2021年10月17日日曜日

広島の平和賞に川崎哲氏 核兵器廃絶運動に貢献 谷本清平和賞

 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センターは15日、平和活動に貢献した個人・団体を顕彰する「第33回谷本清平和賞」に、NGOピースボート共同代表で核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員である川崎哲さん(52)を選んだと発表しました。
 川崎さんは2004年にピースボート共同代表となり、08年から広島と長崎の被爆者170人以上と一緒に世界各地で被爆体験を伝えるとともに、各国に働きかけことし1月の核兵器禁止条約の発効に力を注ぎました。
「谷本清平和賞」は、被爆者として原爆の悲惨さと平和の実現を国内外で訴えた谷本清牧師の遺志を受け継ごうと公益財団法人「ヒロシマ・ピース・センター」が昭和62年に創設しました。授賞式は11月4日に広島市内で開かれます。

追記)
 川崎哲さんは、ICANの10人いる国際運営委員中で唯一の日本人で、東大法学部を卒業後 正規の就職をせずに、社会の底辺にある問題と向き合おうとホームレスや外国人労働者を支援する活動を始め、夜間は障害者の介助をする仕事をして生計を立てました。
 しかし、5年にわたって昼夜を問わず仕事や市民運動を続けたことで体力も財力も限界に達し、一時は体調も崩しました。そんなとき、核兵器廃絶に向けた調査や研究を行うNPOを立ち上げようと声がかかり、以来核軍縮の問題に取り組むことになり09年にはICANに加わりました。
    ⇒(17.12.10)ノーベル平和賞 ICAN素顔(NHK WEB特集)
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第33回谷本清平和賞 受賞にあたって川崎哲氏のブログより)
                             2021年10月15日
                                   川崎 
 本日、第33回谷本清平和賞の受賞発表がありました。
 被爆者の救援に身を投じ尽力してこられた谷本清牧師のお名前を冠する賞をいただくのは、大変おそれ多いことです。戦争の恐ろしさを戦争を体験していない人間が伝えていかなければならない時代にいよいよ入ったと感じます。
 私はピースボートの船旅を通じて、広島・長崎の被爆者の方々の証言を世界に伝える活動をしてきました。それは常に、多くの人々の共同作業でした。被爆者ご本人、迎え入れる世界各地の人々、その間をつなぐ若者、通訳、メディア。訪ねたその国々の戦争被害者や核の被害者たちともつながってきました。そうした人々の輪を大切にし、さらに広げていきたいと思います。
 被爆者に出会い心を動かされた人々が行動したことで、核兵器禁止条約が採択され発効しました。核兵器なんて絶対にダメだと被爆者ご自身が語ってくださる時間はあと僅かです。それでもこの条約は生き続け、将来にわたり国々をしばり続けます。日本をはじめとする全ての国がこの条約に入るよう、ICANの仲間たちと活動をさらに強めてまいります。
 

谷本清平和賞に川崎哲さん おりづるプロジェクトやICANで活動
                            毎日新聞 2021/10/16
 公益財団法人ヒロシマ・ピース・センターは15日、平和活動に貢献した個人・団体を顕彰する「第33回谷本清平和賞」に、NGOピースボート共同代表で核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)国際運営委員、川崎哲さん(52)=川崎市=を選んだと発表した。
 川崎さんは2004年にピースボート共同代表となり、08年から広島・長崎の被爆者と船で世界を巡り、被爆の実相を伝える「ヒバクシャ地球一周 証言の航海」(おりづるプロジェクト)を始めた。ノーベル平和賞を受賞したICANの活動にも関わり、14年以降、国際運営委員をつとめている。
 ピース・センターの鶴衛理事長は「おりづるプロジェクト功績に加え、ICANで中心的に活動されたことが核兵器禁止条約の発効につながった」と選考理由を説明。川崎さんは「日本をはじめとする全ての国が核兵器禁止条約に入るよう活動を強めてまいります」とメッセージを寄せた。
 11月4日に授賞式が広島市内で開かれる。【山本尚美】


谷本清平和賞 ことしはNGO共同代表の川崎哲さんに
                 NHK 広島NEWS WEB 2021年10月15日
平和活動に貢献した個人や団体に贈られる「谷本清平和賞」に、ことしは被爆者が世界各地で体験を語るプロジェクトを手がけるNGOの共同代表を務める川崎哲さんが選ばれました。
「谷本清平和賞」は、被爆者として原爆の悲惨さと平和の実現を国内外で訴えた谷本清牧師の遺志を受け継ごうと公益財団法人「ヒロシマ・ピース・センター」が昭和62年に創設しました。
ことしの受賞者が15日発表され、被爆者が船に乗って世界各地で体験を語るプロジェクトを手がけるNGOピースボートの共同代表で、4年前にノーベル平和賞を受賞したICAN=核兵器廃絶国際キャンペーンで国際運営委員を務める川崎哲さんが選ばれました。
川崎さんは、これまで広島と長崎の被爆者170人以上と一緒に世界各地で被爆体験を伝えるとともに、各国に働きかけことし1月の核兵器禁止条約の発効に力を注ぎました

受賞について川崎さんは、「被爆者の救援に身を投じ尽力してこられた谷本清牧師の名前がつく賞をいただくのは大変おそれ多いことです。核兵器は絶対にダメだと被爆者自身が語ってくださる時間はあと僅かだが、日本をはじめとするすべての国が核兵器禁止条約に入るようICANの仲間たちと活動をさらに強めていきたいです」というコメントを発表しました。