2021年10月30日土曜日

自民、当落線上に党幹部・閣僚含む104人…「野党一本化」響く

 選挙戦の終盤になって、自民党は単独過半数を大きく上回るとの予想が出される一方で、それを否定する予想も出ています。

 読売新聞は、自民党の単独過半数が微妙な情勢になっているとして、「当落線上に党幹部・閣僚含む104 ~ 」との記事を出しました。
 実際に元閣僚の大勢や石原伸晃氏あるいは甘利幹事長などの党幹部連中も相当危ういということで、必死の選挙運動を展開しているようです。
 日刊ゲンダイも、「自民長老候補21人が“討ち死に”危機! ~ 」という記事や「焦る甘利幹事長“ナルシスト選挙ポスター”全面張り替え ~異例の地元ベタ張り」という記事を出しました。併せて紹介します。
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自民、当落線上に党幹部・閣僚含む104人…「野党一本化」響く
                            読売新聞 2021/10/29
立民5割近く横一線
 読売新聞社の衆院選終盤情勢調査で、自民党は単独過半数(233)が微妙な情勢となっている。当落線上で党幹部や閣僚も含めて104人が競り合っており、予断を許さない状況だ。立憲民主党も5割近くが横一線の争いで、接戦区の勝敗がカギを握りそうだ。(政治部 工藤淳、森山雄太)

危機感
 「北海道から沖縄まで、どの選挙区も大接戦が続いている。皆さんの力で押し上げていただき、勝利を与えていただきたい」
 岸田首相(自民党総裁)は28日、秋田県大館市で演説し、危機感をあらわにした。首相はこの日、青森や秋田、石川各県の接戦区を中心に回った。
 首相は今回、就任から10日で衆院解散に踏み切り、超短期決戦に臨んだ。自民内には新内閣発足の「ご祝儀相場」を当て込む向きもあったが、24日の参院静岡、山口両選挙区の補欠選挙は自民の1勝1敗に終わり、「早くも相場が崩れ始めた」(党幹部)との声が漏れる。期待した追い風は吹かず、地力を問われる選挙となっている。
 立憲民主党が共産、国民民主、れいわ新選組、社民の4党と213選挙区で候補者を一本化した影響も大きい。前回2017年衆院選では野党候補が乱立して自民に有利に働いたが、今回は132選挙区で事実上の与野党一騎打ちの構図に持ち込まれた。自民の小選挙区候補277人のうち、当落線上にいる104人の中には党幹部や閣僚も含まれ、その多くは野党統一候補と争っている

甘利氏も
 象徴的なのが神奈川13区だ。自民の甘利幹事長は立民の 太ふとり 栄志氏と横並びのまま、終盤にもつれ込んだ。全国を応援で回っていた甘利氏も28日は地元の神奈川県大和市に入り、「自民党改革をして、必ずこの日本を再興してみせます」と声を張り上げた。
 福島2区でリードしていた根本匠・元厚生労働相は立民の馬場雄基氏の猛追を受け、互角の戦いに持ち込まれた。東京5区では立民の手塚仁雄氏と自民の若宮万博相、静岡8区では立民の源馬謙太郎氏と塩谷立・元文部科学相がデッドヒートを繰り広げている。
 東京8区で苦戦を強いられている自民の石原伸晃・元経済再生相のもとには27日、首相が応援に入り、テコ入れを図ったが、共産の支援を受ける立民の吉田晴美氏がやや抜け出した。

「風」吹かず
 ただ、立民にも「風」は吹いていない。小選挙区に立つ214人の立民候補のうち、優位に戦いを進めているのは序盤から微増の37人にとどまり、94人は引き続き接戦となっている。大物候補が激戦を強いられているのも自民と同様だ。
 岩手3区では、当選17回を誇る小沢一郎氏が自民の藤原崇氏に接戦に持ち込まれた。小沢氏は公示日の19日、全国遊説ではなく、地元で第一声に臨んだ。後援会も「初日の地元入りは初当選以来」と驚くほどだ。福島3区では、小選挙区で7回連続当選の玄葉光一郎・元外相が自民の上杉謙太郎氏と接戦を演じている。
 立民の枝野代表は28日、長野県や埼玉県、東京都の接戦区を回って追い込みを図った。長野県小諸市でマイクを握った枝野氏は、「私たちには具体的なプランがある。ぜひ実行させてほしい。政治を変えるしかない」と政権交代の必要性を訴えた。
        (以下は非公開 残り:661文字/全文:2251文字


自民長老候補21人が“討ち死に”危機! 大臣経験者3人は負ければ「無職」に転落確定
                         日刊ゲンダイ 2021/10/29
 衆院選投開票まで29日を含め残すところ3日。選挙戦はいよいよ最終盤だ。「自民が単独過半数確保の勢い」などと報じられているが、党の長老議員の多くが“討ち死に”危機に瀕している
                ◇  ◇  ◇
 日刊ゲンダイは、投開票日時点で70歳以上の38候補をピックアップ。政党やメディアの世論調査をもとに情勢を分析すると、半数を超える21人が大激戦を展開している(別表)。大臣経験者も多く、落とせば、岸田自民に大打撃は必至だ。
 “討ち死に”候補の筆頭は、五輪相時代に珍答弁を繰り返し、辞任に追い込まれた千葉8区の桜田義孝氏だ。野党一本化の「桜田包囲網」により、約20ポイントもリードされている。
 次いで危ないのは、地方創生相の就任会見で政策について「これから勉強させていただきたい」とポンコツを自認していた長崎4区の北村誠吾氏。自民県連も不満を爆発させ、党本部に前県議会議長の公認を申請していたが、北村氏とは同じ派閥の岸田首相の“ご意向”が働き、解散翌日の土壇場で北村氏に公認が下りた。地元自民がバラバラで野党候補に水をあけられている。


地元自民の足並みが揃わない選挙区も
 福岡5区の原田義昭元環境相も公認争いで揉め、地元自民の足並みが揃わない。野党候補と横一線の戦いだ。千葉10区から出馬している林幹雄元経産相は、二階前幹事長の通訳兼付き添い役だ。地盤を譲る気でいた県議の長男に女性スキャンダルが炸裂。野党候補に引き離されつつあり、世話係を失う二階氏にも大打撃だ。
 北村氏、原田氏、林氏は党の定める「73歳定年」制度にひっかかり、比例重複立候補が許されなかった。負ければ比例復活できず「無職」に転落確定だ。
 “維新王国” の大阪では2918区の3長老が厳しい。いずれも維新候補に大幅にリードされている」(府政関係者)
 危機感が相当あるのだろう。29日は岸田氏自ら、鹿児島2区の金子万寿夫氏、千葉10区の林氏の応援に入る。28日は秋田2区で元法相の金田勝年氏の応援に駆けつけた。自慢の “岸田ノート” には長老21人の “延命” 策が書いてあるのかもしれないが、果たして、巻き返しなるか。


焦る甘利幹事長“ナルシスト選挙ポスター”全面張り替え 応援そっちのけで異例の地元ベタ張り
                          日刊ゲンダイ 2021/10/29
 甘利幹事長が消えた。自民党は公式サイトに岸田首相をはじめ、幹部クラスの全国遊説日程を連日掲載しているが、28日分から甘利氏の名前が抜け落ちた
 その姿は地元・神奈川13区(大和市など)にあった。東急・小田急両線が乗り入れる「中央林間」駅。選挙区内の主要駅前で甘利氏はナント、朝6時半から道行く人々に頭を下げていたのだ。
「選挙活動で拡声器を使えるのは、公選法の規定で午前8時から。その1時間半前からマイクも握らず“朝立ち”とは驚きました」(地元住民)
 その後も数カ所で街頭演説をこなすなど精力的に動いたが、甘利氏は「党の顔」である幹事長。同僚の応援に全国を駆けずり回る立場だ。本人も地元決起大会を開いた21日には、自身のツイッターにこう投稿していた。
〈選挙期間中地元に入れるのは今日の2時間だけ。よってタスキをかけるのもこの2時間だけ。コスパの悪い選挙備品だね。でもその分、同志の応援に全国を走り抜けます〉
 その1週間後に余裕の“つぶやき”を撤回し、異例中の異例の地元入り。何があったのか。
「甘利さんは『隣の選挙区の自民候補が危ないから』と言い訳しているようですが、間違いなく自分の選挙のためです。あるメディアの情勢調査で立憲新人で一騎打ちの太栄志候補に猛追されていることに相当ショックを受けたらしい。他人の応援をしている場合ではないと、選挙戦最終日の30日まで地元に張り付く予定です」(自民党関係者)

■「デス応援」消滅に同僚は安堵感
 選挙終盤に2時間どころか、3日間も地元ベタ張りとは甘利氏の焦りが手に取るように分かる。モノトーンで渋く決めた選挙掲示板の“ナルシスポスター”(写真上)も評判が悪いのか、全面張り替え。オーソドックスな選挙ポスターに直した。
 甘利氏が応援に入っても常に口利きワイロ疑惑がつきまとい、逆効果。「応援を受け入れれば無党派層が離れる」と“デス応援”に戦々恐々だった自民候補は、ホッとしているに違いない。