安倍首相は15日夜、およそ20分間、異例の長さで記者団の取材に応じ、前夜祭(懇親会)の会費について、「5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だ」と説明しました。
それに対してLITERAは、14日にニューオータニに問い合わせた際に、担当者ははっきりと「最低でも1万1000円」と回答し宿泊によるサービスもないとも言っていたし、NHKの取材に対しても「値切り交渉などには応じられない」と答えているのでおかしいとし、おそらく14日のうちに、ニューオータニの上層部に口止めでもしたのだろうと述べています。
確かに超一流のホテルが、1人当たりの最低限度をさらに6000円も下回るような出血サービスをしたとは信じられません。
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NHK NEWS WEB 2019年11月16日
(前 略)総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は15日、およそ20分間、記者団の取材に応じ、(中 略)前日夜の懇親会を含め、すべての費用は参加者の自己負担であり、みずからの事務所や後援会の収入や支出はなかったとして、政治資金規正法違反にはあたらないという認識を示し、懇親会の会費については、「5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者という事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だ」と説明しました。
これを受けて、政府関係者は、「安倍総理大臣は、丁寧に説明していた」と述べるなど、政府・与党は、安倍総理大臣が一定の説明責任を果たしたとしています。(後 略)
安倍首相があの小川榮太郎と電話で「桜を見る会」問題に開き直り弁明!
「中止は参加者が嫌がらせされるから」
LITERA 2019.11.15
「桜を見る会」での地元支持者の大量招待と「前夜祭」問題で違法疑惑が持ち上がっている安倍首相。税金が投入された公的イベントでの度を超えた有権者接待に、「前夜祭」の会費補填による有権者買収疑惑、そして政治資金収支報告書への未記載疑惑……これらは公選法に財政法、政治資金規正法違反が疑われており、安倍首相には一刻も早い国民に対する説明が求められている。
だが、安倍首相はそんな国民から向けられている厳しい目を無視するように、きょうも正式な会見も開かず、ぶら下がり取材で「きちんと事務所で対応していると聞いている」と話して“法的に問題はない”と主張。予算委員会の集中審議の開催についても「国会がお決めになることだ」などといつもの常套句で逃げた。
さらに、夜のぶら下がりでは、会費が5000円という異常な安さから差額補填疑惑が出ている「前夜祭」問題について、こう語った。
「5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者だという事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だと報告を受けている」
そんなわけがないだろう。一体どこのホテルが何も要求しないのにわざわざ最低金額の半分以下に設定してくれるというのか。だいたい本サイトが昨日ニューオータニに問い合わせた際も担当者ははっきりと「最低でも1万1000円」と回答していたし、宿泊などによるサービスもないとも言っていた。また、ニューオータニはNHKの取材に対しても「値切り交渉などには応じられない」と答えている。
昨日まで具体的な弁明が一切できなかった安倍首相が、きょうの夜になってこんなことを言い出したのはおそらく、昨日のうちに、ニューオータニの上層部に口止めでもしたのだろう。森友や加計問題で「官僚が勝手にやったこと」と言っていた安倍首相だが、今度は「ホテルが勝手にやったこと」と、ホテルに尻拭いをさせるつもりらしい。
しかし、見積書などの証拠を出さないかぎり、こんな言い分を信じられるはずがない。また、仮に一般客には値引きに応じられないと言っているのに、ホテル側が安倍首相にだけ「宿泊客が大半だから半額以下に」などと大幅な値引きしていたとしたら、これはこれで大きな問題になる。
仮に6000円の差額を850人分も値引きを受けていたならば合計で510万円になるが、政治家が高額の値引きを受けていた場合、それは政治献金にあたる可能性があるからだ。刑事責任に問われなくても、総理大臣という立場によって高額の値引きを受け、それによって有権者を買収していたのだから、道義的責任は免れない。
そういえば、菅義偉官房長官もきょうの会見で、安倍首相をかばうために「ホテルと趣旨などを話すことによって柔軟に対応いただけると思っている。過去にもいろんなところで経験がある」などと語っていたが、だとしたら、菅官房長官も同罪だ。
まったく国民への説明責任を果たさず、悪あがきを続けるその姿勢には、呆れるほかはないが、じつは、安倍首相はもう一つ、信じられない行動に出ていた。
なんと、あの安倍御用評論家の小川榮太郎氏と「桜を見る会」について話をし、唖然とするような言い訳をしていたのだ。
安倍首相が“性的マイノリティを認めるなら痴漢の触る権利も保障せよ”の小川榮太郎と電話
それは、小川榮太郎氏が昨日、こんなツイートをおこなったことで明らかになった。
〈【櫻を見る会中止】があまりに早いので安倍総理に(珍しく)電話で真意を確認した〉
小川氏といえば、自民党・杉田水脈衆院議員の“性的マイノリティには生産性がない”という差別言説を“性的マイノリティを認めるなら痴漢の触る権利も保障せよ”なるヘイトの上塗りで擁護した人物だ。強烈なヘイト&性差別主義者だという事実が広く知れ渡り、金銭トラブルなどから右派界隈でも批判を浴びているこんな人物といまだに電話で会話する付き合いをつづけていること自体、どうかしているとしか言いようがないが、小川氏は〈安倍事務所に違法性もなく、何らの瑕疵がある訳でもない〉だの〈安倍政権後半 人数が急増しているが、鳩山政権でも後援会関係者との写真撮影は30分近い。今回騒がれているのとほぼ同人数であろう〉だのと一方的な擁護を書き連ねる。そしてこんな安倍首相との会話を公開するのだ。
小川「こんなにすぐに中止すれば、また「疑惑は深まった」とやられるんじゃありませんか」
安倍「それはそうだけど、こんな状況では参加者が委縮してしまうから……。ブログから何から追跡されて嫌がらせされたりが続くわけだからさ」
小川「しかしそれでも判断が早すぎたのでは?」
安倍「予算執行の決断をしなければならないから今判断する必要がある」
自民党議員が嬉々として後援会員を招待したことを誇っていたブログを追跡することが「嫌がらせ」って……。だいたい、安倍首相がどういう理由で何人の後援会関係者を招待したのかなど説明していれば済んでいた話ではないか。しかも中止の判断を「予算執行の決断」などともっともらしく語っているが、たんに逃げ切れないと踏んで幕引きを図っただけなのは誰の目にもあきらかだ。
つまり、小川氏との会話からもよくわかるように、いまだに安倍首相は何一つ反省していないのである。そもそも、反省しているのならば、国民への説明を果たさない状態で小川氏にベラベラと話をすることもないのだ。
しかも、小川氏と話をしたのも、自分を擁護してくれる相手だからだ。実際、小川氏は安倍首相との会話を披露したあと、こう綴っている。
〈つまりこういう事だろう。今の一部マスコミと野党のやっている事は単なる嫌がらせである。〉
〈嫌がらせそのものが目的なのだから、中止を引き延ばして予定額での予算が執行されようものなら、過去の参加者への嫌がらせが拡大し、数百人、いや数千人の個人情報が暴露されたりリベラルの強い職場などでは深刻な目にあう人も出てくるだろう。〉
〈来年の招待時期になれば、また嫌がらせを復活させてくるだろう。折角のおめでたい会なのに、招待者らに嫌な思いをさせるのが確実なので――要するに野党とマスコミは嫌がらせそのものが目的なのだから――中止をした。簡単に言えばそういう事だと私は解した。〉
〈早急な総理の中止判断は敵を勢いづかせるのだから、安倍氏としては暫くの間、一人で針の筵に座る事になる。嫌な選択肢だろうが、法的、倫理的瑕疵はないので、不特定多数の人々への嫌がらせを防ぐために、一人で悪評を引き受けましょうという訳であろう。〉
安倍首相が何百人という大規模接待を公金でおこなうという「私物化」によって問題を引き起こしたというのに、応援団にとっては「リベラルの嫌がらせ」「安倍首相は一人で悪評を引き受けた」ことになるらしい。まともにツッコむ気にもなれないが、こういう擁護を期待して、安倍首相は国民より前に小川氏に言い分を垂れ流したのだろう。
もはや呆れ果てるほかないが、「桜を見る会」に持ち上がっているさまざまな違法疑惑に対し、説明ができるのは安倍首相だけだ。与党は予算委員会での集中審議開催を拒否しているとも伝えられているが、やましいことがないのであれば、お友だちに対してだけではなく、堂々と国会に出てきて説明してもらおうではないか。 (編集部)