日本共産党の志位委員長は17日の記者会見で、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが大統領府を占拠した事態について問われ、「テロに対して、戦争で対応することがいかに間違いかが、20年たって証明されたというのが現状だ」と強調し、9・11事件の直後に不破哲三議長(当時)と連名で国際書簡を出し、国連憲章と国際法に基づいて、国連を中心に、国際的な警察力、司法の力を総動員して容疑者を捕らえ、法の裁きにかけるべきだと提唱したことを紹介しました。
そして「テロに対して戦争で応えるというやり方は根本的に間違いだと、米国は認めるべきだ。またそれに加担してきた日本政府も、厳しく反省し、米国追従の海外派兵路線をあらためる必要がある」と強調しました。
そもそもアフガニスタン攻撃は9・11事件を起こした犯人たちを同国が匿っているからという口実で10月7日に準備を開始しましたが、それは異様に拙速で何か、「待っていました」とでも言えるものでした。
同じことは憲法の停止を含む米国愛国者法の成立についても言えることで、膨大なページ数の同法は準備に1年余を費やしても不思議ではないのですが、なぜか事件後1ヶ月も経たないうちに出来上がり、上下院で可決された後にブッシュ大統領が署名して成立しました。
それは9・11事件の7日後に、差出人不明の封筒が送りつけられ5名が肺炭疽を発症して死亡(炭疽菌事件・負傷者は17人)するなど、米社会を脅えさせる事件が起きていたさなかででした。また9・11事件は、政界に情報源を持っているある人物が、某所で「米国は今後は正式な戦争ではなく、『対テロ戦争』が主体になる」と語ってから間もなく起きたと言われています。
いまでは米国民の間で、9・11事件が一握りのサウジアラビア人で引き起されたと考えている人はもはやいないということです。それは米国内で周到に準備されたもので、当時の政権の上層部は熟知していたと見られています。その疑惑を示す動画は無数にありますが、下記のものは1編が10分程度と短く概要を理解する上で便利です。
動画: 911 insidejob America 自作自演 アメリカ ①
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=N93ah0RgX4o
動画: 911 insidejob America 自作自演 アメリカ ②
https://www.youtube.com/watch?feature=player_detailpage&v=IJ4xlaMhwVc
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そうまでして米国が戦争をしたがるのは、世界一の巨大規模の米国軍需産業が、定期的に戦争を起こさないことにはやっていけないからです。
アフガニスタン情勢を受け国連安保理は16日、「戦闘止め新政権を」とする報道声明を出しましたので併せて紹介します。
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テロに対する報復戦争という方針が大破綻
アフガン情勢 志位委員長が指摘
しんぶん赤旗 2021年8月18日
日本共産党の志位和夫委員長は17日、国会内での記者会見で、アフガニスタンの反政府勢力タリバンが大統領府を占拠した事態について問われ、「テロに対して報復戦争で応えるという方針が、大破綻したというのが現状だ」と指摘しました。
志位氏は、「テロに対して、戦争で対応することがいかに間違いかが、20年たって証明されたというのが現状だ」と強調。2001年の9・11テロ直後、不破哲三議長(当時)と志位氏が連名で国際書簡を出し、テロを厳しく糾弾するとともに、テロに対して軍事力で報復することはやめるべきだと表明し、その解決策として、国連憲章と国際法に基づいて、国連を中心に、国際的な警察力、司法の力を総動員して容疑者を捕らえ、法の裁きにかけるべきだと提唱したことを紹介。「当時、私たちは、報復戦争を行うならば、テロを拡散し、戦争の拡大を招く――テロと戦争の悪循環をつくる、そして、その犠牲になるのは罪のない人びとであり、テロ根絶にも役にたたないと指摘したが、事実はその通りになった」と強調しました。
志位氏は、「テロに対して戦争で応えるというやり方は根本的に間違いだと、米国は認めるべきだ。また、インド洋まで自衛隊を出すなど加担してきた日本政府も、厳しく反省し、米国追従の海外派兵路線をあらためる必要がある。タリバンが政権を握ったことで人権問題なども懸念される。米国をはじめ国際社会がアフガン再建への責任をはたすことが必要だ」と強調。
そのうえで今後の国際社会の対応として、「テロに対しては容疑者を法の裁きにかけるという原則で対応するとともに、根底にある貧困問題を打開する国際協力も必要だと思う」と指摘しました。
戦闘止め新政権を 安保理が会合 報道声明
国連総長「アフガンを見捨てない」
しんぶん赤旗 2021年8月18日
【ワシントン=遠藤誠二】反政府武装勢力タリバンが全土を掌握したアフガニスタン情勢を受け、国連安保理は16日、緊急会合を開きました。安保理は、「すべての戦闘の速やかな停止」を呼び掛けるとともに、「交渉を通じ、団結し、包括的な、完全・平等で意味のある女性の参加を含むすべてを代表する新政権の樹立」を要求する報道機関向け声明を全理事国の賛成で発表しました。
声明はまた、国際人道法違反や人権侵害の報告に「深い懸念」を示し、「人権をめぐる国際的な規範と基準を順守し、人権を侵害するすべての行為の終結」も求めました。
緊急会合の冒頭に演説したグテレス事務総長は、「アフガニスタン国民を見捨ててはならない」として、国連が一つになって同問題に対処することを呼び掛け。「(アフガンの)すべての当事者、特にタリバンに対して、人命の保護と必要な人道支援がなされることを保障するため最大限の自制を求める」と訴えました。
グテレス事務総長は、アフガンの女性や少女に対する人権侵害がとりわけ懸念されるとして、「われわれはアフガニスタンにおける人権を支持するために声をそろえなければならない」と主張。さらに、「今、われわれは一つになって立ち上がる時だ」「アフガンにおける世界的なテロリストの脅威を抑え、基本的な人権の尊重が保障されるため必要なすべての手段を講じる」と語りました。
アフガニスタンのイサクザイ国連大使は、首都カブールでは、タリバンが、標的リストにある人物を捜すため家宅捜査を始め、狙い撃ちにした殺害や略奪も行われている報告を受けていると語り、「もはやののしり合っている時間はない」と述べ、一致した国際社会の対応を要求しました。
米国のトーマスグリーンフィールド大使は、「民間人への攻撃を停止し、女性や少女、少数民族を含むすべてのアフガン市民の人権と基本的な自由を尊重しなければならない」と訴えました。