2019年11月11日月曜日

11- 安倍首相「桜を見る会」に地元後援会を招待 安倍政権下 予算3倍に

 8日の参院予算委で田村智子議員(共産党)が行った質問で、安倍首相主催の「を見る会」への出席が首相の地元後援会の年中行事と化していたことが明らかになりました。
 今年も「桜を見る会」には、山口県の850人もの後援会員がバスを連ねて前日上京し、安倍首相を交えてホテルで「前夜祭」を開き、当日バス17台で会場の新宿御苑に行き、開門前に特別に裏門から中に入り首相と共に記念写真を撮りました。

 私費で支持者に飲ませたり食わせたりすれば公選法違反の買収になるけれども、国費で大々的に公然と行えば問題ではないということがまかり通っている」、を見る会の招待客は各界の功労者の。しかし実態は各界の安倍応援団の招待であり、自民党議員の後援会員の接待だった」と、五十嵐仁氏は述べています。

 そこで飲み食いする費用は勿論国民の税金ですが、安倍内閣になってからは総額は予算の3倍になりました(来年はそれに合わせて一挙に予算を3倍近くの5730万円に増額

 LITERAが安倍首相や取り巻きの議員たちによるを見る会」私物化の概要を報じました。
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安倍首相「桜を見る会」の税金を使った不正が国会で明らかに!
「地元の自治会やPTA役員を招待」と白状 萩生田・稲田・世耕も…
LITERA 2019.11.08
 公選法違反疑惑によって大臣辞任が相次ぐ安倍内閣だが、本日、おこなわれた参院予算委員会では、ついに総理自身の疑惑追及がおこなわれた。そう、「桜を見る会」の私物化問題が安倍首相にぶつけられたのだ。
 本サイトでもお伝えしてきたように、「桜を見る会」にかかる支出は第二次安倍政権下で大幅に増えており、予算額は2014年度以降約1767万円で固定されていたのに、支出は年々増え今年2019年度は5519万円と約3倍に。しかも、このことが問題になると、2020年度予算の概算要求で内閣府は「桜を見る会」の関連経費として本年度の3倍を超える5729万円を計上。無駄遣いを見直すのではなく、逆に予算額を増やしてきたのだ。
 しかし、そんななかで「しんぶん赤旗日曜版」10月13日号は、安倍首相が地元・山口の後援会員を数百人規模で招待していることをスクープ。都内観光とセットにしたこのツアーは「後援会の目玉行事」となっていたといい、さらには妻・昭恵氏が名誉会長を務めたスキーイベントの実行委員をはじめ、昭恵氏の農業仲間や日本酒をつくる女性のグループなども招待されている事実を突き止めていた。

 しかも、きょうの参院予算委員会で質問に立った共産党の田村智子議員は、新たな事実を安倍内閣に突きつけた。それは、安倍自民党全体で私物化している実態だ。
 田村議員が読み上げたのは、安倍自民党の大臣や閣僚経験者らによる「桜を見る会」の報告。そこにはこんな記述があったのだ。

稲田朋美・元防衛相〈地元福井の後援会の皆様も多数お越し下さり、たいへん思い出深い会となりました。〉(2014年4月12日「日々の活動報告」)
世耕弘成・前経産相〈『桜を見る会』にて 地元女性支援グループの皆さんと〉(「世耕弘成後援会ニュースKawara-Ban」2016年新年号)
松本純・元国家公安委員会委員長〈選挙のうぐいす嬢の皆様をはじめ後援会の皆様と参加致しました。〉(同上2015年4月18日)
萩生田光一・文科相〈総理主催の「桜を見る会」が催され、今年は平素ご面倒をかけている(編集部注:後援会の)常任幹事会の皆様をご夫婦でお招きしました。〉(「はぎうだ光一の永田町見聞録」2016年4月18日)

 なんと、稲田氏や萩生田氏、世耕氏といった安倍首相の側近議員たちも、安倍首相と同じように地元後援会も関係者を招待し、もてなしていたというのだ。

 さらに、松本元国家公安委員長は、このようにも綴っていた。
〈役職ごとに案内状が割り当てられます。参加するにはこの案内状が無ければ入場できません。今回は限られた少数の案内しか入手できず、残念ながら後援会の皆様にご案内することができず、やむなく我が陣営は不参加ということになってしまいました。ご期待いただいていた皆様にはお詫び申し上げます。もっと偉くなりたいですね。〉(「松本純の国会奮戦記」2013年4月20日)
 つまりこれは、自民党は党内で役職ごとに後援会や支援者の招待枠を割り振っているということだろう。

 念のため言っておくが、議員の後援会や支持者というのは、「桜を見る会」の招待範囲に含まれていない。税金が投入された公的行事なのだから当然だ。実際、今年1月に閣議で配布された「桜を見る会『開催要領』」にある「招待範囲」には、こうある。

〈皇族、元皇族/各国大公使等/衆・参両院議長及び副議長/最高裁判所長官/国務大臣/副大臣及び大臣政務官/国会議員/認証官/事務次官等及び局長等の一部/都道府県の知事及び議会の議長等の一部/その他各界の代表者等〉

 皇族や大使・公使、政府・自治体関係者の数は、内閣府も「2000人くらいでほぼ固定的」と認めている。ようするに、〈その他各界の代表者等〉が安倍政権下で大幅に増え、予算も増加しているのだ。一方、今回判明した、安倍首相を筆頭に安倍自民党の議員たちが後援会・支持者をもてなす場として税金を使って「桜を見る会」を利用してきた実態……。これが支出増加の原因だとしか考えられないのだ。
 さらに田村議員は「下関の安倍事務所から参加確認があり、希望すれば、内閣府から招待状が送られてくる」という安倍首相の地元・山口の後援会関係者や後援会員の証言を紹介。安倍事務所が取りまとめの窓口となっているのではないかと、安倍首相に質した。

安倍後援会大量招待を問われた安倍首相は「地元の自治会やPTAの役員…」
 しかし、きょうの国会では、田村議員が安倍首相に答弁を求めているにもかかわらず、内閣府の大塚幸寛大臣官房長を指差して自分は大臣席に座ったまま。こうした場面が何度もつづき、答弁拒否を繰り返した。そして、「後援会や支援者の招待枠を自民党内で割り振っているのでは」という質問には、田村議員が「総理じゃなきゃ答えられない! 総理がお答えください!」と食い下がった結果、安倍首相はしぶしぶ重い腰をあげたのだった。
 だが、その答弁は、紙に目を落としたままそれを読み上げるだけという、無責任極まりないものだ。
「『桜を見る会』についてはですね、各界において功績・功労のあった方々を各省庁からの意見等を踏まえ、幅広く招待をしております。招待者については、内閣官房および内閣府において最終的なとりまとめをしているものと承知をしております。私は主催者として、挨拶や招待者の接遇はおこなうのでありますが、招待者のとりまとめ等には関与していないわけであります。その上で、個々の招待者については、招待されたかどうかを含めて、個人にかんする情報であるため、従来から回答を差し控えさせているものと承知をしております」

 個人情報だから答えられない──。しかも、田村議員が「総理も後援会関係者を多数招待しているのではないか」と追及すると、こんなことを言い出したのだ。
「さまざまな、たとえば地元において自治会等々でですね、あるいはPTA等で役員をされている方もおられるわけでございますから、当然、そういう方々とですね、これは後援会に入っている方々が、これは重複することも当然あるわけでございまして、そういうなかで招待されているものと承知をしております」
 まさに噴飯モノの答弁だろう。ようするに安倍首相は、地元の自治会・PTAの役員を「各界において功績・功労のあった代表者」だと言い張ったのだ。
こんなことを言い出したら、全国の自治会・PTA役員を「桜を見る会」に招待しなければ公平性は保たれない。それとも安倍首相は、自分や自民党議員の後援会・支持者でなければ「各界において功績・功労のあった代表者」とは認めないとでも言うのだろうか……。
しかも、招待者に何の功績があったのか、招待者の検討過程はどうなっているのかを問いただしても、安倍首相をはじめ政府から出てくる答弁は「リストや資料は終了後遅滞なく廃棄している」だの「個人情報であるため回答を差し控えている」の一点張り。税金が投入された公的イベントに持ち上がった私物化疑惑に対し、事実上の答弁拒否を繰り返したのだ。

「テロ対策で予算が増えた」と言い訳する一方、安倍首相の地元後援者は手荷物検査なしで入場
 まったく税金を何だと思っているのかと怒りを覚えずにいられないが、さらに新たな疑惑も発覚。なんと、「桜を見る会」がはじまる前に、安倍首相の後援者が入場し、安倍首相と写真撮影をおこなっているというのである。
 実際、今年の「桜を見る会」がおこなわれた4月13日の首相動静によると、こうある。
〈午前7時48分、東京・内藤町の新宿御苑着。午前7時49分から同8時31分まで、昭恵夫人とともに警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。〉
 田村議員によれば、安倍首相は例年、午前8時30分より前に地元後援会関係者と写真撮影をおこなっているというのだが、しかし、「桜を見る会」の開門および受付時間は午前8時30分。つまり、先に入場させて写真撮影するという「後援会活動」を、安倍首相はおこなっているのだ。
 しかし、この問題の追及に対しても、安倍首相は指名を受けているのに立ち上がろうともせず、大塚大臣官房長に答弁を促すだけ。そして、ようやく答弁席に立つと、こんな主張をはじめたのだ。
「招待者の、それぞれの受付時間の対応にかんする情報につきましては、これはセキュリティにかんすることであるため、回答を差し控えさせていただきたい」
 まったく何を言っているんだか。しんぶん赤旗の取材では、下関市の自民党関係者や安倍首相の地元後援会員がこうはっきりと証言しているからだ。
「新宿御苑で一般招待客は並んで手荷物検査がある。しかし“下関組”はバスの駐車場がある“裏口”から入るのが恒例だ」
「(新宿御苑に)到着すると、安倍事務所の秘書らがバスの座席をまわって、入場のための受付票を回収する。その秘書が受け付けを済ませ、参加者用のリボンを配る。まとめてのチェックインで手荷物検査はなかった

 政府は「桜を見る会」の来年度予算を今年度予算の3倍を超える5729万円を計上したことについて、「テロ対策の強化や混雑緩和のための措置」とする答弁書を閣議決定している。こうして「テロ対策で予算が増えた」と主張する一方で、実際には安倍首相は、手荷物検査もおこなわせずに後援会関係者を裏口から通しているのだ。
 これで何がテロ対策だ、と言いたくなるが、その上、安倍首相は「セキュリティにかかわるから回答しない」などと逃げたのである。
 ともかく、きょうの国会追及によって、安倍首相がいかに「桜を見る会」を私物化し、自分の後援会員や支持者のおもてなしのために税金をさらに投入しようとしていることが、はっきりとした。税金の無駄遣いの問題を「リスト・資料は破棄した」では済まされない。
 田村議員は「桜を見る会は参加無料なんです。会場内で樽酒その他のアルコール、オードブル、お菓子、お土産をふるまうんですよ。これを政治家が自分のお金で行ったら明らかに選挙法" class="tagLink">公職選挙法違反。そういうことを、あなたは公的行事で税金を利用して、行っているんですよ。これは重大問題、まさにモラルハザードは安倍総理が起こしている」と喝破して質問を終えたが、まさにそのとおりだろう。
 政府はしっかりと調査し国民に報告することを強く要求したい。(編集部)