パートナーシップ制度とは「各自治体が同性同士のカップルを婚姻に相当する関係と認め証明書を発行する制度」で、現在、232の自治体(全県実施は9県。人口ベースでは全体の55%)で施行されています。いわゆる同性婚に対しては、統一協会が日本会議と共に反対していて地方議員に様々な働きかけをして来ました。それでも実施自治体は順調に増えています。
しんぶん赤旗が、「パートナーシップ制度と統一協会」の全3回の連載記事を出しました。
併せて、「富山市議会が28日、旧統一協会や関係団体と今後一切の関係を断ち切ることを宣言する決議を全会一致で可決」したというNHKの記事を紹介します。
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パートナーシップ制度と統一協会(上)
導入先送りされた丸亀市(香川県) 自民党系市議との癒着
しんぶん赤旗 2022年9月29日
性的少数者のカップルの関係を自治体が公認する「パートナーシップ制度」の導入をめぐって、反社会的カルト集団・統一協会(世界平和統一家庭連合)と自民系地方議員との関係が注目されています。各地の実態を見ました。(3回連載)
「旧統一協会の月刊誌を2年間購入しました。知り合いから紹介された『世界平和運合』の方が、私の家に2ヵ月に1度、来るようになり、その名目が月刊誌を持って来ることだったので、気の毒だし、僕も(家にはあまり)いないから、『購読します』といったんです」
月刊誌購読から
21日夕方、本紙の電話での取材にこう切り出しだのは、香川県丸亀市の松永恭二市長です。月刊誌とは、統一協会が発刊した「世界日報」の『月刊ビューポイント』です。丸亀市議時代の2016年度と17年度、「政務活動費」から4回に分けて計1万4400円を支出していたことが本紙の調べでわかりました。松永氏はその事実を認めました。16年度から17年度といえば、パートナーシッブ制度の導入をめぐり、全国的にも丸亀市でも大きな動きがありました。全国ではじめて東京都渋谷区で導入されたのが15年11月。導入のもとになる条例をめぐって、「家庭を守る渋谷の会」と名乗る団体が、「ご存知ですか?放っておくと・・・渋谷が大変なことになります!!」と反対の宣伝・署名活動を行いました。統一協会は、この活動について、「教会員の有志の方々が、ピラを配布したり、署名活動に関わっている」(統一協会公式サイト2015年3月20日)と認めています。
「急すぎる」の声
一方、丸亀市でも、17年度にパートナーシップ制度導入の要綱案を作成。要綱は行政の判断で進めることができるので、18年4月からの導入を予定していました。ところが、同年2月、市議らの「急すぎる」との声で導入が先送りされたのです。
先の渋谷区での統一協会の動きの中、丸亀市でパートナーシップ制度導入が先送りされ、白民系会派に所属し、当時市議会議長だった松永氏が統一協会と関係をもっていた事実が明らかになったー。市議会などに、統一協会の立場が持ち込まれたのではないのか。本紙の責問に、松永氏は「関係性はまったくない」と否定しました。『ビューポイント』には、パートナーシップ制度を否定する記事が繰り返されていましたが、松永氏は、記憶にあるのは世界情勢の記事だったと、本紙に答えました。
「ぼくはもともとパートナーシップ制度の導入に賛成だったが、(議長という立場上)それはいわなかったが。21年4月に市長になった直後に、担当の人権課に『要綱案はどうなっているか』と聞きにいった」と促進の立場を説明し、今年6月の市議会でも答弁した「来年1月ごろの導入」を強調しました。
(14面につづく)
同性婚導入へたたかい続く
性的少数者のカップルの関係を自治体が公認する「パートナトシップ制度」について、香川県内では、2020年1月に三豊市が初めて導入したのをはじめ、今年9月までに15市町が導入。残る直島町も来年4月を予定。2018年2月に、一部市議らの「急すぎる」との声で、準備されていた要綱案が棚上げされていた丸亀市は、包囲される中で来年1月導入の運びとなったのです。
松永恭二市長は15日の市議会答弁で、21年の市長選で統一協命(世界平和統一家庭連合)の関係者から応援を受けたことや、市議だった17年1月に知り合いの依頼で統一協会の関連行事に出席したことなどを明らかにしています。今後は、統ー協会とその関連団体とは「いっさいの関与を持たない」と答弁しました。しかし、その後に本紙が指摘したように、政務活動費を使っての、統一協会の月刊誌購読が明らかにされました。みずからすべてを明かにした上で、「いっさいの関与を持たない」と言っているわけではありません。
また統一協会との関係を仲立ちした「知り合い」については、「個人名はいえない」として、15日の市議会でも明らかにしませんでした。
県内すべての某礎自治体が制度を導入したからといって、これでよしというわけにはいきません。
「転居したときに、改めて一から手続きをしなくて済むように、香川県が県単位でパートナーシップ制度を導入してほしい」というのは、三豊市で制度を利用し、「結婚の自由をすべての人に訴訟(同性婚訴訟)」の原告でもある田中昭全(あきよし)さんです。
「パートナーが丸亀市出身。18年にも制度を始めるという約束で行政側と意見交換を重ねていたのに、先送りにされたのは詐欺にあった気分だった。不服はあったが、パートナーと暮らすことになった三豊市でアクションを起こして、県内で最初の導入自治体になった」とこれまでのとりくみを語ります。
香川県内の自治体によるパートナーシップ制度に関しては一段落つきましたが、香川県によるパートナーシップ髄度や国による同性婚の導入をめぐるたたかいはまだまだ続きます。水面下での統ー協会の動きを明らかにしていくことが避けて通れません。 (つづく)
富山市議会 旧統一教会や関係団体との関係断ち切る宣言の決議
NHK NEWS WEB 2022年月9月28日
富山市議会は「世界平和統一家庭連合」、旧統一教会の問題をめぐって、政策立案の判断などに影響が及んでいないかそれぞれの会派がこれまでの関係を調査することや、旧統一教会や関係団体と今後一切の関係を断ち切ることを宣言する決議を全会一致で可決しました。
富山市議会は最終日の28日に本会議が開かれ、旧統一教会や関係団体と今後一切の関係を断ち切ることを宣言する決議を全会一致で可決しました。
決議ではそれぞれの会派が旧統一教会や関係団体とのこれまでの関係を調べ、政務調査活動や政策立案の判断に影響が及んでいないか調査するとしています。
調査結果は会派で取りまとめ議会として公表するとしています。
このほか、霊感商法などによる被害者への支援策を強化することなどを政府に求める意見書も全会一致で可決しました。
(中 略)
決議が可決されたことを受けて富山市議会の鋪田博紀議長は「社会的に問題のある団体の行事に議員が参加しないことや、事前に団体との関係がわからない行事であっても内容を精査して、影響をしっかり排除していくという基本姿勢が大事だ。また、団体の活動に参加していた人が地域や社会から孤立することがないようしっかり取り組んでいく必要があると思う」と話しています。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。