Twitterで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の運営元が自民党と取引がある会社だったことが判明した問題で15日、日刊ゲンダイが、その会社は岸田文雄首相や甘利明幹事長が代表取締役を務めたある会社であると報じました。
⇒ 匿名ツイアカ「Dappi」に新疑惑! 運営法人の取引先企業幹部に岸田首相、甘利幹事長の名前(日刊ゲンダイ 10月15日)
その会社は一応民間企業の体裁をとってはいるもののその実態は「自民党のダミー会社」で、これまで岸田文雄氏、甘利明氏、福田康夫氏らが代表取締役に就いてきました(その社名は「株式会社システム収納センター」:LITERA)。
そこには自民党本部が長年にわたって大金を支出していて、いまも「寄附・交付金(負担金)」として毎月月末に350万円前後を、1年間にすると4086万円余(2019年)も支払っています(いまは政党交付金はこれに含まれていません)。
かつては他の似たような2社と合せてこれら3社に「政党助成制度がスタートした1995年以降、自民党本部から3社に計97億円の政党交付金が支払われていました(年額平均6億円余)」。あまりにも高額のためほかの使途に流用されている「トンネル会社」の疑いも出されました。
いずれにしてもこうした自民党のダミー会社を通して、世論操作のネット工作を担っている会社にカネが流れること自体が極めて不明朗で、岸田首相が13日の参院代表質問でネット工作疑惑を問われた際、「公職選挙法などのルールに従って政治活動をおこなうべきなのは当然のこと」などととぼけて済まされる問題ではありません。
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ネトウヨDappi運営との取引を報じられた自民党ダミー法人の実名! 岸田首相、甘利幹事長が代表、いまも自民党から年間4000万円
LITERA 2021.10.15
Twitterで野党やマスコミ叩きをしている有名ネトウヨ匿名アカウント「Dappi」の発信元が自民党と取引がある広告・ウェブ制作会社だったことが判明した問題で新たな事実が浮上し、ネット上で大きな関心が寄せられている。
というのも、Dappiを運営していたと見られる広告・ウェブ制作会社が、岸田文雄首相や甘利明幹事長が代表取締役を務めたある会社とも取引があったと、本日、日刊ゲンダイが報じたからだ。
まさか、総理大臣と幹事長に就任したばかりの岸田首相と甘利幹事長が要職に就いていた会社と、野党などを攻撃対象にしてフェイクニュースをTwitter上で喧伝してきた有力ネトウヨアカウントの発信元である会社に取引があったとは──。ネット上が騒然となるのも当然だろう。
しかも、この会社は一応、民間企業の体裁をとってはいるが、その実態は「自民党のダミー会社」なのだ。
日刊ゲンダイではこの問題の会社は「A社」と匿名になっているが、社名は「株式会社システム収納センター」という。所在地は自民党本部から徒歩で10分もかからない平河町のビルにあり、このビルには石原伸晃が会長を務める派閥「近未来政治研究所」(石原派)の事務所や、自民党の党友組織である「自由社会を守る国民会議」(自由国民会議)の事務局なども入居している。
そして、この「システム収納センター」には自民党の錚々たる有力議員が代表取締役に就任。岸田首相は2001年2月〜5月と2003年12月〜2005年11月に、甘利幹事長は岸田首相と同じ2001年2月〜5月に代表取締役に。このほかにも福田康夫・元首相や細田博之・元幹事長らが代表取締役に就いてきた。
さらに、同社には、「自民党の金庫番」と呼ばれてきた自民党の幹部職員である元宿仁事務総長が深く関わっているとの情報もある。元宿氏は安倍晋三・元首相との結びつきが非常に深く、河井夫妻による選挙買収事件でも資金提供のキーマンとされている人物だ。
こうした自民党幹部の関与だけを見ても、この「システム収納センター」が自民党のダミー法人であることは明らかだが、もうひとつ、重要なのは、この「システム収納センター」に対して、自民党本部が長年にわたって大金を支出してきたという事実だ。
2019年の政治資金収支報告書では、自民党本部は「システム収納センター」に対し、「政治活動費」の「寄附・交付金(負担金)」として毎月月末に350万円前後を支出。2019年の1年間だけで合計4086万8682円も支払っている。
岸田首相が代表を務めていた会社は自民党から不自然な資金流入で「ブラックボックス」化
岸田首相や甘利幹事長をはじめとする有力議員が過去に役員を務め、さらに現在も自民党から年間4000万円も流れている会社と、世論操作のネット工作を担っていると思われる会社が取引関係にあるという事実──。
しかし、問題はこれだけではない。この「自民党のダミー会社」である「システム収納センター」は、以前より、自民党からの不自然な資金流入が問題となってきた「自民党のブラックボックス」とされてきた会社なのだ。
そもそも、「システム収納センター」が設立されたのは1977年のことだが、その4年前である1973年には「自民党直属の広告代理店」として「自由企画社」が発足。2003年には同じように世論調査会社である「日本情報調査」が設立されている。そして、この3社には自民党議員や党職員が役員に就き、業務が不透明であるにもかかわらず、自民党本部は毎年、巨額の金を支出してきたのだ。しかも、この3社への支出は、原資が税金である政党交付金から賄われていたのである。
これら3社の具体的な業務内容も明らかにしないまま、巨額の税金を流してきた自民党。当然、このことは問題となり、2007年に毎日新聞が「政党助成制度がスタートした1995年以降、自民党本部から3社に計97億円の政党交付金が支払われていた」と報道、福田康夫政権だった2008年には国会でも取り上げられる事態となった。
このとき、民主党の笹木竜三衆院議員(当時)は「総理もこのシステム収納センターの役員をかつてやっておられました」「岸田大臣もやっておられる時期があります」と指摘した上で、「(3社は)どれだけの支払いに見合った活動をされているのか」と追及。すると、福田首相は「私も自民党経理局長をやっているときに(役員となった)。まあ充て職なんです、これは」「(自民党の)経理局長、財務委員長が充て職として、社外の取締役的な立場で、非常勤かつ無報酬の取締役に就任するというのが慣例になっている」「自民党の政治活動に関する業務を数多く委託している会社で、自民党との信頼関係が重視されるということから、充て職で私どもがおこなっていた」と答弁した。
福田首相は「自民党との間に資本関係はない」「自民党の一部であるとか経営が一体であるとかいう理解は、理論的にも実態的にも成立しない」とも強弁したが、「充て職」が慣例化している段階で「自民党の一部」と呼ばれるのは当然の話。しかも、税金から計97億円もの支出をおこなっておきながら、福田首相は3社の業務内容や職員数も明らかにしようとはしなかったのだ。
この無責任な答弁に対し、笹木議員は「結局まったくのブラックボックスで、ほかの使途に流用されているんじゃないか」と指摘したのだが、いま問われているのは、まさにこの問題だ。
いまも「寄附・交付金」として自民党本から年間4000万円が! 岸田首相と甘利幹事長に説明責任
実際、最近では「システム収納センター」への支出については政党交付金からはおこなわれていないが、「寄附・交付金(負担金)」という業務が不透明なかたちでいまも年間4000万円もの大金が自民党から同社に流れている。
そして、この「自民党の一部」である「システム収納センター」がDappi=広告・ウェブ制作会社と取引関係にあるという事実を考えれば、自民党が「システム収納センター」を隠れ蓑にし、ネット工作の報酬を支払っていたのではないかという疑いが生まれるのは当然の流れだろう。
岸田首相は13日の参院代表質問でネット工作疑惑を問われた際、「公職選挙法などのルールに従って政治活動をおこなうべきなのは当然のこと」などと一般論にすり替えてすっとぼけたが、自身が代表取締役まで務めた党ぐるみの会社とネット工作疑惑会社との関係について、岸田首相と甘利幹事長は説明をおこなう責任があるのは言うまでもない。 (編集部)