トランプ米政権は21年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について、現状の約4・5倍に当たる年約80億ドル(約8640億円)に増額するように要求したことが分かりました。
このトランプ政権の法外な要求に対しては、米政府内からも「正気の沙汰ではない」と批判が出ているということです。
日本の米軍駐留経費に対する「思いやり予算」の比率は世界的にダントツで、75%に達しているといわれています。日本は駐留経費約1900億円のほかにも種々の経費を負担しており、総額は年間6000億円超に及んでいます。
この要求は7月に日本に伝えられていたということですが、時事通信などが伝えたのは今月の15日になってからです。政府は国民に伏せたまま、言われるままに受け入れようとしていたのでしょうか。、
「日々雑感」氏がこの問題で、説得力のある持論を展開しました。
同氏は、まずこれを契機に駐留米軍には日本から撤退して貰い、その上で米国が要求した「思いやり予算」は国会承認の上で満額自衛隊増員の原資として、新に「災害派遣専用部隊」を作るべきだとしています。
つまり米軍には撤退して貰い、国土の防衛は日本国民で行うというもので、そうすれば就職氷河期などで碌な職に就けなかった壮年たちに明るい明日を与えることができるというものです。
細部については異論もあるかも知れませんが、大筋として説得力のある主張になっています。
以下に紹介します。
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米国からの「思いやり予算」4・5倍増要求を好機に変えよう
日々雑感 2019/11/16
トランプ米政権が2021年度以降の在日米軍駐留経費の日本側負担(思いやり予算)について、現状の約4.5倍に当たる年約80億ドル(約8640億円)への増額を要求したことが15日、複数の関係者への取材で分かった。
思いやり予算を定める特別協定の更新に向けた日米交渉は来年本格化する見通しだが、大幅な増額を突き付けられた日本側が反発するのは確実だ。
トランプ政権は同盟国に「応分の負担」を求め、米軍駐留を受け入れる各国に負担増を要求している。ただ、米軍の海外展開が米国の国益や安全保障戦略に大きく寄与しているのは疑いない。「法外な要求」は同盟国における対米感情を悪化させ、同盟弱体化にもつながりかねない。
関係者によると、7月にボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当、当時)らが日本を訪れた際、トランプ政権が年約80億ドルへの増額を求めていることを日本側に伝達した。
21年3月末に期限切れを迎える現行協定では、日本は基地内で働く日本人従業員の人件費や水道光熱費などとして、年平均約1893億円を負担している。関係者は「米側は今後の交渉で主導権を握るため、意図的に高い金額を要求した可能性がある」と指摘する。
ただ、同盟関係を損ねかねない大幅な増額要求には、米政府内からも「正気の沙汰ではない」と批判が出ている。中国やロシアとの大国間競争に照準を合わせるトランプ政権は、同盟関係の強化を国家安全保障戦略の柱の一つに据える。このため、外交や安保政策を担う現場は、ホワイトハウスの要求と国家戦略の間で板挟みになっていると関係者は語る。
(以上「時事通信」より引用)
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現行の駐留米軍に対する「思いやり予算」は駐留米軍経費の75%に達しているといわれている。後の25%は駐留米軍兵士の給料だけ、という状態だ。
それに対して、米国は来年度予算で「思いやり予算」を現状の約4・5倍に当たる年約80億ドル(約8640億円)への増額を要求した、という。それでは米国は傭兵稼業で稼ぐ国に成り下がるということが米国民は理解しているのだろうか。
直ちに日米同盟を破棄しろとはいわないが、駐留米軍をすべて日本から撤退して頂きたい。その上で、米国が要求した「思いやり予算」を満額国会決議して、自衛隊増員の原資とすべきだ。
つまり日本の国防は日本国民で行う、と決議して、自衛隊の増強に乗り出すべきではないか。岩国基地にも米軍軍属が住まう高級住宅が市内を見下ろす丘に建てられ「アタゴ・ヒルズ」と銘する看板が掲げられ、一般人は立ち入り禁止だ。そんな大甘な対応をしているから米国はさらに付け上がったのだ。
全国のそうした法外な米軍属の住居地や建物を返してもらえば、ホームレスの救済にもなるだろう。そして全国で大量に溢れている派遣やフリーターたちを自衛隊に入隊させれば良い。
もちろん過酷な訓練は必要ない。ただ機器や重機などの操作に慣れてもらって、災害派遣専用部隊とすべきだ。臨時の仮橋架橋やゴムボートの操船や救助技術を習得すれば良い。後は国家公務員として国土強靭化の作業に従事し、草刈りや樹木の伐採や森林の管理などに従事させれば良い。
米軍を傭兵として国内に駐留させていても、米国本土で訓練すべきプログラムを日本国内に持ち込んで、程度の悪い訓練を行っているだけだ。だから戦闘機のタッチ&ゴー訓練中にパイロットが本を読んだりシャメを撮ったりして遊んでいる。
そして彼らは日本の災害救助には出動しない。それならお引き取り願って、就職氷河期などで碌な職に就けなかった壮年たちに明るい明日を与える方が何倍も良い。派遣に従事して派遣会社にピンハネされている若者たちにも国家公務員という職を与えられる。
8,000億円の内3,000億円を人件費に回すとして、年俸500万円を支給するには一人当たり人件費を700万円程度と見積もれば充分だから4万3千人ほどは雇える。そして米軍に接収されていた基地の土地を有効利用して工業団地などにして海外移転した企業をUターン策で呼び戻せば、さらに雇用が生まれるだろう。
米軍の撤退が日本が蘇生するビッグ・チャンスとなるのは間違いない。更にいえば、沖縄の無駄に広い訓練地なども返還されれば、自然を観察して廻るツーリズムが新しい観光自然になるだろう。もちろん沖縄に基地偏重の弊害も解決されるし、辺野古沖の埋立も必要ない。
米国が「思いやり予算」の4・5倍増を要求して来たのを好機と捉えて、日本国内から米軍を完全撤退して頂く好機に変えよう。そうすれば地位協定や空域制限なども一気に解決するではないか。