2019年11月19日火曜日

「全国 首長九条の会」結成 現職及び元首長131人

 自治体の現職の首長や首長経験者が「全国首長九条の会」を結成し17日、東京都内で集会を開きました。
 結成総会には250人が参加し、「憲法と地方自治を踏みにじる行為に反対する。住民と力を合わせて運動を進める」とのアピール(下掲)を採択しました。
 17日現在で現職13人を含む131人が賛同・呼びかけ人に参加しました。
 宮城県で2008同種の首長の会が結成され、14年までに東北六県に拡大し、全国の会につながりました。
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9条守れ 首長ズラリ 一点で協力 「会」を結成
しんぶん赤旗 2019年11月18日
 自治体の首長とその経験者による「全国首長九条の会」の結成のつどいが17日、都内で行われました。17日現在で現職13人を含む131人が賛同・呼びかけ人に参加。全国の首長が所属や立場、信条の違いを超えて「9条守れ」の一点で力を合わせる画期的な動きです。安倍晋三首相と日本会議が改憲に執念を燃やすなか、全国首長9条の会は草の根の運動と連携し、「憲法9条擁護」の運動、世論づくりをすすめるとしています。結成総会では共同代表などの役員を選出し、規約と活動方針、アピールを採択しました。

 東北6県市町村長九条の会連合・共同代表の川井貞一氏(元宮城県白石市長)があいさつし、全国首長九条の会の発足経緯などを紹介。「市民の安全・安心を守るのが市長の使命というのが私の政治哲学。しかし、憲法改悪の動きが出てきた。戦争になれば、市民の安全・安心など吹っ飛んでしまう」とし、「草の根運動を展開しながら、改憲を絶対に阻止し、9条を守り抜かねばならない。今日がその出発点だ」と力強く訴えました。

 「九条の会」世話人の浅倉むつ子氏(早稲田大学名誉教授)が「首長九条の会」結成への「期待」を述べ、「憲法9条は私たちにとってまさに“灯台の灯”。いま、戦争という危機を迎えようとしている世界中の人々にとって憲法9条こそ、未来を照らす“灯台の灯”だと信じている」とあいさつ。6人の首長・元首長が「私と憲法」をテーマに発言し、9条への熱い思いと、改憲発議阻止への決意を語り、会場と熱気を交換しました。

 つどいには、玉城デニー沖縄県知事、武村正義元滋賀県知事、嘉田由紀子参院議員・元滋賀県知事らがメッセージを寄せ、250人が参加。結成総会で採択されたアピールで「9条改憲が草の根での攻防に入ったいま、私たち首長九条の会は、全国7000を超える地域、分野の九条の会と歩みを共にし、憲法9条の理念を高く掲げ、これを堅持し実践することをめざして、地域住民の知恵と力に依拠して運動を進めたい」と呼びかけました。

■首長九条の会の役員
【共同代表】川井貞一・元宮城県白石市長、小池清彦・前新潟県加茂市長、松下玲子・東京都武蔵野市長、岡庭一雄・元長野県阿智村長、武村正義・元滋賀県知事、井原勝介・元山口県岩国市長、田中全・元高知県四万十市長、稲嶺進・前沖縄県名護市長
【事務局長】鹿野文永・元宮城県鹿島台町長
【事務局次長】上原公子・元東京都国立市長、矢野裕・元東京都狛江市長

 17日の全国首長九条の会結成総会で確認されたアピールは次の通りです。
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全国首長九条の会結成総会アピール

 全国の地方自治体の首長のみなさん、元職のみなさん、市民のみなさん。

 私たちは、日本国憲法第9条を守り抜くという壮大な目標に向かい、さまざまな垣根を取り払い、「9条を守る心は一つ」「一人の百歩より百人の一歩」を合言葉に、本日その第一歩を踏み出しました。

 全国の住民ともっとも密接な行政機関の長として、住民の生命・財産を守る仕事に携わっている首長とその経験者による「全国首長九条の会」の発足は、「9条を守れ」という国民多数の意思を体現するものであると考えます。各地、各分野で奮闘されている草の根の運動と連携し、平和国家日本を後世に引き継いでいくために、所属や立場、信条の違いを超え、「憲法9条擁護」の一点で手を携えた運動、世論づくりをすすめる所存です。

 参院選が7月に行われ、「市民と野党の共闘」の力で、改憲勢力を後退させ、3分の2の議席確保を阻止しました。しかし安倍首相は9月11日、第4次改造内閣を発足させ、その中で「改憲は自民党が強いリーダーシップを発揮していく」と強調し、9条改憲への並々ならぬ決意を述べ、憲法審査会での改憲提案を狙っています。また、自衛隊のホルムズ海峡周辺中東地域への派遣を強行し、明文改憲を待たずに実質的な憲法破壊をも進めようとしています。

 さらに、自民党は「安倍改憲反対」の国民世論を変え、改憲世論づくりに本腰を入れ、日本会議と連携し全国で改憲集会の開催を進めています。いま、地域、草の根が憲法をめぐる対決の場となっています。

 安倍首相による憲法9条を改変する企ては、地方自治をも蹂躙(じゅうりん)しています。安倍首相は、地方自治体の自衛隊募集業務への非協力を改憲理由の一つに挙げていますが、これは「国と地方は、対等協力の関係」という精神をわきまえない地方自治への挑戦にほかなりません。また沖縄県民の民意を無視し辺野古新基地の工事を強行することは、憲法と地方自治を踏みにじるものです。

 9条改憲が草の根での攻防に入ったいま、私たち首長九条の会は、全国7000を超える地域、分野の九条の会と歩みを共にし、憲法9条の理念を高く掲げ、これを堅持し実践することをめざして、地域住民の知恵と力に依拠して運動を進めたいと決意しています。

 私たちは、安倍首相の9条改憲を発議させないために全力で取り組みます。沖縄県民の民意を無視した辺野古新基地工事をはじめ、憲法と地方自治を踏みにじる政府の行為に反対します。9条擁護の立場に立つ全国首長の交流活動などを展開してまいります。

 全国の自治体首長、元職の皆さま、本会の趣旨に賛同し、ぜひこの一員に加わっていただくことを呼びかけます。また地域住民の皆さまにも本会の趣旨に賛同され、ご支援をお願いするものです。

 9条改憲を阻止し、憲法が生きる日本をめざして住民の皆さまと力を合わせて運動を進めることを重ねて表明し、本会結成にあたってのアピールとします。