2022年9月1日木曜日

被害家族から実態聞く 党統一協会問題追及チーム

 共産党国会議員団は30日、「統一協会問題追及チーム」の第5回会合を開き、霊感商法の被害にあった家族から被害の実態を聞きました。
 母親が1億7000万円もの献金をしたと訴えた大阪府に住む50代の男性によると、04年ごろ統一協会員が来訪し、初めは庭の植物を褒めたり、世間話をするうちに何度も来るようになり、親しく感じた母はある場所にうようになりました。
 それで男性が同行するとそこは簡易的な喫茶店のような作りで各家庭の個人的な悩みを相談している感じでした。怪しいと思ったのでそこの女性にもしかして統一教会ではないですか」と尋ねるとそのときは否定され、統一協会だと明かされたのは数カ月後でした。
 男性は母を守るため自身も協会に通い、別のビルにあるビデオセンターに連れて行かれて、創始者・文鮮明の神がかった生い立ちを学んだということです。

 それで母に「このことで家族がどれだけ傷付いてきたか知れないこれ以上行ったら許さない」と言ったのですが、父親が亡くな相続すべき財産を調べたところ、あれだけあったお金が貯金も保険も含めてなくなっていました。様々な献金に加え、つぼ、宝石といった高額商品の購入2015年ごろまで続き、総額は1億7000万円にも及ぶといいます。
 その後7000万円分については返金合意書交わされ今も分割返還中だといます。
 しんぶん赤旗とテレビ朝日ニュースを紹介します。
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被害家族から実態聞く 党統一協会問題追及チーム
                       しんぶん赤旗 2022年8月31日
 日本共産党国会議員団は30日、「統一協会問題追及チーム」の第5回会合を開き、統一協会の霊感商法の被害にあった家族から被害の実態を聞きました。
 辰巳孝太郎元参院議員の紹介をうけ、被害を語ったのは50代の男性Bさん。2004年ごろから統一協会が母親に接近し、総額約1億7000万円の被害にあったと語りました。最初は統一協会であることを隠して接近し、「教会」に連れ出して家庭の悩みなどを聞き出し、やがて正体を明かして高額商品の購入を迫るようになった協会の手口を報告。宝石などのほか、「祈願書」を何枚も書かされ1枚数万円で買わされるなどの被害もあったと語りました。
 父親の死後、遺産相続のさいに貯蓄がないことから被害が発覚。家族間で裁判になり、家の売却が決まった後も協会関係者が母の元を訪れ、最後の保険金も解約させられました。その後、全体の被害額に及びませんが約7000万円分の返金合意書を交わし、今も返還中だと言います。
 Bさんは、協会側は同性愛者で障害があるBさんや父親との関係など家庭の悩みを「先祖の怨念」などとして利用したと怒ります。「教会」で協会関係者が「同性婚反対」と訴える光景も見てきました。Bさんは、家族の関係も壊され、「平常な社会生活も困難になり、誰にも言えない怒りを抱えてきた」と訴えました。

 質疑では自民党の選挙活動について質問が出され、Bさんは、母の話として選挙前に自民党の人が来て投票を呼びかける講演をしていたと紹介。14、15年ごろは自民党支持が強まり「安倍(晋三)首相(当時)がついてくれている」という話が頻繁に出てきたと証言しました。被害根絶にむけた政治の役割については、「自民党と協会の関係をきっぱり切り、きれいな政治に変えなければこの先はない」と訴えました。
 チーム責任者の小池晃書記局長は「被害者家族の苦しみは深い。問題解決のために共産党としても全力をあげたい」と語りました。


母親が旧統一教会に… 接触手口と多額献金 “信者2世”が明かす実態
                       テレビ朝日ニュース 2022/08/30
 旧統一教会を巡り、30日に行われた共産党の追及チームの会合。母親が1億7000万円もの献金をしたと訴えた男性が、教団に勉強のためと見せられたというビデオの内容を明かしました。
 共産党・辰巳孝太郎元参院議員:「ご自身のお母さん、母親が信者となって多額の献金を強要されたということで」
 「最初は旧統一教会だと分からないように近付いてきた」。大阪府に住む男性はそう、共産党の会合で訴えました。
 母親が入信した男性:「初めは庭の植物を褒めたり、世間話をするうちに何度も来るようになり、親しく感じた母は彼らが手相を見てあげるという手に引っ掛かってしまいます」
 男性によると、旧統一教会が母親に接触したのは2004年ごろ。不審に思った男性は母親が通っているという場所に行きましたが…。
 母親が入信した男性:「簡易的な喫茶店のような作りでお茶とお菓子を前に、いらしている方々は神妙な顔つきで各家庭の個人的な悩みを相談している感じ。どうも怪しいなと思ったので、そこの女性に『もしかして統一教会ではないですか』って尋ねると、『いや違う、違う。ここは喫茶店みたいな感じかな』って言うので」
 旧統一教会だと明かされたのは数カ月後。母を守るため、男性は自身も教会に通ったといいます。
 母親が入信した男性:「教会とは違うビルにあるビデオセンターに連れて行って、ビデオで勉強をさせられました。そこで見たビデオは創始者・文鮮明の神がかった生い立ちを教えるんですけど、あるビデオの最後に昨今、政治で問題の『同性婚反対』、もう彼ら(同性愛者)は正しい男女関係、正しい家庭を壊す破壊者、決して許してはいけませんって出てきたんですね」
 「同性婚反対」と言えば…。
 自民党・井上義行参院議員:「正直に言っちゃっていいんですか?同性婚反対ということを。私は普通の政治家と違うんです」
 自民党の井上義行参議院議員が先月、旧統一教会の会合で会場を沸かせた言葉です。
 ただ、母親が入信したという男性。自身が同性愛者だといいます。
 母親が入信した男性:「母に『もう絶対に行くな』と。このことでどれだけ傷付いてきたか知れない家族が言っているんだから、これ以上行ったら許さないと」
 その後、父親が亡くなると新たなことが明らかになったといいます。
 母親が入信した男性:「自然と財産相続の話になります。そこでふたを開けてみると、あれだけあったお金がない、貯金も保険も
 様々な献金に加え、つぼ、宝石といった高額商品の購入は、2014年から2015年ごろまで続き、総額は1億7000万円にも及ぶといいます。
 全国統一協会(教会)被害者家族の会によると、安倍元総理の銃撃事件前の6月は8件だった相談件数が、先月にはおよそ12倍の94件に急増したといいます。
 一方、霊感商法などの対策を話し合う消費者庁の有識者検討会は29日、初会合が開かれました。
 消費者担当・河野太郎大臣:「できれば毎週2回やっても一向に構わない。スピード感というよりは、スピードを上げていきたい」


統一協会の実態を告発 カルト・反共 自民が利用
『サンデー毎日』掲載 小池書記局長インタビュー
                       しんぶん赤旗 2022年8月31日
 『サンデー毎日』9月11日号(8月30日発売)の「倉重篤郎のニュース最前線」で、「『旧統一教会と共産党』知られざる50年暗闘史」「自浄作用なければ自民党内閣は崩落する」との見出しで、日本共産党の小池晃書記局長のインタビューが掲載されています。
 インタビューの冒頭、「毎日」の倉重専門編集委員は、「本稿では共産党の小池晃書記局長に登場願う」として「(教団について)どこよりも知悉(ちしつ)、その裏面史に対する造詣も深い」と紹介しました。
 小池氏は、統一協会の“二面性”として、「一つは、霊感商法、高額献金、集団結婚という反社会的なカルト集団としての側面であり、もう一つは『国際勝共連合』という反共・謀略組織としての存在、活動だ」と指摘。その上で、米ソ冷戦を背景として、統一協会の反共・反動の「政治活動」を自民党が利用してきた実態を告発しました。
 小池氏は、ソ連崩壊後も統一協会には、「安倍政権の改憲路線への後方支援や、ジェンダー平等、選択的夫婦別姓制度、同性婚の法制化など市民運動が大きく広がってきた中で、それを叩(たた)くという新たな役割が付与されている」と指摘。この二面性に問題の根深さがあり、「そう見ないと、なぜ政権与党たる自民党が、反社会的カルト集団とかくまでつながってきたか、すぐには断交できないか、という事の本質、全体像が見えてこない」と強調しました。
 小池氏は、共産党は統一協会=勝共連合と不倶戴天(ふぐたいてん)の敵として半世紀以上たたかってきた蓄積があると述べ、「私も80年代以降キャンパスで原理研(旧統一教会系学生サークル)と対峙(たいじ)する自治会運動からのスタートだ」と振り返り、「この問題を徹底的に深く掘り下げることができるのは私たちではないか、と自負している」と語りました。

 「岸田文雄首相に問題の解決ができるのか」と問われ、小池氏は「やらないとずるずる支持率が落ちるだけだ」と指摘。安倍晋三元首相と教団との深い関わりについて「このことを曖昧にしたまま国葬と言っても納得する人は少ない」と断じました。