1968年6月5日にロバート・ケネディ上院議員を暗殺した犯人だとされ、終身刑を言い渡されたパレスチナ出身のサーハン・サーハンの仮釈放が8月27日に認められました。
ロバート・ケネディが暗殺された時、サーハンはロバートの60センチ以上前を歩いていました。検死結果によると致命傷は右耳後方に命中した銃弾で、銃口は25センチ以内の距離にあったとみられ、別の2発は議員の右脇に命中していました。
ロバート議員は右後方の至近距離から打たれたもので、命中した銃弾はサーハンのピストルから発射されたものではありませんでした。明らかにサーハンは犯人ではなく本来なら有罪になる筈はありませんでした。それなのに53年間も服役し16回目の請求でようやく仮釈放が認められたのでした。
ロバート・ケネディの遺族もサーハンが犯人だとは考えておらず、ケネディ氏の息子ロバート・ケネディ・ジュニア氏とダグラス・ケネディ氏も仮釈放を支持しました。検察側も仮釈放に反対しませんでした。冤罪の典型です。
ロバート・ケネディ暗殺の2カ月前には彼の親友、マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺され、兄のジョン・ケネディ大統領(当時)も5年前の1963年11月22日にダラス市をオープンカーでパレード中に銃撃されて死亡しました。
犯人はリー・オズワルドとされましたが、彼が狙撃したとされる倉庫上階の窓からの銃弾の向きは、ケネディが受けた銃弾の通過痕とはまったく一致しませんでした。サーハンの件と全く同様です。
リー・オズワルドは逮捕された2日後に群衆の一人に銃撃されて死亡したほか、関係者の多数が不審な死を遂げています。真相が解明されたとされる文書はいまだに公開が禁じられています、まさに国家的な謀略事件です。
櫻井ジャーナルが報じました。
それとは別に「マスコミに載らない海外記事」が「まるでタイミングを見計らったようなカブールのテロ攻撃 一体誰が恩恵を得るだろう?」とする記事を出しました。
26日、アフガンのカブール空港で100人以上の犠牲者を出す自爆テロ事件が起きました。
その直前にウィリアム・バーンズCIA長官とタリバン指揮官アブドゥル・ガニ・バラダル間で秘密会談が行われました。ワシントンポストは、バイデン大統領がバーンズ長官をカブールでバラダル指揮官と会うよう行かせたと報じています。
バラダルはタリバン創設メンバーの一人で、2010年にパキスタン諜報機関とCIAに捕らえられましたが、2018年にアメリカの要請で釈放されました。その後彼は戦争終結を見いだすアメリカとの交渉でタリバンを率い、最終的にトランプ政権が2020年2月、今年の米軍撤退に同意しました。
同記事は、タリバンとは相性がわるい筈のI S-Kが何故カブール空港や市内にアクセスしてテロ行為が出来たのか、その目的は何なのかについて疑問を呈するとともに、それらは米国の要求に応えたものだろうと推定しています。
「マスコミに載らない海外記事」を併せて紹介します。
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RFK暗殺犯として終身刑を言い渡されたサーハン・サーハンの仮釈放が認められた
櫻井ジャーナル 2021.08.30
1968年6月5日にロバート・ケネディ上院議員を暗殺した犯人だとされ、終身刑を言い渡されたパレスチナ出身のサーハン・サーハンの仮釈放が8月27日に認められた。RFK暗殺の2カ月前には彼の親友、マーチン・ルーサー・キング牧師が暗殺されている。
暗殺の瞬間、サーハンはロバートの60センチ以上前を歩いていたのだが、検死をしたトーマス・ノグチによると、致命傷は右耳後方に命中した銃弾。皮膚の状態から、銃口は2.5センチ以内の距離にあったとみられている。別の2発は議員の右脇に命中していた。議員は右後方の至近距離から打たれのだ。しかも命中した銃弾はサーハンのピストルから発射されたものでない。アメリカの裁判が正常に機能していたならば、サーハンが有罪になるはずはなかった。ロバート・ケネディの遺族もサーハンが犯人だとは考えていない。
ところで、サーハンは1966年に「バラ十字会AMORC」へ入会している。この会は17世紀から存在、アメリカでは1915年にスペンサー・ルイスなる人物が創設したという。サーハンは入会から3カ月後に馬から落ちて入院したが、サーハンの家族によると、退院後のサーハンは性格が一変して別人のようになり、笑顔を見せなくなったという。(Lisa Pease, “A Lie Too Big To Fail,” Feral House, 2018)
ロバートが殺された1968年の11月には大統領選挙が予定され、彼が民主党の候補者になることは確実。大統領に選ばれる可能性も高く、ロバートの兄で大統領だったジョン・F・ケネディの暗殺を喜んでいた人びとにとっては嫌な状況だっただろう。
ジョン・F・ケネディが殺されたのは1963年11月22日、1965年2月21日にはマルコムXが、また1968年4月4日にはキング牧師がそれぞれ殺されている。そしてロバート。いずれも侵略戦争に反対していた。
まるでタイミングを見計らったようなカブールのテロ攻撃
一体誰が恩恵を得るだろう?
マスコミに載らない海外記事 2021年8月30日
Finian Cunningham 2021年8月28日
Strategic Culture Foundation
テロ行為、CIAの要請でバラダルの手先の一部に手配された可能性はあるのだろうか?
カブール空港での血まみれの大虐殺の3日前、ウィリアム・バーンズCIA長官は、アフガニスタン首都でタリバンのトップ指揮官と秘密会談を行っていた。それは今週の劇的なアメリカ撤退秒読み段階の、いくつかの怪しい出来事の一つに過ぎない。
カブール空港入り口を警備していた少なくとも13人のアメリカ兵が明白な自爆攻撃で亡くなった。軍用貨物機で出国するため並んで待っていた多数のアフガニスタン人も殺された。二番目の爆発はイギリス当局者が移住書類処理に使っている近くのホテルを襲った。
テロ行為を実行したのはタリバン兵士ではなかった。カブールを占拠した後、8月15日、素早く権力掌握した過激派組織は、検問所で首都を整備していた。爆発は、アメリカとイギリス軍の支配下にある空港区域で起きた。
ほとんど知られていないテロ集団、イスラム国ホラサン州(IS-K)が爆破犯行を主張している。IS-Kはアメリカとイギリスの諜報機関が、この集団によるカブール空港の差し迫るテロ攻撃の注目を引く警告を公表した今週まで、これまでほとんど報じられていなかった。警告は実際の攻撃の僅か数時間前だった。ジョー・バイデン大統領は今週早々この新しいテロ組織に言及さえし、彼らはタリバンの「宿敵」だと辛辣に主張した。
不可解なテロ集団が、一体どのように、過去の「宿敵」タリバン検問所を通過し、大いに安全な地域に潜入し、アメリカとイギリス軍の非常線を突破したのだろう?
8月15日、タリバンによるカブールの歴史的奪取で、完全に不意を突かれたアメリカとイギリスの諜報機関が、どうして、この差し迫った脅迫に関して、これほど正確な情報を得られたのだろう? タリバンが首都に素早く入り、アメリカとイギリスがアフガニスタン軍事占領中、20年間支えていた政権が崩壊した。これほど極めて重大な事件を予見しそこなった、これら諜報機関が、そのわずか二週間以内に、複雑な計画が必要な差し迫ったテロ行為を正確に指摘することが可能だったと信じるよう我々は期待されているのだろうか?
空港爆破の政治的副産物は何だろう? バイデン大統領とイギリスのボリス・ジョンソン首相は、カブールからの退去を8月31日の期限までに完了するよう断固主張している。バイデンは加害者を「我々は追跡して捕らえる」と名ばかりの誓いをしたものの、このテロ行為は、アフガニスタンから撤退する緊急性を強調していると述べた。
タリバンとテロリストに屈服することに対し、同盟国アフガニスタンを裏切ることに対し、大統領は強烈な政治攻撃を受けている。一部の共和党員は、彼がこの大惨事を監督したことと国辱のかどで辞任を要求している。米軍占領に協力した最大250,000人のアフガニスタン人が後に残され、報復攻撃される危機におかれると推定されている。
だから、2011年8月、38人が搭乗していたチヌーク・ヘリコプターが撃墜された時以来、アフガニスタンでのアメリカ兵士の一日最大13人ものアメリカ軍兵士死者が、アフガニスタンでの国防総省活動の延長を引き起こす可能性は、ほとんど皆無に思われる。爆発後の今週でさえ、国防総省は、バイデンに8月31日の期限を固執するよう助言した。タリバンも、アメリカとNATOの全軍隊が、その日付までに国外に出るに違いないと述べた。
世論調査は、大半のアメリカ人がバイデンのアフガニスタンからの撤退に同意していることを示している。アメリカによる最長の戦争は徒労で、勝てないと考えられている。今週の胸が悪くなるような爆弾攻撃は国民の戦争疲労の感覚を強調するだけだろう。大規模軍をアフガニスタンに戻すというタカ派の呼びかけには政治的反響がほとんどない。
ここで、我々は、今週早々のウィリアム・バーンズCIA長官とタリバン指揮官アブドゥル・ガニ・バラダル間の秘密会談に戻る。ワシントン・ポストは、バイデンがバーンズをカブールでバラダルと会うよう行かせたと報じている。8月15日、タリバンによるアフガニスタン奪取以来、バイデン政権とタリバン間の最高上位の接触だった。議論の詳細は明らかにされず、一部報道は、他のタリバンの人々は、この会談を知らなかったことを示している。
バラダルはタリバン創設メンバーの一人だ。彼は2010年にパキスタン諜報機関とCIAに捕らえられた。だが2018年、アメリカの要請で、バラダルは刑務所から釈放された。その後彼は戦争終結を見いだすアメリカとの交渉でタリバンを率いた。こうした会談で、トランプ政権が今年の軍撤退に同意し、2020年2月合意で頂点に達した。バイデンは撤退計画に固執した。
彼の経歴から、バラダルはタリバン内のCIAの手先と見なす十分な理由がある。少なくとも彼は、CIAに顔が利くとは言えるだろう。
CIA長官バーンズは、なぜこのようなアフガニスタンからの米国撤退で重要な時にバラダルと会うのだろう? 撤退するアメリカ軍を、タリバンが保護する治安維持の保証を得るため? それは明らかに起きなかった。
すると他に何があるだろう? CIAの要請で、バラダルの手下の一部がテロ行為を手配したことはあり得るだろうか? 狙いは、無秩序で恥ずかしい撤退から、テロの脅威のため必要性へと焦点を移すことだったのだろうか。それが正に予測された形で起きる、ほんの数時間前に、アメリカとイギリスの諜報機関が事件を警告したのは気味悪いほど異様に思われる。テロ事件の一つの恩恵は、カブール空港近くで列を作っている死に物狂いのアフガニスタン人の群れが、多くの流血の不安から追い散らされたことだ。もう一つの恩恵は、アメリカとイギリスの軍用機が、彼らを追って滑走路を走るアフガニスタン人の実に痛ましい光景なしで、8月31日に離陸することだ。おかげで帝国は、そうでない場合よりは、恥ずかしさをいささか少なくして、血まみれの犯罪戦争を終えられるのだ。
Finian Cunninghamは主要報道機関の元編集者・記者。国際問題について多く書いており、記事は複数言語で刊行されている。
個々の寄稿者の意見は必ずしもStrategic Culture Foundationのものを意味しない。
記事原文のurl:https://www.strategic-culture.org/news/2021/08/28/terror-attacks-in-kabul-suspiciously-on-cue-who-gains/