2021年8月14日土曜日

31都道府県 最も深刻ステージ4 首都圏は危機的 / 30代コロナ自宅死に冷淡な小池知事

 全国のほとんどの都道府県で、新型コロナウイルス感染症の感染爆発が発生しています。

 東京都内では13日、過去最多となる5,773人/日の感染が確認されたほか、都の基準で集計した13日時点の重症患者は227人(重症病床使用率も57.9%)となり、4日連続で過去最多を更新しました。
 全国では12日、新規感染者数が18,888人/日と初めて1万8,000人台に上りましたが、13日には20,365人/日と遂に2万人を超えました
 厚労省によれば10日時点の新規感染者数が31都道府県で最も深刻な「ステージ4」(人口10万人当たり25人以上)に相当し、1週間前の23都道府県から激増しました。
 感染者数の急速な増加に伴い重症者数も激増していて、菅首相が会見などで繰り返してきた「ワクチンによって重症者が減少している」としてきた楽観論は大きく崩れています。この状況をもたらしたのは、“自然災害”などではなく、菅政権の無為無策、“人災”です。
 しんぶん赤旗が報じました。
 それとは別に小池都知事は11日、報道陣に対して軽症で「自宅療養」中だったひとり暮らしの30代男性が死亡したことを報告しましたが、
「30代の方がですね、自宅で亡くなるというケースが出ておりまして、 健康観察はつづけていたわけですが、 容体が急変するということで、『若いから』というのではなくて、『何も病気ないよ』というのではなくて、ぜひとも基本的なところをお守りいただくように徹底してお願い申し上げたい」と、何か「基本的なことを守らなかった」からのような話し方をしたのでした。
 それは自宅療養をさせたことに何の負い目も感じていないものだったのでLITERAが取り上げました。
 菅首相2日閣議の冒頭で「重症患者や重症化リスクのとくに高い方には、 必要な病床を確保する。それ以外の方は自宅での療養を基本とし、症状が悪くなれば、すぐに入院できる体制を整備する」と宣言し、3日の会見でその内容を明らかにしました。それは中等症1は基本的に自宅療養にするという驚くべきものだったので、当然大変な物議を醸し最終的には実質的に取り下げられました。
 これについて「世に倦む日々」氏は、その方針転換は7月25日(日曜日)の午後、小池都知事が公邸を訪れ菅首相と対面での会談を小一時間行ったときだと見ています。なるほど3日後の28日、まず小池都知事がぶら下がり会見で医療体制について、自宅療養者の健康状態を確認する体制も整えているとして、「特に1人暮らしの方々などは、自宅も、ある種、病床のような形でやっていただくことが、病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる」と(何とも意味不明の)発言をしたのでした。敢えて付け加えれば、その案は小池都知事から出されたもので、その腹案を携えて官邸を訪問したものと推測されます。
 そうであればなおさら男性の自宅死は小池知事に取って切実なものの筈ですが、そんな感じは何もなかったのでした。
 LITERAの記事を併せて紹介します。
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31都道府県 最も深刻ステージ4 病床使用率5割超 16都府県
重症病床 首都圏は危機的
                        しんぶん赤旗 2021年8月13日
 全国のほとんどの都道府県で、新型コロナウイルス感染症の感染爆発が発生しています。厚生労働省が11日までにまとめた感染状況の資料では、10日時点の新規感染者数が31都道府県で最も深刻な「ステージ4」に相当し、1週間前の23都道府県から激増。専門家らは感染状況について、「全国的にほぼすべての地域で新規感染者数が急速に増加しており、これまでに経験したことのない感染拡大」と指摘し、非常に強い危機感を示しました。国立感染症研究所によると、感染力の高いデルタ株は、関東地方で約9割、関西地方でも約8割に置き換わったとされ、今後も感染拡大が続く可能性が高いとみられています。
 10日までの1週間の10万人あたりの新規感染者数は全国で77・6人。前週の58・54人の1・33倍となりました。41都道府県で前週を大きく上回る感染者数が確認され、31都道府県がステージ4となる国の指標の25人を超えました。
 緊急事態宣言の対象地域はすべて、まん延防止等重点措置はほとんどの地域で前週よりも感染が拡大しています。
 感染者数の急速な増加に伴い、重症者数も激増しています。東京都では、12日に218人と過去最多を3日連続で更新。これまで、菅義偉首相が会見などで繰り返してきた「ワクチンによって重症者が減少している」としてきた楽観論は、大きく崩れています。
 重症者や入院待ちの患者は全国でも急増し、一般医療の制限や救急搬送が困難な事例も生じています。病床使用率は11日までの報告によると、首都圏を中心に大阪府や沖縄県など16都府県で5割超に。沖縄県では8割を超え、重症病床使用率も6割を占めます。首都圏の病床使用率は神奈川75・08%(重症病床使用率91・46%)、東京都55・7%(同78・3%)などと厳しさを増しています。
 重症病床使用率は、首都圏や近畿圏などの7都府県で5割以上となり、専門家は「災害時の状況に近い局面」と分析します。宮城や石川、山梨、三重、香川、熊本など地方の各県でも病床はひっ迫しています。この状況をもたらしたのは、“自然災害”などではなく、菅政権の無為無策、“人災”です。緊急事態宣言下に東京五輪を強行開催し、矛盾したメッセージを発し続けたことで、人流拡大を防げませんでした。過去最悪の感染爆発を引き起こしながら、具体的な感染対策は講じず、国民の“自己責任”に転嫁する政府の無責任さは重大です。


30代コロナ自宅死に小池百合子が「若い人も基本を守れ」と説教!“自宅放置”を打ち出し、五輪のため医療崩壊を隠蔽していたくせに
                       水井多賀子 LITERA 2021.08.13
 ついに「自宅療養」の人数が2万人を超え、「入院・療養等調整中」の人数と合わせると3万人を突破した東京都。昨日12日におこなわれた東京都のモニタリング会議では、専門家から「制御不能な状況」「災害レベルで感染が猛威をふるう非常事態」と厳しい評価が飛んだ。
 しかし、そんななかで深刻さが微塵も感じられなかったのが、都のコロナ対策の陣頭指揮をとる小池百合子都知事だった。この席上でも小池都知事は、テレワークが進んでいないことについて「この時期にやらないでいつやるんだということ」などと槍玉に挙げ、さらにはスーパーマーケットなどでの入場制限や間隔を空けるルールが「守られていない」と言い、「毎日の買い物を3日に1回程度に」と都民に呼びかけた。
「制御不能」「災害レベル」と指摘され医療崩壊が伝えられるなか、首長が取るべき行動は福井県が体育館に用意した軽症者向けの臨時病床をつくるといったようなことだ。ところが、小池都知事が打ち出したのは「買い物を減らせ」……。この期に及んでも「お前らがやれ」としか言わないのである。
 いや、もっとひどかったのは、11日の発言だ。同日、小池都知事は報道陣に対して、軽症で「自宅療養」中だったひとり暮らしの30代男性が死亡したことを報告したのだが、その際、耳を疑うようなことを口にしたのだ。
「30代の方がですね、自宅で亡くなるというケースが出ておりまして、その方もですね、健康観察はつづけていたわけですが、体調がですね、急変したと。容体が急変するということで、『若いから』というのではなくて、『何も病気ないよ』というのではなくて、ぜひとも基本的なところをお守りいただくように徹底してお願い申し上げたい
 自宅で死亡するという痛ましい事例が発生したというのに、なんと、あたかも亡くなった男性が「若くて基礎疾患もないから」という油断があった、落ち度があったかのように語って責任を押し付けたのだ。
 だが、当然ながら油断や落ち度があったのは小池都知事のほうだ。小池都知事は東京五輪開催中の7月26日に、「ひとり暮らしの方々などは、自宅も、ある種、病床のようなかたちでやっていただくことが、病床の確保にもつながるし、その方の健康の維持にもつながる」と発言し、政府に先駆けて「自宅放置」を打ち出した張本人。今回亡くなった男性はこの発言どおり、「自宅を病床に」させられたひとりだからだ。

バッハ来日の7月15日時点で自宅療養者支援がパンク、27日以降、東京都は支援を30歳未満に絞った
 にもかかわらず、そうやって患者を自宅に放置して最悪の事態を招いたというのに、自身の責任やお悔やみの言葉もないまま飛び出した言葉が、「基本的なところをお守りいただきたい」……。和歌山県など「陽性者は全員入院」の方針をつづけている自治体もあるなか、感染拡大を抑えきれず医療崩壊を起こしたツケを都民に回し、「若くて基礎疾患もないから」とひとり暮らしの都民を自宅に放置してもいいと判断したのは小池都知事だというのに、このような暴言を吐くとは、あまりにも冷酷で無責任すぎるだろう。
 そもそも、姑息なことになるべく陰に隠れようと鳴りを潜めているせいか、小池都知事に対する批判の声は菅首相などにくらべて大きくないが、東京五輪の開催強行のために市民の命を危険に晒したという意味で小池都知事の責任は極めて重い。しかも、小池都知事はこの間、五輪にかまけて都民を守るためのコロナ対策をほとんど打ち出さなかった。いや、東京五輪を最優先させ、感染拡大を止めようともせず危険信号をも無視してきたのだ。
 その例のひとつが、「自宅療養者フォローアップセンター」(FUC)の体制だ。FUCでは軽症・無症状の自宅療養者のための医療相談、食料配送やパルスオキシメーターなどの配布などの業務を担うために都が昨年11月に設置したものが、今回の感染拡大で対応が追いつかなくなり、7月28日からは当面の措置としてフォローする対象を30歳未満に引き下げ、30歳以上は保健所が対応することになった。
 だが、実態はこの7月28日以前から対応が追いつかなくなっていた。ノンフィクション作家・山岡淳一郎氏のレポート(12日付「現代ビジネス」記事)では、都の保健所の職員がこう証言している。
FUCは対象の自宅療養者が2000人を超えて、ほぼパンクしました。連絡がとれない、パルスオキシメーターも食べ物もこない。それでとうとう7月27日以降、都は支援する自宅療養者を30歳未満に絞っちゃった。30代~50代の面倒はみません。年齢が上がるほど重症化のリスクが高くなるからでしょう。同居者がいる人も対象外。それが実態ですよ」
 東京都で自宅療養者が2000人を超えたのは、7月15日。小池都知事が来日したIOCのトーマス・バッハ会長と会談したのと同じ日だ。同日、小池都知事はバッハ会長から誕生日のプレゼントに花束を手渡されて上機嫌な様子だったが、その裏ではすでに東京は自宅療養者のフォローアップが追いつかず、パンクしていたのである。

臨時病床も無料のPCR検査場もつくらず。菅首相と同じ「自己責任」政策を打ち出した小池百合子
 つまり、7月なかばの時点で都民は「安全安心」の状況ではなくなっていたというのに、小池都知事は体制の立て直しや感染拡大を食い止めるための施策を打つこともなく、むしろ東京五輪開催というアクセルを進んで踏んでいたのだ。
 しかも、この時点で軽症・無症状者のフォローアップのみならず、病床逼迫で医療崩壊に陥ることは火を見るより明らかだった。だが、小池都知事は前述した福井県のような臨時病床を新設することもせず、世界の都市でおこなわれているような無料のPCR検査場さえ設けることもしなかった
 それは東京五輪開催を目前にして都が感染拡大で危険な状況にあることを既成事実にさせないために避けたというのもあるだろうが、しかし、いちばんの理由は、菅首相と同様、小池都知事もコロナ患者のことを「自己責任」「自助でどうにかすべき」と考えている、ということだ。だからこそ、「自宅を病床に」だの、自宅死した男性について「基本的なところをお守りいただきたい」などと平然と暴言を吐くのだろうし、新規感染者数が5000人を超えてもいまだに涼しい顔で「買い物を減らせ」と都民任せのことしか言わないのだ。
 冷酷無残な「自己責任」論者を首長にした結果、「制御不能」「災害レベル」に陥ってしまった東京。これはリコールすべきレベルの大惨事であり、命を軽視するこの都知事に対し、都民はもっと怒りをぶつけるべきだろう。(水井多賀子)