12日に国会内で開かれた野党ヒアリングで、信者2世の被害者(元信者)から被害の実態などを聞き取りました。また政府が設置した合同電話相談窓口の利用状況について、法務省から報告がありました。
被害者のはやしさん(仮名)は、両親が3000万円を超える協会の本などを購入し、現在も借金を抱えていて同じ信者2世の間で「今後働けなくなってからお金で苦しむ人は増えると思う」と述べました。
未来さん(仮名)は、1億円以上あった祖父の遺産のほとんどを両親が献金したため「協会に返金を求めたが、本人(両親)が返金を求めていないこともあり放っておかれている」と語り、協会の活動中に強制わいせつ被害にあったことも告白しました。
法務省が1か月間に限定して行っている合同電話相談窓口には、8日までの4日間で796件の相談が寄せられました。ただ93回目の電話でようやくつながるなど非常に混雑しているようで、前記の未来さんは「常設してほしい」と求めました。しんぶん赤旗が報じました。
それとは別に木原官房副長官が16年12月に統一教会関連会合に出席していたことが分かりました。先に自民党が行った点検表には記載しなかったのですが、外部からの指摘を受けて判明したということです。毎日新聞が報じましたので併せて紹介します。
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政府相談4日で796件 統一協会 2世元信者、被害訴え 野党国対ヒアリング
しんぶん赤旗 2022年9月13日
統一協会(世界平和統一家庭連合)問題に関する野党国対ヒアリングが12日、国会内で開かれ、元信者で2世の被害者から被害実態などを聞き取るとともに、政府が設置した合同電話相談窓口の利用状況について法務省から報告を受けました。
被害者のはやしさん(仮名)は、両親が3000万円を超える協会の本などを購入し現在も借金を抱えていると述べ、「高額献金の被害者は私の親くらいの世代が多い。今後、高齢で働けなくなり、お金で苦しむ人は増えると思う」と指摘。「2世に信教の自由はない。生まれたときから絶対信仰・絶対愛・絶対服従と教えられる」と強調しました。
未来さん(仮名)は、1億円以上あった祖父の遺産のほとんどを両親が献金したと語り、「協会に返金を求めたが、本人(両親)が返金を求めていないこともありほうっておかれている」と告発。協会の活動中に強制わいせつ被害にあったことも告白しました。
法務省の担当者は、合同電話相談窓口の受付状況について、5~8日までの4日間で受けた相談件数は796件だと報告しました。
野党議員は、相談窓口を利用した被害者のリポートでは「(電話を掛けた際に)かけ直しを連打して93回目でようやくつながる状況だった」「統一協会問題に詳しい弁護士は都心部に集中している」などの問題が浮き彫りになっていると指摘しました。法務省の担当者は「改善に努めていく」と述べました。
日本共産党の宮本徹衆院議員は「相談窓口の期間は1カ月だけでいいのか」と質問。はやしさん、未来さんは「常設してほしい」と求めました。
木原官房副長官、旧統一教会関連会合に出席 自民調査に報告漏れ
毎日新聞 2022/9/13
木原誠二官房副長官は12日夜、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体が主催した2016年12月の会合に出席していたと発表した。外部からの指摘を受けて判明したとしている。自民党が既に実施した調査には報告しておらず、党に追加で報告した。
木原氏によると、会合はアジアの安全保障環境をテーマとするパネルディスカッション。木原氏はこれまでに、秘書が関連団体の会合に出席したことや、その際の会費の支出、地元国政報告会に関係者が参加した可能性があることは党の調査に回答していたと説明した。今回の報告漏れについて「事務所で調査した際、主催団体名が記録にも私の記憶にも残っていなかったため、旧統一教会との関連性を想起することができなかった」と釈明している。
一方、今回のパネルディスカッションについては、案内状など関連資料が事務所に残っておらず、旧統一教会関連団体の主催との認識もなかったという。
自民党は8日、党所属国会議員と旧統一教会との関係について、調査結果を公表。対象となった379人中179人が何らかの接点があったとし、関連団体の会合に出席するなどした121人については氏名を公表した。木原氏は氏名公表の対象になっていなかった。
木原氏は衆院東京20区選出で当選5回。岸田文雄首相が率いる岸田派に所属し、岸田政権発足当初から官房副長官を務めている。
木原氏が旧統一教会との接点を自民党に新たに報告したことを受け、立憲民主党の泉健太代表は13日、8日に自民が公表した点検結果は「氷山の一角に過ぎない」と指摘し、自民に所属国会議員の再調査を求めた。【安部志帆子】