政治経済学者の植草一秀氏ははやくから「オールジャパン」構想のもとに、選挙時には野党が統一候補に絞るべきことをいち早く提唱してきました。
それはようやく実現し、「オールジャパン」は18年3月に「オールジャパン平和と共生」という組織を持たないすべての賛同者によるフラットな運動体に変わり、植草氏は活動を推進するための運営委員会(6人構成)の1人になっています。
烏合の衆であってはならないものの何よりも大同団結の必要性を説いてきた植草氏ですが、今回ブログに新たな主張を載せました。
それはこれまでも語られてきたものではあるのですが、政策連合を組む上での中心課題は結局 共産党との共闘をどうするかということであるとして、共産党と基本政策を共有できないなら共闘すべきでなく、共産党と基本政策を共有できるなら共闘すべきであるというものです。
その点で立民党のスタンスがあいまいであることが最大の問題だと指摘し、今回は具体的に「枝野幸男氏があいまいな対応を続けるなら、反自公陣営は立民党を除いて連帯を構築することを検討する必要がある」と述べました。
そうすれば選挙で立民党の本当の実力が明らかになるので、枝野氏も自分の思い上がりに気が付くというものです。
実際 枝野氏の思い上がりは野党共闘を大いに阻害しています。
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共産支援消滅なら立憲大惨敗か
植草一秀の『知られざる真実』 2021年10月11日
衆院総選挙は10月19日に公示され、10月31日に投票日を迎える。目前に迫っている。
今回選挙は事実上の任期満了選挙。
想定される選挙期日のなかでもっとも遅いタイミングでの選挙。
政権刷新を目指す勢力は何年も前から準備を重ね、満を持して衆院選公示に臨む局面。
ところが、この期に及んで自公政権打倒を叫ぶ側の準備ができていない。
現在の選挙制度は小選挙区制が基軸だから、反自公陣営は候補者を一本化しなければ勝利を勝ち取れない。
基本政策を共有して連帯し、候補者を一本化することが勝利の方程式の一丁目一番地。
基本政策を共有しない勢力が共闘するのは野合。仮に政権を奪取できても政策運営で躓く。
閣内不一致で政権が空中分解してしまう。
したがって、基本政策を共有することが必要不可欠。
「政策連合(オールジャパン平和と共生)」は 政策基軸、超党派、主権者主導 で大同団結し、候補者を一本化することを提唱してきた。
基本政策として、平和主義堅持、原発ゼロ、共生の経済政策 を掲げてきた。
共生の経済政策として
消費税減税・廃止、最低賃金全国一律1500円政府補償、生活保障法制確率、奨学金徳政令、一次産業戸別所得補償 を掲げた。
基本政策を共有して大きな連帯を構築して候補者を一本化する。これが「政策連合」の主張。
その際、問題になるのは共産党との共闘。
共産党と基本政策を共有できないなら共闘すべきでない。
共産党と基本政策を共有できるなら共闘すべきだ。 単純なこと。
この点で立憲民主党のスタンスがあいまいであることが最大の問題だ。
これまで指摘してきているように、自公体制を維持しようとする勢力は反自公陣営の分断を目指してきた。
本尊はCIA。CIAは1960年に民主社会党(民社党)を創設。
日本の革新勢力が一枚岩になることを妨害するためだった。
民社党支援組織に位置付けたのが大企業御用組合連合の「同盟」だ。
この使命を引き継いでいるのが現在の国民民主党と連合六産別。
反自公陣営が結集して政権刷新を実現するには反自公陣営の連帯、大同団結が必要不可欠。
かつての民主党、民進党には、「共産党と共闘する勢力」と「共産党と共闘しない勢力」が同居していた。そのために、野党共闘があいまいになった。
ようやく旧民主党、旧民進党が国民民主党と立憲民主党の二つに割れた。
その上で、立憲民主党が共産党と共闘する勢力として明確な路線を示すことが期待された。
ところが、立憲民主党が先祖返りしてあいまい路線に回帰している。
立憲民主党は連合六産別の支配下に置かれつつある。
枝野幸男氏は共産党との共闘を明確に肯定しない。
その路線が確固たるものであるなら堂々と宣言するべきだ。
「私たちは共産党と共闘しない」ことを明確にするべきだ。
共産党の支援なしに当選できる立憲民主党候補は少ない。
比例復活で議席を確保できると高を括っているのかも知れないが、立憲民主党を除く反自公勢力が結集すれば立憲民主党を上回る票を獲得することになるだろう。
枝野幸男氏があいまいな対応を続けるなら、反自公陣営は立憲民主党を除いて連帯を構築することを検討する必要がある。
選挙で立憲民主党の本当の実力が明らかになる。
そのときに立憲民主党が後悔しても遅い。
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