2022年9月5日月曜日

徹底追及 統一協会 信者2世編(下)(しんぶん赤旗)

 シリーズ「徹底追及 統一協会 信者2世」の(下)です。信者2世の女性が集団結婚した結果がどのような生活だったのかについて紹介していますが、とても常識では理解できない話ばかりです。信者2世編は今回で終わります。
 併せてしんぶん赤旗の記事「統一協会関係者 下村議員のパー券購入 12~14年複数回、15年に名称変更」を紹介します。
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徹底追及 統一協会 信者2世編(下)
        避妊を禁じられ DV「神の試練」
                       しんぶん赤旗 2022年9月04日
 天井にはシャンデリア、床には毛足の長い高級そうなじゅうたん。左側に女性、右側に男性が並ぱされ、統一協会(世界平和統一家庭連合)の開祖、文鮮明が指をさし、集団結婚の相手を決めていきます
 文鮮明のには妻の韓鶴子現総裁が会場の韓国・清平修錬院(当時)にはピリピリと張りつめた空気が漂います。1世信者の場合は20代の女性に50代の男性が選ばれることも。
 Åさんは数十年前に統一協会で集団結婚をしました。

神の子扱い
 両親が集団結婚した信者で、幼いころから信仰を強要されていました。統一協会内では、集団結婚をした信者同士の子どもは「祝福2世」と呼ぱれ、「神の子」扱いされます。
 信者になると、神の愛にふれたという責任で、信仰を広げなければなりません。2世が3世を生み、祝福結婚をさせないと『失敗』とされます
 Aさんの夫はマッチングで初めて会った年下の韓国人でした。
 統一協会では「コンドームやピルを使ってはいけない」と教えられたといいます。避妊が禁止されていることをAさんが知ったのは、祝福を受けることになってから。それまでは「純潔」を守らせるため、性的な話を聞いたことがほとんどありませんでした。
 仕事が決まちないまま、夫は来日します。
 「私が妊娠してしまうと、家計を担う人がいなくなってしまうので、避妊できないというのは本当に不安でした」
 Aさんの貯金を取り崩しながら生活していました。人で産婦人科に行き、ピルを飲みました
 知り合いの信者には、毎年のように妊娠し、何人も子どもが産まれ、統一協会から逃げる機会を失ってしまった人もいます。
 「『仕事を辞めたくなかった』という声も聞いています。統一協会で女性は、自分の体についての決定権がありませんでした」
 夫は毎日のように性行為を強いました。Aさんが拒むと、「どれだけみじめなことか分かるか」と泣いて暴れました。Aさんを追いかけまわし、転ばせ、暴力をふるうことも。精神的に追い詰められていきました
 ある日、家に帰ると破られた夫の名刺と折られた携帯電話が床に。「嫌だったけれど受け入れるしかなか」と振り返ります。

心が壊れた
 先に壊れたのは子どもの心でした。
 学校から、「手に負えない」と連絡がありました。駆け付けてみると、机の下で鉛筆を食べたり、消しゴムをちぎったりする子どもの姿が -。
 それでもAさんは自身がDV(ドメスティックバイオレンス)にっていると気づけなかったといいます。暴力について相談しても、親は「神が与えた試練」「あなたの愛で彼を変えなさい」と言い放ちました。統一協会では離婚はタブーで、祝福結婚を壊すことが大きな罪だと信じ込まされていたからです。
 Aさんは振り返ります。 「通院していた医者がDVだと気づかせてくれ、『嫌だと思ってよかったんだ』と分かりました。弁護士に相談し、離婚できました。女性にとって地獄のような環境でした」 (信者2世編 おわり)


徹底追及 統一協会 
統一協会関係者 下村議員のパー券購入 1214年複数回、15年に名称変更
                        しんぶん赤旗 2022年9月4日
 統一協会(世界平和統一家庭連合)が名称変更を認証されたときの文部科学相だった下村博文衆院議員(自民党)の事務所の内部資料から、同協会関係者が下村氏の政治資金パーティー券を複数回購入していたことが3日、分かりました。下村氏や自民党は同協会と関係を絶つとしていますが、これまでの支援と関係について明確な説明が求められます。(統一協会取材班)
 下村事務所の内部資料はジャーナリストの森功さんから提供を受け、本紙が分析したもの。資料は2012~14年に作成したとみられ、パーティー券の入金リストなどが含まれています。
 パーティー券の入金リストによると、統一協会系の日刊紙「世界日報」の政治部長だった人物から13、14年に計4万円の入金があったとしています。また統一協会がつくった政治団体「国際勝共連合」の会計責任者と同じ名前の人物が12~14年に計6万円を払ったことになっています。
 政治資金規正法では20万円以下のパーティー券購入は政治資金収支報告書に記載義務がありません。このため統一協会関係者が下村氏のパーティー券を購入したことは、収支報告書に記載されていませんでした。
 統一協会は下村氏が文科相だった15年に、名称変更を申請し認証を受けました。文化庁宗務課は、それまで名称変更の申請を拒否してきたことから、突然の方針変更の背後に政治的圧力があった疑いが出ています。
 下村氏はこれまでも、同氏が代表の自民党東京都第11選挙区支部に世界日報社から16年に6万円の献金があったことが判明しています。統一協会は霊感商法や高額献金などで被害を広げてきました。協会関連団体などから資金提供を受けることは、被害者の資金が還流したことになります。
 下村氏に事実関係を質問しましたが、回答はありませんでした。










(写真)下村元文科相の事務所内部資料には、13、14年に「世界日報」政治部長をした人物からパーティー券代の入金があったことが記されています(一部加工)