2019年11月8日金曜日

衆議院憲法審査会 2年ぶりの自由討議

 7日、衆院憲法審査会が開かれ、海外の憲法改正の状況などを調査するため、9月下旬に、与野党の議員がヨーロッパの4か国を訪問した結果が報告されたあと、今国会初自由討議が行われました。
 その前に開かれた幹事会では、与党側が、来週、審査会を開いて国民投票法改正案の審議と採決を行いたいと提案しましたが、野党側は、自由討議を続けるよう求めて折り合いませんでした。
 自由討議の中で立憲民主党は、国民投票法改正案に関連して「CM規制の議論に入るべきだ。法律を作った時の中心的な人に立法の前提を確認すべきだ」と述べ、テレビ広告の規制などについて議論すべきだと主張しました。
 与党側が、次回の審議で国民投票法改正案の採決に入りたいということは、CM規制を盛り込まないまま成立させる意向であることを示しています。
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衆議院憲法審査会 今国会で初めての自由討議 
NHK NEWS WEB 2019年11月7日
衆議院の憲法審査会が開かれ、今の国会では初めての与野党の議員による自由討議が行われました。

衆議院の憲法審査会は先月31日に予定されていましたが、河井前法務大臣の辞任の影響で見送られたため、7日開催されました。
審査会では、海外の憲法改正の状況などを調査するため、9月下旬に、与野党の議員がヨーロッパの4か国を訪問した結果が報告されたあと、今の国会では初めての自由討議が行われました。

この中で、自民党は「時代の変化に即して憲法を改めるのはわれわれの責務だ。幅広い合意を目指し、議論が進められることを期待したい」と述べました。
立憲民主党は、国民投票法改正案に関連して「CM規制の議論に入るべきだ。法律を作った時の中心的な人に立法の前提を確認すべきだ」と述べ、テレビ広告の規制などについて議論すべきだと主張しました。
これに先立って開かれた幹事会では、与党側が、来週、審査会を開いて国民投票法改正案の審議と採決を行いたいと提案したのに対し、野党側は、自由討議を続けるよう求めて折り合わず、引き続き協議することになりました。

官房長官「建設的論議を」  
菅官房長官は、午前の記者会見で「衆議院の憲法審査会が開催されたことを歓迎したい。引き続き、憲法審査会の場で、各党がそれぞれの考え方を示したうえで与野党の枠を超えて、建設的な議論を行っていただきたい」と述べました。
そのうえで記者団が「安倍総理大臣は、来年の改正憲法の施行を目標とする中、今後の見通しはどう考えているか」と質問したのに対し、菅官房長官は「安倍総理大臣ご自身も発言しているように憲法改正については、スケジュールありきではなく、まずは憲法審査会において各党、各会派がしっかり議論を行っていただきたいというものだ」と述べました。

与党側筆頭幹事「今後の進め方よく考えたい」
衆議院憲法審査会の与党側の筆頭幹事を務める自民党の新藤元総務大臣は「およそ2年ぶりに自由討議が行われ、とてもよかった。われわれは、国民投票法改正案の質疑と採決を提起しているが、『もう少し自由討議を』という声もあるので、今後の進め方はよく考えたい」と述べました。

野党側の筆頭幹事「もう1回自由討議を」
衆議院憲法審査会の野党側の筆頭幹事を務める立憲民主党の山花憲法調査会長は「有意義な自由討議だった。まだ発言したいという議員がいるので、もう1回、自由討議を行ったらどうかと与党側に申し入れている」と述べました。

維新 馬場検事長「各党が改正項目出すまで進んでほしい」
日本維新の会の馬場幹事長は党の代議士会で「ずいぶん熱心に自由討議が行われた。来週以降も憲法審査会が開かれ、いまの国会中に各党が憲法改正項目を出すところくらいまで進んでほしい」と述べました


衆院憲法審 2年ぶりの自由討議 欧州4カ国視察報告
毎日新聞2019年11月7日
 衆院憲法審査会が7日午前に開かれた。9月下旬に欧州4カ国を視察した審査会メンバーが結果を報告し、与野党の委員が実質的論議となる「自由討議」を行った。衆院憲法審での自由討議は2017年11月以来約2年ぶり。審査会は当初、10月31日に開催する予定だったが、河井克行衆院議員(自民党)の法相辞任の影響で国会が空転し、取りやめとなっていた。

 欧州視察の報告では、団長を務めた前会長の森英介氏(自民)らが、視察先のドイツやウクライナなど4カ国で政府・議会関係者らと行った意見交換の内容や各国の改憲の状況などについて説明した。 
 森氏は、ドイツで憲法に当たる連邦共和国基本法が63回改正されていることに触れ、「63回という回数に目を奪われがちだが、表面的な数字のみにとらわれず、その国の憲法を巡る政治文化や背景も考慮しなければならない」と述べた。 
 与党側は、改憲手続きを定める国民投票法について、今国会で共通投票所の設置など公職選挙法の規定に合わせる改正案の成立を目指している。視察の報告と自由討議で実質的な審議を再開させ、議論進展の呼び水としたい考えだ。 

 一方、立憲民主党など野党側は、国民投票に関するテレビCM規制を巡る議論を優先するよう求めており、議論の進展は見通せない状況が続いている。【遠藤修平】