2019年11月22日金曜日

日韓法律家「共同宣言」徴用工 迅速に被害者救済を

 日韓の法律家が20日、東京とソウルで連携して記者会見を開き、強制動員(徴用工)問題で「共同宣言」を発表しました。
 宣言は、1965年の韓日請求権協定で徴用工の個人賠償請求権は(消滅したのではなく「未解決の問題」であること、韓国大法院判決を日本企業が受け入れるのを日本政府は「妨害してはならない」こと、そして両国政府は被害者の名誉と権利を回復するために中国の強制連行・強制労働事件における日本企業と被害者との和解などを参考にして、必要かつ可能な措置を迅速に図ることを求めています。
 しんぶん赤旗と韓国のハンギョレ新聞の記事を紹介します。
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日韓法律家「共同宣言」徴用工 迅速に被害者救済を
しんぶん赤旗 2019年11月21日
 日韓の法律家が20日、東京とソウルで連携して記者会見を開き、強制動員(徴用工)問題で「共同宣言」を発表しました。

 宣言は、
(1)強制動員被害者の請求権の問題は未解決であり、それは日韓の最高裁(大法院)、日本政府の立場いずれにおいても確認されている
(2)韓国大法院判決は、適正な訴訟手続きを経て出された結論で、法治主義のもと日本企業は判決を受け入れるべきであり、日本政府はこれを妨害するべきではない
(3)日韓両国政府と被告・日本企業は、被害者の名誉と権利を回復するために、中国の強制連行・強制労働事件における日本企業と被害者との和解などを参考にして、必要かつ可能な措置を迅速に図る
 ことを求めています。

 東京での記者会見では「日本有志の会」の川上詩朗弁護士が、「徴用工問題は政治・外交問題とされているがその本質は、人権問題」と強調。「被害者の視点から人権回復を最優先に考えることは、日韓の法律家の共通認識だ」と訴えました。

 「宣言」は、日本側が大阪労働者弁護団、社会文化法律センター、自由法曹団、青年法律家協会弁護士学者合同部会、日本民主法律協会、民主法律家協会、徴用工問題の解決をめざす日本法律家有志の会の7団体、韓国側は労働人権実現のための労務士会、民主社会のための弁護士会など5団体が呼びかけました。


韓日弁護士共同声明「強制動員の本質は外交ではなく人権問題」
ハンギョレ新聞 2019/11/21
「日本政府は企業の判決受け入れの妨害を止めよ」 個人賠償請求権は消滅していない…「未解決の問題」

 韓国と日本の弁護士たちが、強制動員被害問題の本質は人権問題だと指摘した共同宣言文を発表した。

 川上詩朗、内田雅敏、在間秀和弁護士などは20日に東京で記者会見を開き、「強制動員に関する韓日法律家共同宣言」を発表した。
 彼らは宣言文で、強制動員被害問題が「専ら政治的・外交的問題として取り上げられている。しかし本質的には、徴用工や勤労女子挺身隊として意に反して動員された被害者(強制動員被害者)の人権回復の問題」と指摘した。彼らは強制動員問題の解決のために必要な最小限の事項の3つを提示した。日本で宣言に参加した弁護士は20日時点で104人であり、学者が19人、団体では自由法曹団石川県支部が参加した。今回宣言に参加した韓国弁護士も20日、ソウルで同じ共同宣言文を発表した。

 まず、1965年の韓日請求権協定で強制動員被害者の個人賠償請求権が消滅したのではなく、まだ「未解決の問題」だと指摘した。2番目は、日本政府は韓国の最高裁(大法院)判決を日本企業が受け入れるのを「妨害してはならない」と語った。3番目には、韓日両国政府は強制動員被害者の名誉と権利を回復するために、ドイツが設立した「記憶・責任・未来」基金と日本企業が中国人強制連行労働者と和解した事例を参考にすべきだと説明した。

 川上弁護士は、「最高裁判所の賠償判決から1年が近付いた9月に、韓国側から宣言文の話が出た」として「法律家として常識に属す最小限のことを提示した」と語った。中国人強制労役被害者を代理した内田弁護士は、韓国人強制動員被害と中国人強制連行は「本質的には違いがない。中国人強制労役被害者に日本企業が謝罪して和解した時は、日本メディアはすべて歓迎した。三菱マテリアルが中国人強制労役被害者と和解した時、日本政府は黙認して消極的支持もした」と指摘した。
 川上弁護士は、最近ムン・ヒサン国会議長が提案した、韓国と日本企業および国民の自発的寄付で基金を設立して過去の問題を解決しようという案について、個人の意見であることを前提に、「被害者が受け入れることができなければならない。被害者が受け入れることができる解決策は、事実認定と謝罪および賠償である。この中で最も重要なのは事実認定だ」と述べた。
東京/文・写真 チョ・ギウォン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )