2022年9月23日金曜日

統一教会問題 自民党が陥った無間地獄/反転攻勢を狙うも打つ手ナシ

 岸田政権がとめどない支持率の低下を来たしている理由として、国葬の強行、政権党と統一教会問題への対応の曖昧さ、物価値上がりや新型コロナへの無対応などが挙げられています。要するに「丁寧」なのは言葉だけで、岸田首相には国民の声に耳を傾ける姿勢がないことがいまや国民に知れ渡ったということです。
 日刊ゲンダイはその中でも重大な統一教会問題については、自民党は打つ手なしの無間地獄に陥っているという記事を出しました。2つの記事を紹介します。
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自民党が陥った旧統一教会問題の無間地獄…新たな“接点”追加公表方針の今さら
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 予想通り、これは終わりのない無間地獄になるのではないか。自民党議員と旧統一教会との「関係」について、自民党が再度、公表することになった。
 自民党は2週間前、所属議員と旧統一教会との「接点」調査の結果を発表したばかりだが、その後、木原官房副長官など、報告漏れが次々に発覚したため、追加で報告された接点について改めて公表するという。20日、茂木幹事長が記者会見で明らかにした。
 自民党のいいかげんな調査結果に対して国民の不信が強まり、さすがに茂木も追加発表せざるを得なくなった格好だ。しかし、追加発表をくり返しても、国民の納得は得られない可能性が高い。

 自民党は8日、所属議員379人のうち179人が旧統一教会と接点があったと点検結果を発表している。しかし、自民党の点検調査は、もともと教団との関わりを小さく見せようとしたものだ。質問項目も「教団主催の会合に出席したか」「選挙で支援を受けたか」など8項目に絞られ、氏名の公表も制限された。
 「岸田首相は『名前は全員出した方がいい。野党は祝電レベルでも出している』と主張していたのですが、茂木幹事長が『全部、公表したら後からこれも漏れているとなった場合、説明がつかない』と反対し、結局、氏名が公表されたのは121人だけでした。この時点で国民は、調査結果の信憑性に疑念を抱いたはずです。そのうえ、案の定、後から統一教会との関係が発覚する自民党議員が続出した。やはり最初から党が責任をもって調査し、包み隠さず、すべて公表すべきだった。国民の不信を招いたのは、矮小化を図った茂木幹事長の戦略ミスですよ」(自民党関係者)
 とうとう、岸田内閣の支持率だけでなく、自民党の支持率も下落しはじめている。ところが、茂木幹事長はさほど痛みを感じていないのではないか、という見方が出ている。
「もし、岸田首相が退陣となったら“ポスト岸田”の最右翼は、茂木幹事長だとの声があります。実際、任期途中で総裁が代わる場合は、本格的な党員投票は行われず、実質、議員投票で新総裁が選ばれるので、茂木幹事長が選出される可能性があります」(政界関係者)
 この調子では、自民党の「旧統一教会問題」は、いつまでも続くだけだ。


岸田首相は反転攻勢を狙うも打つ手ナシ…旧統一教会ズブズブ閣僚をクビにできないワケ
                          日刊ゲンダイ 2022/09/21
 「何をやっても批判される」──。自民党関係者からはこんな嘆き節が聞こえてくる。確かに、台湾で発生した大地震と、日本に上陸した台風14号への岸田首相の対応を巡って、SNSでは批判が飛び交っている。もともと自民党に手厳しい左派のみならず、好意的なはずの右派からもブーイングが上がっているのだ。やることなすことが批判を招き「四面楚歌」状態。反転攻勢を狙っても打つ手ナシ。もはや八方塞がりだ。
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 18日に台湾で起きたマグニチュード6.8の地震では、建物倒壊や列車脱線など甚大な被害が出たが、19日夜時点で岸田首相はメッセージを出していない。
 この反応に、ツイッターの“右寄り”アカウントから《2018年の台湾地震の時、安倍総理はすぐにメッセージを(SNSに)掲載》《岸田総理は安倍総理の背中から何を学んできたのやら》との批判が飛んでいる。「反中国」を鮮明にし、台湾に寄り添った安倍元首相を引き合いに、岸田首相の“塩対応”をディスった格好だ。
 一方、国内で発生した台風14号に関する関係閣僚会議に、岸田首相が防災服姿で出席したニュースについて、“左寄り”のアカウントからは《防災服コスプレで「やってる感」》といった批判が上がる。右からも左からも攻撃されている状況だ。
 自民党と旧統一教会の蜜月関係を巡っては、政権支持層が不満を鬱積させている。共同通信の世論調査(17、18日実施)では、岸田首相本人が「教団との関係を断つ」と宣言したことに、自民党支持層の66.8%、公明党支持層の82.7%が「関係を断つことができない」と懐疑的な見方を示した。
 政界でも、野党のみならず与党内から岸田首相へのバッシングが続出。公明党の山口代表は、教団との関係を断つという自民の方針が「信用されていない」とした上で「国民に伝わる説明をしていただきたい」とチクリ。自民党内からも「来春の統一地方選で結果が出ないと、岸田首相の求心力は消える」「総理の対応は後手後手だ」と批判が相次いでいる。

ズブズブの閣僚を切りたくても切れない理由は?
 岸田首相本人は、この四面楚歌の状況を何とか打開したいと考えているようだ。「総理は本音では『問題閣僚のクビを切って“みそぎ”を演出したい』そうだ」と言うのは、ある官邸事情通だ。
「総理は、教団とのズブズブ関係を指摘されている閣僚を切れば『国民の留飲は下がる』と考えているといいます。筆頭は、教団との関係を度々指摘されている山際経済再生相。山際さんは、党内で人望がない甘利前幹事長が閣内に押し込んだ“甘利印”。クビを切っても党内の異論は抑え込めると踏んでいるようです。
 しかし、山際さんのクビを切ると、同じく『ズブズブ』と指摘される萩生田政調会長も『セットで切るべき』と突っ込まれる可能性が高い。安倍元総理のお気に入りだった萩生田さんを切れば、安倍派から突き上げを食らうのは必至。とてもクビは切れません。そもそも、教団との接点が確認された閣僚は8人もいる。1人でも切れば『アイツもコイツも辞めさせるべき』と指摘されかねません。切りたくても切れない状況です」

 岸田首相は7月の参院選で勝利し「黄金の3年」を手に入れたはずだが、3カ月も経たないうちに窮地だ。