2019年11月21日木曜日

21- 「桜を見る会」 自民改選議員にも4組ずつの招待枠

 別報のとおり「桜を見る会・前夜祭」に係わる「安倍晋三後援会」の公職選挙法違反の疑いが明らかになってきました。
 それに加えて「桜を見る会」の政府・自民党関係の招待者枠が8000人に及ぶなかで、今年7月の参院選で改選を迎える自民党議員66人を特別扱いして、招待者枠500人以上を割り当てていたことが分かりました。
 政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏は、「『功績、功労』のあった人を招待するという本来の趣旨から逸脱しており、予算の目的外支出を禁じた財政法違反にあたる可能性大です」と述べています。
 日刊ゲンダイの記事を紹介します。
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自民改選議員を“常習”招待「桜を見る会」で48人違法当選か
日刊ゲンダイ 2019/11/20
 当選するための“買収”にしか見えない――。今年7月の参院選で改選を迎える自民党議員を特別扱いし、4月開催の「桜を見る会」の招待枠を知らせた「案内状」が発覚した。参院選は、自公が改選過半数を上回り勝利したが、税金を使った公的行事を選挙運動に利用していたのだ。
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「桜を見る会のお知らせ」と題した案内状は今年1月31日付で、参院自民事務局が発信した。
〈内閣主催による「桜を見る会」が、下記の通り開催されることになり、一般の方(友人、知人、後援会等)を、4組までご招待いただけます
「功績、功労」と関係なく招待者を集めている様子がよく分かるが、驚いたのは宛先だ。「平成31年改選議員各位」となっている。
 7月の参院選を控えた改選議員にとって、直前の「桜を見る会」に有権者を招待すれば、格好のアピールになる。「組」という表現から、グループで招待者を呼べそうだ。1組2人と少なく見積もっても、議員1人当たり8人の枠。自民党の改選議員は66人だったので、500人以上が招待された可能性がある。

 有権者にタダ飯、タダ酒を振る舞えば一発アウト。公選法違反にあたる行為を税金で賄うとは異常な感覚だが、世耕弘成参院幹事長は19日の会見で事実関係を認め、「改選をもって引退される議員もたくさんいるので、(非改選議員より)慣例的に多く割り当てていた」と“常習”を白状した

専門家は「財政法に反する」と指摘
 政治資金に詳しい神戸学院大教授の上脇博之氏が言う。
「後援会関係の招待は、党員、支持者の拡大が狙いなのに対し、改選議員の招待は、明らかに来る選挙を意識したものです。極めて露骨で悪質だと思います。自民党は、事実上の買収効果を期待した結果、改選議員に一定の招待枠を確保したのではないか。『功績、功労』という本来の趣旨から逸脱しており、予算の目的外支出を禁じた財政法違反にあたる可能性大です」

 2012年12月末の安倍政権発足後、国政選挙は5回実施された。選挙が近づくと「桜を見る会」の招待枠を悪用し、自民党は血税を使った事実上の選挙運動をしていたのではないか――。自民党に取材を申し込むと、「首相主催の行事なので党本部としては関与していません」(幹事長室)と答えた。
 7月の参院選で、自民は57議席を獲得。新人・元職9人を除いた48人が「桜を見る会」のおかげでサクラが咲いた可能性がある
 “当選の正当性”が問われる問題だ。