統一教会の韓鶴子総裁は、「日本の統一教会組織は最後の陣痛を経験している。指導者たちは恐れるな、強く大胆に出て行け。悶着は過ぎ、希望に満ちた新日本が誕生するだろう」とのゲキを飛ばしたということです(8月18日)。日本の組織は献金総額の大半を占めているので、それが批判の対象になるのは韓国本部にとっても文字通り死活問題なのでしょう。
そもそも韓国では統一教会は実質的に宗教団体とは認められていないので、集会やデモに参加するのは日本から集団結婚で韓国に渡った女性信者だということで、すべては日本に依拠しているわけです。日刊ゲンダイが伝えました。
ところで統一教会は22日、陣容を変えて3回目の記者会見を行いましが、相変わらず悪辣な献金の実態を認めず、言葉づらだけの釈明だったようです。今回脇役として登場した福本弁護士は、検事時代に信者であることが発覚して法務省内部で大問題になったことがある人物だそうですが、ナント記者の質問に激高したということです。同紙が別の記事で取り上げました。併せて紹介します。
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窮地に立たされた旧統一教会なりふり構わず反撃開始! 国連まで巻き込み沈静化に必死
日刊ゲンダイ 2022/09/23
旧統一教会(現・世界平和統一家庭連合)が反転攻勢に出ている。20日には関連団体「UPF」(天宙平和連合)が一部メディアに対し、公開質問状を送付。〈家庭連合は「反社会的団体(反社会的勢力)」に当てはまると考えますか〉など4つの質問に答えろというものだが、意図が分からないばかりか、むしろ余計イメージが悪くなり、逆効果だろう。さらに21日は「教会改革の方向性」と題した文書を報道機関に送り付けた。追い詰められて、なりふり構わなくなってきた。
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「日本が最後の陣痛を経験している。指導者たちは恐れるな、強く大胆に出て行け。悶着は過ぎ、希望に満ちた新日本が誕生するだろう」
韓鶴子総裁(79)が韓国・清平の教団施設で在韓日本人信者を前に、こんなゲキを飛ばしたのは8月18日のこと。韓国で暮らす日本人女性信者7000人のうち、3000人が動員され、同日午後、バスに分乗してソウル市内に移動。「家庭連合に対するヘイトスピーチをやめよ!」と書かれたプラカードを掲げ、抗議デモを行った。
9月7日には韓国の旧統一教会が、国内の新聞13紙に意見広告を掲載。旧統一教会に批判的な番組を放送した「韓国MBCテレビ」と「全国霊感商法対策弁護士連絡会」(全国弁連)を糾弾した。
旧統一教会が反撃に出た背景には、「天一国(神様の理想が完成した国)の中央庁」と位置づける「天苑宮」の建立を来年5月に控えていることがありそうだ。総工費約300億円といわれる一大プロジェクトを完結させるため、教団は信者に1家庭当たり183万円の献金を求めている。韓鶴子総裁の年齢と創始者の故・文鮮明が生きていれば来年103歳になることから、足して183万円の金額になった。
「183万円はあくまで目安です。献金しましょうというよりは、教祖ご夫妻に対する思慕の思いです」(世界平和統一家庭連合広報部)
国連で人権侵害をアピールか
全国弁連の渡辺博弁護士がこう言う。
「天苑宮は統一教会にとって、世界の政治の中心であり、世界中の名だたる政治家がここを訪れて学びの時間を持つ場です。これを完成させることは統一教会、信者にとって今の最大の目標です。急ピッチで天苑宮建設の献金集めが行われていました。そんなさなか、安倍元首相銃撃事件をきっかけに、あらためて教団の問題点が浮き彫りになった。韓鶴子総裁が在韓の信者を集めて、メッセージを発信したのも焦りの裏返しです」
だからなのか、韓鶴子総裁は「日本で我々の側に立つ弁護士がいない。国連でやるしかない」と発言したという。
「これまで統一教会は多額の資金を使ったり、ロビー活動を通じ、国連が認可する団体、例えば世界平和女性連合など、国連の庇護のもとに伝道活動や宣伝をしてきた。脱会者の拉致監禁、人権侵害が行われていることを国連の機関で発表してきたのです。今回も国連を使って、『今、日本で宗教迫害が行われている』とアピールする狙いでしょう。韓鶴子総裁の発言を受け、日本の統一教会は急きょ、8人の日本人弁護士をかき集めたようです。反撃に出る準備を整えたと漏れ伝わってきます」(渡辺弁護士)
事態を沈静化させようと必死なのだろう。
旧統一教会会見での激昂ぶりに視聴者もドン引き…福本修也弁護士ってどんな人?
日刊ゲンダイ 2022/09/22
世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が22日、記者会見を開き、日本テレビ系「情報ライブ ミヤネ屋」(月~金曜)などが生中継した。会見には「協会改革推進本部本部長」の勅使河原秀行氏と福本修也弁護士が出席した。
勅使河原氏といえば、当時の新体操選手・山崎浩子さんと合同結婚式で“祝福”を受ける予定だった相手。久々の登場にネットはざわついたが、SNSでは、隣に座った福本弁護士の言動を指摘する声が相次いだ。勅使河原氏に比べて、記者の質問に度々声を荒げ、怒りに任せて回答する様子が印象的だったからだ。
《宗教のことは良く分からないけど、統一教会の弁護士の横柄な態度が、「これが統一教会なんだな〜」って感じだった》
《福本修也弁護士のほうがガチ信者っぽいな?? この会見の意味や空気を理解していないようだ。》
《弁護士のくせにこんなに激高してよいの? 見苦し福本修也弁護士》
《福本修也弁護士の態度は完全に相手を威圧し話せなくさせることを意図したものだな。怒りやイライラ感を隠さない。質問してる記者の声も震えてるし…。旧統一教会は反省はしてない。解散命令逃れの上辺の謝罪で、話せば話すほど傲慢さが露わになる。》
福本弁護士とはどんな人物なのか。1988年東大法学部卒業後、同年司法試験合格。2000年に検事を退官し、弁護士を開業している。08年に福本総合法律事務所を開設している。
福本弁護士について、ジャーナリスト有田芳生氏のブログ「有田芳生の『酔醒漫録』」(08年10月28日付)ではこう綴られている。
「さて福本修也〈統一教会信者〉弁護士である。検事時代に信者であることが発覚、法務省内部で大問題になったことがある。保岡興治前法務大臣との関係など詳細の公表は先送りする。なぜなら週刊誌が記事にする動きがあるからだ。ここでは一点だけ書いておく。稲見友之(保岡氏の同級生)弁護士が所長を務める平河総合法律事務所から福本弁護士が独立したのは、折り合いが悪くなったからだという。稲見氏が教団の顧問弁護士になったのは保岡氏に頼まれたからであって、非信者の稲見氏にとっては統一教会員の福本弁護士は好ましくない存在だったようだ。」
福本弁護士は教団の正当性を訴えたかったのだろうが、視聴者には裏目に出たようだ。
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。