2022年12月19日月曜日

政権末期鮮明 岸田内閣支持率25%(植草一秀氏)

 17~18日実施の毎日新聞世論調査で岸田内閣支持率が25%と政権発足以来の最低値を更新し不支持率は69%に達しました。これは事実上の退陣勧告であり、大手メディアの調査で支持率が3割を割り込んだ内閣は10ヵ月以内に終焉を迎えると植草一秀氏は述べています。

 日本のインフレ率は円安進行に連動して急上昇し消費者物価上昇率はコア指数で前年比38%上昇しました。1212月に安倍氏がアベノミクスを提唱して以来、日本経済は超低迷を続け13年第1四半期から22年第3四半期までの実質GDP成長率の単純平均値は+08%で、民主党政権下の09年第4四半期から12年第4四半期の成長率平均値+16%の半分にとどまっています。
 唯一、劇的な改善を示したのは企業収益で、法人企業当期純利益は12年から17年までの5年間に23倍に激増しました。アベノミクスはこうして惨憺たる結果に終わり、いま円安・インフレが進行していますが、政府・日銀は無策を決め込んでいます。
 植草一秀氏のブログを紹介します。
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政権末期鮮明 岸田内閣支持率
               植草一秀の「知られざる真実」 2022年12月18日
岸田内閣の支持率低下に歯止めがかからない。
12月17、18日実施の毎日新聞世論調査で岸田内閣支持率が25%に低下
政権発足以来の最低値を更新した。不支持率は69%に達した。
不支持が7割で支持が3割を割っている。事実上の退陣勧告である。
大手メディア世論調査で支持率が3割を割り込んだ内閣は10ヵ月以内に終焉を迎える
2006年発足の安倍晋三内閣以来、8代の内閣で例外は存在しない。
岸田内閣終焉の秒読みが始まっている。

岸田内閣凋落の起点は7月14日の安倍元首相国葬実施方針決定。
何も決めない岸田首相が独断専横で国葬実施を決めた。
国葬に法的根拠がない。国葬は「故人に対する敬意と弔意を国全体として示す国の公式行事」(岸田首相)とされたが、憲法が保障する「思想及び良心の自由」を侵害することは明白だ。
財政支出は国会の議決に基づかなければならないとする憲法が規定する財政民主主義の原理にも反する。

何よりも問題視されたのは自民党および岸・安倍一族が、1964年に統一協会が日本で宗教法人の認可を受けた時点から抜き差しならぬ深い関係を有してきたこと。
銃殺事件の背景が被害者である安倍晋三氏と旧統一協会との深い関わりにあると見られるなかで、問題の真相も明らかにしないまま、安倍晋三氏の国葬を強行することに批判が渦巻いた。
岸田首相は国民多数の反対意見に耳を貸そうとしなかった。
旧統一協会の反社会的活動の実態が明らかにされるなかで旧統一協会に対する解散命令発出を政府が裁判所に要請することが求められているが、現時点ではまだ対応が完了していない。

この状況下で日本経済は厳しい現実に直面してきた。日本円が暴落。ドル表示の国民所得、国民資産が著しく毀損されている。
円安進行に連動して日本のインフレ率が急上昇している。消費者物価上昇率はコア指数で前年比38%上昇を記録。
賃金が増加しない状況下ではインフレ進行は実質賃金の減少しかもたらしていない。
この円安・インフレに対して政府・日銀は無策を決め込んでいる。
安倍晋三首相が2012年12月にアベノミクスを提唱して以来、日本経済は超低迷を続けて現在に至っている。
2013年第1四半期から2022年第3四半期までの実質GDP成長率(季節調整済前期比年率)単純平均値は+08%。
日本経済が「暗がり」状態だった民主党政権下の2009年第4四半期から2012年第4四半期の成長率平均値+16%の半分にとどまっている。

安倍元首相は「成長戦略」を唱えたが、日本経済は成長しなかった。
唯一、劇的な改善を示したのは企業収益だった。
法人企業当期純利益は2012年から2017年までの5年間に23倍の水準に激増した。
経済が成長しないなかで企業収益が激増したことは労働者の分配所得が減少したことを意味する。
安倍元首相は雇用が拡大したと自画自賛したが、非正規雇用が増えただけだった。
労働者全体の分配所得が減るなかで、これを分け合う人数だけが増えた。
結果として労働者一人当たり実質賃金が大幅減少した。
アベノミクスは惨憺たる結果に終わったのである。

岸田首相は「分配問題が重要」と宣言したが、瞬時に取り下げてしまった。
いま注力しているのは、原発稼働推進、軍備拡大、資産所得課税軽減、増税検討である。
資産所得課税軽減は格差拡大に寄与するもの。当初示した分配問題是正の真逆を目指す施策だ。
要するに、財務省と経産省の指令にのみ「聞く力」を示しているということ。
軍事費激増策は利権所得増大を狙ったものと考えられる。

支出を無節操に拡大して、そのツケを庶民に回す。
いずれ消費税増税論が浮上することになるのは間違いない。
国民支持を完全に失うのは当然のことだ。

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