8日の参院予算委で田村智子議員(共産党)が行った質問で、首相の地元後援会が、バスを連ねて「桜を見る会」に出席することが定例になっていることが明らかにされました。今年はバス17台で850人もの後援会員が出席し、前日はホテルで首相を交えて「前夜祭」が開かれたということです。
それにしても「各界において功績のあった方々」が招待される筈なのに、安倍氏の他にも稲田議員や世耕議員、萩生田議員などの後援会員が大挙して参加できるのはなぜでしょうか。安倍首相は「個人情報」を理由に答弁拒否を続け、内閣府は証拠物件である出席者名簿をすでに「廃棄した」ということです。
そこで飲み食いする費用は勿論国民の税金です。安倍内閣になってからは総額は予算の3倍の5千万円台になり、来年はそれに合わせて予算が5730万円に増額されました。
「桜を見る会」の在り方について、五十嵐仁氏は「私費で支持者に飲ませたり食わせたりすれば公選法違反の買収になるけれども、国費で大々的に公然と行えば問題ではないということがまかり通っている」、国民民主の玉木代表は「税金を使った買収に見える」、神戸学院大教授の上脇博之氏は「公金の使途目的から明確に逸脱している。しかし地方自治体であれば、公金の不適切使途について返還を求めることができるが、国に対しては返還請求するための法整備がなされていない」とそれぞれ批判しています。
11日、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長らが会談し、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして、野党4党で合同の追及チームを立ち上げ、招待者を選ぶ基準などについて政府側に説明を求めるほか、参加者数が増えている経緯などを調査することを決めました。
NHKの記事を紹介します。
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「桜を見る会」野党4党が徹底追及の方針 国対委員長会談
NHK NEWS WEB 2019年11月11日
総理大臣主催の「桜を見る会」について、野党側は毎年参加者数が増えている中、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして徹底して追及していく方針を確認しました。
総理大臣主催で毎年開かれている「桜を見る会」について、共産党は、参加者数や支出が年々増えているほか、安倍総理大臣の地元の後援会からも多くの人を招待しているなどと批判しています。
これについて、立憲民主党、国民民主党、共産党、社民党の野党4党の国会対策委員長らが会談し、公的な行事に安倍総理大臣の後援会から多くの人が招かれていたとすれば悪質な公私混同だとして、徹底して追及していく方針を確認しました。
そして、野党4党で合同の追及チームを立ち上げ、招待者を選ぶ基準などについて政府側に説明を求めるほか、参加者数が増えている経緯などを調査することを決めました。
会談のあと、立憲民主党の安住国会対策委員長は記者団に対し「極めて重大な問題であり、国費を私物化している疑いが強い。安倍総理大臣に直接、説明をしてもらう必要がある」と述べました。
共産 小池書記局長「安倍総理の資質や資格問われる」
共産党の小池書記局長は記者会見で「『各界の代表者』が本当に功績のある人なら否定するものではないが、自民党議員や安倍総理大臣の後援会が選んで連れてきているのであれば趣旨に反する。『血税を使った公的な行事の私物化』と言われてもしかたがなく、安倍総理大臣の資質や資格が問われる」と述べました。
官房長官 招待者の説明は控える
菅官房長官は午後の記者会見で「『桜を見る会』は、開催要領に基づいて、各界において功績や功労のあった方々を各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待しており、内閣官房および内閣府で取りまとめている」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は「個々の招待者については招待されたかどうかも含めて個人情報であるため、従来から回答を控えている」と述べました。
自民 岸田政調会長「問題ない」
自民党の岸田政務調査会長は記者会見で、「『桜を見る会』は、各界で功績や功労のあった方々を招き、慰労する趣旨の会で意義のあることだ。問題があるとは認識しておらず政府で適切に対応すると思う。菅官房長官が招待者数の精査を検討すると発言したと承知しており、必要があれば説明することも考えられるのではないか」と述べました。
自民 二階幹事長「党は関与していない」
自民党の二階幹事長は記者会見で「党は特別の関与はしておらず、内閣官房や内閣府に聞いてほしい。説明責任は政府が考えることで、私が『説明しなさい』とか『説明しなくていい』と言う立場ではない」と述べました。