新潟日報が新潟小選挙区の終盤情勢を伝えました。それによると、1区の西村智奈美氏(立民前職)と5区の米山隆一氏(無所属、野党統一候補)がリードを保ち、4区では 菊田真紀子氏(立民前職)と国定勇人氏(自民新)が横一線で、6区では自民県連会長の前職高鳥修一氏(自民前職)と梅谷守氏(立民・野党統一候補)が激しく競り合っています。5区の詳報を添えて紹介します。
ところで24日に行われた参院静岡補選では、自民党の候補が意外な大差で敗れました。投票率が45%と低いなか無党派層の7割の票が野党候補に流れたということで、無所属の山崎真之輔氏が65万票余を獲得して当選しました。野党のもう一人の候補の分を合せると17万票という大差でした。岸田首相は2回現地入りしたということで大いに面目を失墜したにとどまらず、「首相が入ると負ける」と不評が更に高まりました。
また自民党の山崎拓元副総裁(石原派 最高顧問)は27日、衆院大阪10区(高槻市)で立民党前職の辻元清美氏の応援演説を行い、「小選挙区は辻元清美、比例区は自民党という立場だが、理解をいただきたい。辻元清美が当選すれば、日本の政治のためになる」と訴えました(同選挙区には自民前職の大隈和英氏も出馬)。
色々と面白い現象が起きています。
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西村(1区)米山(5区)リード 4,6区激しく競る
細田(2区)安定 斎藤(3区)やや先行 衆院終盤 新潟日報世論調査
新潟日報 2021年10月27日
31日投開票の第49回衆院選で、新潟日報社は23~26日、県内6小選挙区を対象に電話による世論調査を実施し、各区での取材も加味して選挙戦終盤の情勢を探った。1区と5区で野党共闘候補がリードを保っている。2区では自民党候補が安定した戦いで、野党2候補を突き放している。3区も自民党候補がわずかに先行。4区と6区は与野党候補が横一線で並び、互角の戦いを展開している。ただ、全選挙区で3~4割の有権者が投票先を決めておらず、情勢が大きく変わる可能性がある。 (敬称略)
態度未定なお4割
【1区】 立憲民主党前職の西村智奈美がリードし、自民新人の塚田一郎が追う。西村は立民など野党支持層を固め、無党派層の5割に浸透する。塚田は自民からの支持が6割強にとどまり、無党派層からの支持も薄い。日本維新の会元職の石崎徹は広がりを欠く。
【2区】 自民前職の細田健一が安定感を増し、国民民主党新人の高倉栄と共産党新人の平あや子を引き離す。細田は自民・公明支持層を固め、無党派層にも浸透。全域に支持が広がる。立民など野党支持層は高倉、平だけでなく、細田も含む3人に分散している。
【3区】 自民前職の斎藤洋明がやや先行し、立民前職の黒岩宇洋が肉薄する。斎藤は自民、公明の支持層を固めており、村上市や郡部で支持を広げている。野党統一候補の黒岩は立民、共産の支持層をまとめつつあるが、大票田の新発田市周辺で伸び悩む。
【4区】 立民前職の菊田真紀子と自民新人の国定勇人が横一線で激しく競り合う。菊田は野党支持層の9割を固めた。国定は自民の約7割、公明の約8割の支持を得ている。無党派層の支持を分け合っており、投票先未定の残る3割の取り込みが勝敗の鍵を握る。
【5区】 序盤から先行する無所属新人の米山隆一を自民前職の泉田裕彦が追う。米山は立民、社民、共産をまとめ、中高年層に浸透。泉田は基盤の自民支持層固めを進め、長岡市で支持を広げる。無所属新人の森民夫は無党派層や同市以外での浸透が課題だ。
【6区】 自民県連会長の前職高鳥修一と立民新人で野党統一候補の梅谷守が激しく競り合う。高鳥は自民支持層の8割近くを固め、全域に支持を広げる。梅谷は無党派層に浸透。前回選で大差を付けられた糸魚川市で健闘している。無所属新人の神鳥古賛は厳しい。
5区(詳報) (1~4区 6区は省略)
米山の優位変わらず 泉田長岡でやや上回る
事実上の野党統一候補で前知事の無所属新人・米山が、野党や無党派層の支持を得て優位を保つ。元知事の自民党前職・泉田は、保守層固めと都市部への浸透で追い上げる。前長岡市長の無所属新人・森は支持拡大で後れを取る。
政権交代を訴える米山は、支援を受ける立憲民主、共産各党の支持層の6割以上が支持。無党派層の3割強を獲得し、自民支持層の2割弱にも食い込む。
職業別では農林水産業の5割、契約社員の4割、年金生活者の4割が支持する。性別では、男女問わず支持を集める。出身地のある魚沼エリアで浸淳する一方、長岡市で伸び悩み、どう支持を広げるかが鍵だ。
序盤で自民支持層を固め切れなかった泉田は、党員への呼び掛けなどに力を入れ、支持は5割とやや上向いた。公明支持層も5割にとどまる。無党派層は2割強で浸透が課題だ。
職業別では自営業、正社員の4割前後から支持を受ける。20代の6割、30代の4割と若者の支持が厚い半面、50代以上は2割程度にとどまる。地域別で長岡市で米山をやや上回る。
森は、5区選出の自民衆院議員だった故長島恵美氏の後継を強調するが、現状では自民支持層の取り込みが図れていない。長く市長を務めた長岡市での支持拡大も課題だ。
有権者数は約27万6千人。各陣営は、投票率が前回の64・97%前後になると見通す。三つどもえの戦いで、当選ラインは7万6千票前後になるとみられる。