2022年9月9日金曜日

徹底追及 統一協会 国会論戦編 2/議員と教団の関わりは安全保障上の問題

 しんぶん赤旗のシリーズ「徹底追及 統一協会」の国会論戦編2です。19784京都府知事選で勝共連合が引き起こした選挙違反の数々や、教団が高額の高麗ニンジン茶や大理石のぽを買わせるだけでなく、年金暮らしの人には年金受給日を支払日にしてローンを組ませるなどした悪質な行為が国会で明らかにされました。

 それとは別にジャーナリストの高野孟氏は「永田町の裏を読む」のコーナーに「議員と教団の関わりは国家安全保障上の深刻な問題である」とする記事を載せました。併せて紹介します。
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徹底追及 統一協会 国会論戦編 2
        被害額初めて公に 反社会的な手口
                        しんぶん赤旗 2022年9月8日
 統一協会は教義を記した『原理講論』で、「日本はサタン(悪魔)側の国家」「あらゆる民族の言語は韓国語で統一」などの特異な主張を展開。ところが日本語版では、布教に都合の悪い核心部分を削除していました。日本共産党は1978年5月8日付「赤旗」で韓国の原書と日本語版を照らし合わせて削られた記述を明らかにし、統一協会の謀略的本質を暴露しました。

答弁不能に
 同年5月12日の衆院決算委員会で安藤巌議員は福田赳夫首相にこの事実を突きつけ、統一協会の主張に基づく活動を放置すべきではないとただしました。首相は「細かいことを聞かれても答えようがない」とまともに答弁できませんでした。
 同年6月1日、正森成二議員は衆院地方行政委員会で、統一協会の政治組織、国際勝共連合が自民党の別動隊として京都府知事選(同年4月)で引き起こした選挙違反の数々を告発。開祖・文鮮明の講演を引いて「日本の法に引っかかっても神の法には引っかからない″と選挙違反をやるような団体と一線をさなければ、わが国の法秩序は維持できない」と喝破し、県知事時代に勝共連合の大会に祝賀メッセージを送った加藤武徳国家公安委員長を追及しました。
 加藤氏は「メッセージを打った記憶はない」としつ 「法は守るべきで警察も厳正公平に対処する」と答えざるを得ませんでした。

相談し解決
 統一協会が日本で物品販売や献金で集めた資金を、韓国の統一協会本部に送金する-。統一協会は『原理講論』や幹部の著書で日本から韓国への資金的貢献を正当化しました。78年6月13日の参院地方行政委員会で神谷信之助議員は、この構図を裁判記録から明らかにしました。
 神谷議員は、統一協会の幹部が多額の小切手を不法に国外に持ち出したとする外為法違反事件の判決文(77年1月)の中で「教義や思想面については韓国側が指導的立場に、活動の資金面では日本側が支援的立場に立つ」としていることを指摘。あわせて各地で党に相談が寄せられ、救済した具体的な被害の手口を紹介ました
 -リウマチの高齢者に「病気が治る」といって高額の高麗(こうらい)ニンジン茶や大理石のぽを買わせた。党県議が県当局に働きかけ、統一協会関連企業「世界のしあわせ」の代理店を当局が呼び出して指導した結果、60万円を取り戻した。(滋賀)
 -年金生活の夫帰宅を訪れ 「顔色が悪い」などといってニンジンエキスを5万円で売りつけた。さらにつぽを質わせようと年金の受給日を支払日にしてローンを組ませた。党が街頭宣伝で統一協会の不当な手口を批判すると、販売業者はつぽを引き取りにきて契約を破棄した。(埼玉)
 70年代後半~80年代に一大社会問題となった霊感商法の被害額を国会で初めて明らかにしたのが日本共産党の質問です。88年4月19日、衆院商工委員会で藤原ひろ子議員の質問に対し経済企画庁84年度から88年1月末までの霊感商法の被害150億円を超えると答弁しました。 (肩書などは当時) (つづく)


永田町の裏を読む 高野孟
議員と旧統一教会の関わりは国家安全保障上の深刻な問題である 
                           日刊ゲンダイ2022/09/08
 自民党は、所属の全国会議員に旧統一教会との関わりを申告するよう求めたが、9月2日に締め切って6日に集計結果を公表するとの予定を延期することにした。
 理由は「あいまいな記述が多く、確認作業が発生しているため」と言うが、議員本人の自己申告に委ねてしまえば、こうなるのは分かりきっていた。本人にしてみれば、できるだけ関わりを少なく見せたいのは当然で、歴然と証拠が残っていて言い逃れようのない場合以外は「思い出せない」ことにして済ませたい。
 ところが党執行部としては、「はい、そうですか」と額面通りに受け取って公表した後に週刊誌などに新事実を掘り出され、「嘘をついた」と責められるケースが続出しかねないので、議員本人に「他にはないだろうな」と確認を繰り返すのだろうが、これは果てしもないことになる。

 最初から党の機関もしくは部外の専門家を入れた第三者委員会による切開手術的な調査にすべきだったのに、それを避けたのが間違いの始まりである。
 百歩譲って、このやり方でうまくいったとしても、公表されているアンケート用紙の8項目では肝心要の問題が抜けている。私が本欄で繰り返し強調しているように、統一教会は単なる反社会団体ではなく、韓国に本拠を置く反日団体、もっと言えば反日謀略工作機関であり、その工作員を各議員が選挙態勢の中に引き入れることによってどのレベルの情報がどれだけ筒抜けになったのかを究明しなければならない。

 電話係をやれば貴重な名簿が手に入る。選挙カーや議員の移動用の乗用車の運転手になれば、陣営内部の会話や議員個人の通話まで聞くことができる。さらに踏み込んで秘書になってしまえば事務所の内情が分かるし、議員の役職によってはそこで扱う重要情報を盗み出すこともできるだろう。
 議員の皆さんは「反共思想で一致した」ので気を許したと言うけれども、仮にこれが反共を装った極左の秘密戦闘員だったらどうするのか
 この問題の本質は、外国由来の工作員が組織立って自民党の内部に深く浸透して情報を得たり政策に影響を与えたかもしれない国家安全保障上の由々しき事態ということにあり、そういう危機意識も警戒心も何もないノーテンキで無防備な議員本人に「どうですか」と聞いて済むような話ではないのである。

高野孟 ジャーナリスト
1944年生まれ。「インサイダー」編集長、「ザ・ジャーナル」主幹。02年より早稲田大学客員教授。主な著書に「ジャーナリスティックな地図」(池上彰らと共著)、「沖縄に海兵隊は要らない!」、「いま、なぜ東アジア共同体なのか」(孫崎享らと共著」など。メルマガ「高野孟のザ・ジャーナル」を配信中。