2022年12月19日月曜日

安倍内閣に劣らぬ岸田内閣最悪さ(植草一秀氏)

 別掲のとおりしんぶん赤旗は、岸田首相の情報公開請求に対する対応は、第2次安倍政権以上の隠蔽体質であると述べています。

 植草一秀氏は、安倍元首相は「選挙で勝った内閣は憲法解釈を変えられる」と述べ憲法解釈を勝手に変えて159月に「戦争法制」を強行したと批判した上で、岸田文雄氏はその暴走内閣路線を継承していると述べました。
 安倍政権が「戦争法制」を「安全保障法制」と、「共謀罪」を「テロ等準備罪」と言い換えたように、岸田政権は敵基地(先制)攻撃能力「反撃能力」と言い換えました。しかしそんなことで済むような問題ではありません。
 いま岸田政権は憲法違反の大軍拡とそれに見合う大増税に向かってまっしぐらに進んでいますが、増税をめぐる混乱は消費税再増税につなげる財務省の筋書き通りのものであると植草氏は見ていて、憲法の基本原理を破壊する岸田文雄内閣を一刻も早く終焉させることが必要と述べています
 植草氏の怒りのブログを紹介します。
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安倍内閣に劣らぬ岸田内閣最悪さ
               植草一秀の「知られざる真実」 2022年12月17日
日本の根幹がなし崩しで破壊されている。日本の主権者の見識が問われている。
日本国憲法は戦争放棄・平和主義を定めた。憲法第9条には次の規定が置かれている。
「国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」
「前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。」
戦争を放棄し、戦力を保持しないことを決めた。日本が世界に誇る平和憲法の規定。

この憲法がないがしろにされている。
日本政府は憲法の規定に従って、集団的自衛権の行使を認めていなかった。
政府は1972年10月に集団的自衛権についての政府見解を公表している。
「わが憲法の下で武カ行使を行うことが許されるのは、わが国に対する急迫、不正の侵害に対処する場合に限られるのであって、したがって、他国に加えられた武力攻撃を阻止することをその内容とするいわゆる集団的自衛権の行使は、憲法上許されないといわざるを得ない。」
これが、政府が示した公式見解。40年以上にわたり、政府見解が維持されてきた。

ところが、これを安倍内閣が2014年に変更した。
憲法解釈は憲法の一部と表現できる。これを変更するには正規の憲法改正手続きが必要だ。
ところが、安倍内閣は憲法改正手続きを経ずに、内閣の独断で憲法解釈を変えた。
「解釈改憲」である。
安倍晋三氏は「内閣総理大臣は立法府の長」とし、「選挙で勝った内閣は憲法解釈を変えられる」と述べていた。日本国憲法を理解していなかった。
その安倍晋三氏が憲法解釈を勝手に変えて、憲法違反の法律制定まで強行した。
2015年9月に「戦争法制」を強行制定した。

岸田文雄氏は暴走内閣路線を継承している。
軍事費を激増させ、他国に対する「先制攻撃」を容認する方針を定めた。
言葉だけを「反撃能力」としたが、実態は「先制攻撃」。
「戦争法制」を「安全保障法制」と言い換え、「共謀罪」を「テロ等準備罪」と言い換え、「働かせ方改悪」を「働き方改革」と言い換えるのと同じ。
言い換え詐欺が多用される。
「反撃能力」は「専守防衛」から完全に外れ、他国に対する日本による先制攻撃を認めるもの。
憲法の規定が有名無実化している。内閣が憲法を破壊している。
人権、民主主義、平和主義を守る最大で最後の砦が憲法だ。

憲法によって政治権力の暴走を防ぐ「立憲主義」=「法の支配」が破壊されている。
岸田文雄氏は「自由・人権・民主主義・法の支配・市場経済」の「価値観」を共有する国との連携を深めることが重要とするが、内容を理解せず、官僚が用意した原稿を丸暗記しているだけにしか見えない。
すでに日本は軍事支出規模世界第9位にランキングされる軍事大国。
憲法に戦争と武力の行使を放棄し、戦力を保持しないことを明記しているのに、軍事費を激増させ、他国に対する先制攻撃を容認するのは、明らかな憲法違反。憲法を踏みにじる行為だ。
このような蛮行を日本の主権者は容認するのか。憲法はあって無きに等しい状態だ。

これまで5年間で275兆円だった軍事費を5年間で43兆円にするという。
1年当たりの金額では55兆円が86兆円になる。1年当たりで31兆円の増額。
10年で31兆円の増額になる。これを増税で賄うという。
増税をめぐる混乱は筋書き通りのもの。消費税再増税につなげる財務省の策略だ。
憲法の基本原理を破壊する岸田文雄内閣を一刻も早く終焉させることが必要だ。
日本の主権者が一斉に声を上げるべき局面だ。

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