シリーズ「岸田大軍拡異議あり」に作家・法政大学教授 中沢けいさんが登場しました。
中沢さんは、政府が大軍拡という大規模な安全保障の方針転換を国会にも諮らず決めたことは国会軽視としか言いようがないし、その理由に「台湾有事」や「安全保障環境の変化」などを挙げますが、具体的な「危機」があるかどうかも不明瞭であり、善しあしを判断する材料すら示されないまま、国民は蚊帳の外に追いやられていると批判しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岸田大軍拡異議あり 積み上げた平和捨てるのか
作家・法政大学教授 中沢けいさん
しんぶん赤旗 2023年3月23日
安保法制の強行以後、「やるかも」としていたものを、今回はついに「やるぞ」に変えてしまいました。戦後70年、憲法9条のもと積み上げてきた平和の経験を捨ててしまうのでしょうか。
これだけ大規模な安全保障の方針転換を国会にも諮らず決めたことは国会軽視としか言いようがありません。
その上、「台湾有事」や「安全保障環境の変化」などと言いますが、具体的な「危機」があるかどうかも不明瞭であり、そのための外交努力も語られません。善しあしを判断する材料すら示されないまま、国民は蚊帳の外に追いやられています。
領土拡張が目的だった植民地主義時代には、富国強兵で軍備を整え国力を増強していくーこれが政治でした。その後、日本は大変遅れながらも敗戦の教訓や女性の政治参画などを経て、国民のための政治を築き上げてきました。
戦前に逆戻りしてはいけません。日常生活に対する豊かなまなざしを持った人々の意見がもっと反映される社会を望みます。゛
ウクライナ侵略以降、日本の中でも社会の雰囲気がひりひりするほど変わってきたと惑じます。「明日にも開戦か」という緊張感と不安が広がり、暗く落ち込んでしまっています。
日本共産党に言いたいのは、ぜひ統一地方週で勝ってください。大軍拡を止めるためにも頑張ってください。 (聞き手 中野侃)