2022年9月4日日曜日

徹底追及 統一協会 信者2世編(上)/自民と統一協会 危険な二人三脚

 シリーズ「徹底追及 統一協会 信者2世」の(上)です。

 Aさん(40代)は幼いころ、アパートと一軒家を合わせた建物に若い女性ら数十人が共同生活を送施設で家族と一緒に暮らしていました。両親集団結婚した信者の子どもは。統一協会内では「祝福2世」と呼ばれ「神の子」扱いをされましたが、その実態は、親がすぐにいなくなるため、食事に事欠いて空腹に耐えかね、不潔な環境に耐えかねるという悲惨なものでした。
 併せてしんぶん赤旗の記事「自民党と統一協会スパイ防止法めぐり呼応 戦争できる国へ危険な二人三脚」を紹介します。
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徹底追及 統一協会 信者2世編(上)
        親帰らず空腹に耐えかね
                       しんぶん赤旗 2022年9月03日
 数十年前の関東の一角にある統一協会(世界平和統一家庭連合)の施設 ー。いました。食堂には共用の大きな冷蔵庫。食べ物すべてに、住人の名前が記されていました。
 Aさん(40代)は、幼いころ、家族と一緒にこの施設で暮らしていました。両親は集団結婚した信者。統一協会内では「祝福2世」と呼ばれ「神の子」扱いでした。

本でたたく
 「地上に天国をつくる」。そうて親が何日も帰っでこないことが、頻繁にありました。
 食事の用意もなく、お金ももらえなかったAさん空腹に耐えられず、冷蔵庫にある他人のヨーグルトを食べてしまいました。
 それが見つかると「神の子が盗みを働いた」とおとなたちは、まるでこの世の終わりのようにAさんを糾弾しました。母親はAさんをピアノの教本やベルトで打ちのめしました。
 「『出ていけ』と言われたり、食事を抜かれたりすることは日常茶飯事でした」
 親がいない時に熱が出ると、だれが医療費を立て替えるかで、おとなたちはもめました。「協会に献金をしているため、みんな貧しかったです。布団に寝ている私の横で、そんな話を聞くのがつらかったです」
 ある日突然、おとなたちが健康用品に凝り出すことも。「光合成をするから風呂の湯を替えなくてもよいという藻」で、1年以上替えませんでした。お湯は、だんだんとろみがかかり、下水道のようなにおいはシャワーを浴ぴてもなかなか落ちませんでした。脱衣所の窓から異臭が漂い、近所からは怪しまれ、学校で「くさい」といじめられました
 施設を出て、家族だけで暮らすようになってからも、親がいきなりいなくなることがありました。親が料理をする姿を見たことがなかったAさん。炊飯器の使い方がわかるはずもなく、きょうだい2人でコロッケーつを割って食べたこともありました。

首筋に包丁
 漫画の禁止や朝5時の礼拝を強いられることに対し、Aさんが「もうやだ」、と訴えたことがあります。母親、「そんな態度なら母さんは霊界へ行く(死ぬ)」と自身の首筋に包丁を押し当てました。
 母親から包丁を突き付けられたことも。友人と恋愛について話していたり、初恋がつづられた日記が見つかったりすると、親が「ここで死ぬか、男と堕落して地獄に行くか選べ」と激高しました。
 そのたぴに、Aさんは「許して、二度とこんなことを考えないようにするから」と謝りました。自分の感情を殺すうちに、何がしたいか、どう生きたいかが分からなくなり無気力になっていったといいます。
 Aさんは言います。「命を盾にした脅しが幼稚園の時からずっとありまじた。統一協会では、子どもの行動次第で『信仰が無駄になる』と常に脅されるからです。家族で進路や恋愛の話がまともにできません。教義により、家庭をまるごと支配されます」 (つづく)
                                (統一協会取材班)

自民党と統一協会
「スパイ防止法」めぐり呼応 「戦争できる国」へ危険な二人三脚
                       しんぶん赤旗 2022年9月03日
 改憲、ジェンダー平等反対、反共とあらゆる致治分野での結託が明らかになってきた自民党と統一協会(世界平和統一庭連合)は、「スパイ防止法」の制定をめぐっても濃い関係をみてい
 1985年に自民党から提出された「国家秘密法案スパイ防止法」は、防衛・外交にかかわる「国家秘密」を外国に漏らした者に死刑を含めた厳罰を下す法律です。協会と一体の勝共連合は、自民党が第1次案を発表する80年よりも前の78年から署名運動や地方議会での制定のための請願運動を全国で継続的に推進しましたが、人権抑圧の内容が明らかになり、同法案は反対世論の高まりと国会論戦によって86年に廃案となりました。

 「スパイ防止法」を制定しようとする動きを国会の場で再び明確に示したのが、協会の関連団体「天宙平和連合」(UPF)に敬意を表します」とビデオメッセージを送った安倍晋三元首相です。当時首相だった安倍氏は2015年の参院予算委員会で、「(特定秘密保護法の)運用状況を見ながら今後考えていきたい」と検討を表明。「スパイ防止法」の必要性について質問した松沢成文参院議員(当時、次世代の党)への答弁です。
 現在は日本維新の会所属の松沢氏も、協会関連団体「世界平和女性連合」(WFWP)のイベントヘの参加や協会系団体の機関紙{世界日報」の取材に応じるなど、会とのかかわりが党内調査で明らかになった人物。質問者と答弁者の両方が協会とかかわりを持っていたことになります。
 最近では、協会系の月刊誌『ビューポイント』に登場していたことが発覚した自民党の高市早苗経済安全保障担当相が、「スパイ防止法に近いもの」を「経済安全保障推進法の中にしっかりと入れ込んでいくことが大事」(6月12日、フジテレビ番組)だと発言しています。
 「スパイ防止法」への執念を燃やす政治家と反社会的カルト団体による「戦争できる国」づくりへの危険な二人三脚を無視することはできません。