2022年12月11日日曜日

11- 適菜収「それでもバカとは戦え」2022年振り返り「今年のバカ」トップ10

 日刊ゲンダイに恒例の適菜収氏による「2022年振り返り今年のバカトップ10」が載りましたので、上・下を一緒に紹介します。

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適菜収 「それでもバカとは戦え」
2022年振り返り「今年のバカ」トップ10(前編)橋下徹、ひろゆきがランクイン
                          日刊ゲンダイ 2022/12/03
 今年もバカが豊作だった。恒例の年末企画「今年のバカ」トップ10。
【第10位】松井一郎
 6月27日、松井は政見放送で「維新の会は経費については領収書を公開しています。でも公開しているのが我が党の議員だけというのが大問題なんです」「私立高校、所得制限ありますけど、だいたい80%の人は授業料のキャップをはめてますんで、入学金、授業料、無償で自由に学校を選択できるようになっている」といきなりデマを流した。共産党は以前から使途を公開しているし、私立高校の入学金は有償。投票日が近づくと、大量に嘘、デマを拡散させ、選挙後はシラをきるのが、維新の会の常套手段

【第9位】岸田文雄
 閣僚や自民党幹部と統一教会(現・世界平和統一家庭連合)の関係が次々と発覚した件について、「政治の信頼を確保するために政治家としてどうあるべきか。自分自身をしっかり点検してほしい」と発言(8月22日)。その直後に、岸田の後援会長が統一教会の関連団体の議長だったことを「週刊文春」がスクープ。コントかよ。

【第8位】ひろゆき
 米軍キャンプ・シュワブゲート前を訪ね、辺野古新基地建設に抗議する座り込みが3011日に達したことを示す掲示板について〈座り込み抗議が誰も居なかったので、0日にした方がよくない?〉と揶揄するツイート。現在、辺野古では工事車両が来る9時、12時、15時に合わせて座り込みが行われている。ひろゆきは夕方の誰もいない時間にゲート前のテントを訪れていた

【第7位】河井克行
 2019年の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、元法相の河井らから現金を受領したとして、検察当局は広島県議ら34人を公職選挙法違反(被買収)の罪で起訴(3月14日)。問題は誰がこのカネを動かしたかだ。河井夫妻が支部長だった2つの政党支部には、自民党本部から計1億5000万円が流れているが、その責任者については二階俊博が「党全体のことをやっているのは総裁(当時の安倍)とか幹事長の私」と自白した。

【第6位】橋下徹
 ウクライナ情勢について「政治的妥結を目指すべき」と述べたかと思えば「終結するまでロシア軍を叩き潰すしかない」と正反対のことを言い出す。一貫しているのは支離滅裂であることだけだ。


適菜収「それでもバカとは戦え」
2022年振り返り「今年のバカ」トップ10(後編)統一教会、三浦瑠麗を抑えてのトップは?
                          日刊ゲンダイ 2022/12/10
 前回に続き恒例の年末企画「今年のバカ」トップ10を振り返る。
【第5位】菅義偉
 今年見たものの中で一番おぞましかったのが、安倍晋三の「国葬」における菅の弔辞だった。いわく「(安倍の判断は)いつも正しかった」。安倍は生前「私は総理大臣ですから、森羅万象すべて担当しております」「全く正しいと思いますよ。私は総理大臣なんですから」と述べていたが、シンプルなカルトだよね。

【第4位】門田隆将
 現実と妄想の区別がつかない夢見る夢子ちゃん。森友学園の決裁文書改ざん問題を苦に自殺した財務省近畿財務局の元職員赤木俊夫さんを巡る記事では立憲民主党の小西洋之議員、杉尾秀哉議員に関するデマを流し、東京地裁は産経新聞社と門田に計220万円の損害賠償を命じた。問題の記事には「(両議員は)財務省に乗り込み、約1時間、職員をつるし上げている。当該職員の自殺は翌日だった」とあるが、両議員が訪れたのは東京の本省で、自殺した職員には面会していなかった。その後、門田は謝罪するどころか〈唖然…左傾化し正義を捨てた日本の司法〉とツイート。意味不明。

【第3位】統一教会(現・世界平和統一家庭連合)
 自民党幹事長の茂木敏充が「今後、旧統一教会および関連団体とは一切関係を持たない」と発言したが、自民党自体が関連団体だったとはこれいかに。安倍の政務秘書官だった井上義行は「今後は党の方針に従って、一切の関係を断ちます」、萩生田光一は「今後関係はもたずに政治活動をやっていきたい」。多くの自民党議員が判を押したかのように「今後は」と繰り返したがだまされてはいけない。「今後」ではなく「これまで」の関係が問題になっているのだ。

【第2位】三浦瑠麗
「村八分」という言葉を真逆の意味で使ったり、大喪の礼を「たいものれい」と読んだり、今年も大ハッスル。新型コロナ、統一教会、ウクライナ情勢、国葬……。ありとあらゆるテーマに対し、オールラウンドのバカっぷりを発揮し、お茶の間に苦い笑いを届けた

【第1位】安倍晋三
 4月17日、全力でこびていたロシアのプーチンに対し、「ウクライナの祖国を守るという決意の強さを見誤った。そして自分の力を過信した結果、こういうことになっている」と発言。「自分の力を過信」して北方領土をむしりとられたバカは一体どこのどいつなのか?

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「それでもバカとは戦え」(日刊現代・講談社 1430円)

適菜収 作家
近著に「ニッポンを蝕む全体主義」「日本人は豚になる」「思想の免疫力」(評論家・中野剛志氏との対談)など、著書45冊以上。「適菜収のメールマガジン」も始動。詳細は適菜収のメールマガジンへ。本紙連載が書籍化「それでもバカとは戦え」好評発売中