策・不作為は、菅首相と全く同様です。
 ただ、菅氏よりもはるかに弁舌が巧みなので、例えば728日には、1人暮らしの軽症者は自宅療養を基本とすることを説明するに当たり、「特に1人暮らしの方々などは、自宅も、ある種、病床のような形でやっていただくことが、病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる」と、理解不能なことを平然と口にして見事に煙に巻きました。

 小池都知事に築地市場移転問題の担当次長に抜擢されるも、その内実や政治手法に嫌気がさし、6月に『ハダカの東京都庁』(文藝春秋)を出版した澤章元都庁幹部が、「これは人災だ 小池知事の失政が都民を『医療難民』化させている 小池知事『伏魔殿都政』を嗤う」という記事を出しました。
 併せて紹介します。
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菅内閣支持率31%で過去最低 「首相続けてほしくない」65% 政府の病床確保策「不安」79% 共同通信世論調査
                          東京新聞 2021年8月16日
 共同通信社が14~16日に実施した全国電話世論調査によると、菅内閣の支持率は31・8%で7月の前回調査から4・1ポイント下落し、昨年9月の内閣発足後最低を更新した。自民党が2012年に政権を奪還して以降、最低となった。不支持率は0・8ポイント増の50・6%で、菅内閣で初めて過半数に達した。新型コロナウイルス患者の入院制限を巡り、政府の病床確保策に「不安を感じる」との回答は79・9%に上った。
 9月末に自民党総裁の任期満了を迎える菅義偉首相が総裁選で再選され、首相を続けてほしいとの回答は27・5%だった。「続けてほしくない」は65・1%に上った。
 24日に開幕予定の東京パラリンピックに関しては「無観客で開催するべきだ」が64・7%となった。「中止するべきだ」は19・0%、「観客を制限して開催するべきだ」は14・7%だった。
 12年12月の政権奪還以降で内閣支持率が最も低かったのは、安倍内閣当時の17年7月の35・8%だった。(共同)


これは人災だ! 小池知事の失政が都民を「医療難民」化させている 小池知事「伏魔殿都政」を嗤う
                         日刊ゲンダイ 2021/08/14
 東京の感染拡大が「制御不能」に陥った。東京都の専門家自らが言っているのだから間違いあるまい。だが、小池知事は「買い物の回数を減らして」「テレワークを7割に」などと1年以上前と同じセリフを深刻そうに言うだけで、相変わらずの無策振りを露呈している。
 つい2週間前、コロナ対策の司令塔である都の福祉保健局長は「直ちに医療崩壊は起きない。マスコミはあまり煽らないでください」とチョー楽観的な言葉を口にしていた。ところが、自宅待機者は見る見る積み上がり2万人を突破、入院等調整中の人を加えれば、優に3万人を超える都民がまともな医療を受けられないという前代未聞の異常事態なのである。
 これを災害レベルの感染状況なのだからどうしようもないと諦めることはできない。なぜなら、3万人の何割かは小池都政の「失敗」の犠牲者だからである。
 小池知事が「失敗の本質 日本軍の組織論的研究」を座右の書としていることはよく知られているが、いったい知事はこの本から何を学び取り、何を実行に移しているのだろうか、首をかしげざるを得ない。
 現場を無視した上層部の楽観的な判断、課題を先送りする穴だらけのリスク管理。日本軍への厳しい指摘はそのまま小池都政に当てはまるのである。

「先手先手」は口先だけ
 現在猛威を振っているデルタ株の危険性については、6月の段階から何人もの専門家が警告を鳴らしていた。そうであるなら、小池知事はなぜ先手先手で対策を講じなかったのか。知事はこれまで何度も「先手先手」と口酸っぱく発言している。「先手先手の対策が不可欠」これは今年4月、新規の感染確認者が連日500人を越えていた頃の言葉だ。さらに、昨年9月の都議会では「危機に対する備えを先手先手で講じる」と胸を張って宣言していた。
 だが、言っていることとやっていることは180度、真逆である。6~7月の2か月間で都内のコロナ重症者用の病床数はまったく増加していない。新規感染者が2000、3000人に跳ね上がって初めて、6000床をプラス400床に増やしてくださいと医療機関にお願いしただけである。しかも、これはあくまで要請ベースの数字であって、実働のベッド数は少なくならざるを得ない。いったい、この1年半の間、医療機関や医師会とどれだけ真剣に調整してきたのか。何もやってこなかったと批判されても、小池知事は弁解できないのではないか。

「失敗の本質」を地で行く小池知事
 さらに、宿泊療養施設、いわゆるホテルに関しても、7月末時点で約6000室を確保しているとはいえ、3~5月にはいくつものホテルとの契約が終了し手放しているのだ。危機の到来を予見できなかった責任が小池都政にあるのは明白である。
 仮に、1~2万室に倍増しておけば、医療スタッフを集中的に配置して、災害時対応の特例として、酸素吸入や投薬を行うなど、いかようにも活用できたはずである。一部で発案されている野戦病院的な利用も可能だったのだ。
 少なくとも、自宅療養者のケアを民間の訪問診療機関に丸投げするよりは、よほど効率的に医療行為等を届けることができたと言わざるを得ない。こんなところにも、後手後手の小池都政の弊害が顕著に現れているのである。
 リスク管理の要諦は、最悪の事態を想定して早め早めに対策を打つことだ。しかし、ここまで見てきたように、小池知事はそれがまったくわかっていない。事態が悪化して初めてアタフタと付け焼き刃の策を言い出しているに過ぎない。「失敗の本質」を地で行く体たらく振りである。
 貧乏くじを引かされたのは都民だ。都民が医療難民と化して多くの人が苦しんでいる現状は、小池知事がもたらした失政に起因するのではないか。人災と言ってもいいレベルである。
 是非、小池知事には引退後、「都政 失敗の本質」というタイトルで反省の書を執筆していただきたい。

 章 東京都環境公社前理事長
1958年、長崎生まれ。一橋大学経済学部卒、1986年、東京都庁入都。総務局人事部人事課長、知事本局計画調整部長、中央卸売市場次長、選挙管理委員会事務局長などを歴任。(公)東京都環境公社前理事長。2020年に『築地と豊洲「市場移転問題」という名のブラックボックスを開封する』(都政新報社)を上梓。YouTubeチャンネル"都庁OB澤章"を開設。最新作に「ハダカの東京都庁」(文藝春秋)、「自治体係長のきほん 係長スイッチ」(公職研)