2022年12月17日土曜日

立民終焉と中核野党の出現

 岸田政権が9条違反の「大軍拡」に奔り出したというのに、立民党は「反対」を明言しません。世論の動向がそのようでもないと認識しているからでしょう。しかしこの時点で何の意思表示もないのでは野党としての存在価値はゼロです。

 実際は岸田政権の暴走が立民党の正体を暴露したという関係なのでしょう。枝野代表のあとを継いだ「泉代表の立民党」の存在価値はまさしくゼロそのもので、立民の終焉は明らかです。
 健全野党としては共産党があるのですが、現実を見るとどうしても単独では十分な支持を集め切れていません。中核野党の出現が待たれます。
 植草一秀氏が「立民終焉と中核野党の出現」とする記事を出しました。
 その中で植草氏は、17年以降の衆院・参院の選挙で立民党は凋落の坂を転げ落ちていることを明らかにし、それは自ら凋落の道を選択してきたとしか言いようがないと述べています。
 そして立民の「上部組織」の連合がかつて大企業御用組合を指導した「同盟の系譜を引いていることと相俟って泉氏が一段と反共路線に突き進んだ結果本年参院選でさらなる大惨敗を演じたとしています。これでは立民党には何の期待のしようもありません。
 植草氏の記事を紹介します。
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立民終焉と中核野党の出現
              植草一秀の「知られざる真実」 2022年12月15日
衆議院の任期満了は2025年10月。3年の時間がある。
しかし、衆議院の場合、解散が実施されれば総選挙となる。その時期は特定できない。
次の選挙まで時間があると高を括っていられない。
時間があるときに対応せずに、時間がなくなると「時間がない」と言い訳して対応しない。
この悪循環が繰り返されてきた。

現在の野党第一党は立憲民主党。この党に期待を寄せる主権者がどれだけいるのか。
立憲民主党は凋落の坂を転げ落ちている。
立憲民主党の凋落は自業自得。自ら凋落の道を選択してきたとしか言いようがない。
最大の過ちは右旋回して野党共闘を破壊したこと。連合の軍門に下った。
連合会長の芳野友子氏はJAM出身。JAMは連合を支配している6産別のひとつ。
6産別とは電力(電力総連)、電機(電機連合)、自動車(自動車総連)、鉄鋼(基幹労連)、機械・金属(JAM)、繊維・流通(UAゼンセン)のこと。大企業御用組合連合と表現できる。

連合は総評と同盟など4機構が合流して創設された。
現在、連合の主導権を握っている6産別は同盟の系譜を引く。
同盟は民社党の支持母体として1964年に創設された。
この民社党、同盟が強い連携関係を有したのが旧統一協会傘下の国際勝共連合である。
国際勝共連合は韓国のKCIA、米国のCIAと結びついて反共活動を展開してきた。
国際勝共連合の軸足の一つが自民党清和政策研究会に置かれ、もう一つの軸足が同盟、民社党に置かれたと判断できる。

6産別が主導権を握る連合が「反共政策」を主張するのは順当だ。
その勝共活動、反共活動の軍門に立憲民主党が降った。
立憲民主党は昨年10月の総選挙で野党共闘を否定し、共闘するのは国民民主党と連合であると明言した。
野党共闘を支持する主権者は一斉に立憲民主党から離反した。
衆院総選挙惨敗の責任を取って辞任した枝野幸男氏の後継代表に就任したのが泉健太氏。
泉健太氏は一段と反共路線に突き進んだその結果として本年参院選でさらなる大惨敗を演じた。

旧民主党=旧民進党の「立民+希望」、「立民+国民」の比例代表選挙絶対得票率(全有権者数に対する得票数の比率)推移は以下の通り。
  2017年衆院選 200%
  2021年衆院選 137% (立民112%、国民25%)
  2022年参院選  94% (立民 4%、国民30%)
立憲民主党の凋落は目を覆うばかりである。
あろうことか、立憲民主党は維新にすり寄る醜態を晒している

CIAの基本戦略は日本の二大政治勢力体制を自公と第二自公にすること。
立憲民主党はCIAの基本戦略に則って行動していると考えられる。
問題は日本の主権者の意向だ。日本の主権者多数が対米隷属の現行政治の打破を求めている。
戦争推進、原発推進、弱肉強食推進の現行政治の刷新を求めている。
平和主義堅持、原発廃止、共生追求の新しい政治を求めている。
共産党がこの基本政策を共有する以上、共産党を排除する理由がない。
現在の立憲民主と維新なら、自公と何の違いもない。
国民民主は政権与党入りを目指して自民にひれ伏す状態だ。
次の総選挙に向けて、日本政治刷新を求める主権者多数の意思を反映する中核野党を誕生させなければならない。このことが急務である

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