シリーズ「岸田大軍拡異議あり」に元公明党副委員長の二見仲明さんが登場しました。
二見さんは敵基地攻撃を行った場合、「日本に大規模な被害が生じる可能性」があることを浜田靖一防衛相に認めさせたのは共産党だけであるとして、大軍拡をすれば民生予算を削るしかなく「今、軍拡をやってる場合じゃない」と述べました。
またメディアが共産党に党首選を勧めていることについては、それぞれの政党が自分に合ったルールを自由に決めればいいことであり、党内での議論という点では共産党は徹底していると評価しました。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~
岸田大軍拡異議あり 今 軍拡やってる場合か
元公明党副委員長 二見仲明さん
しんぶん赤旗 2023年3月2日
2月6日の衆院予算委員会で、穀田恵二さんが集団的自衛権を行使して敵基地攻撃を行った場合について質問して、浜田靖一防衛相から「日本に大規模な被害が生じる可能性」に言及する答弁を引き出した。あれはすごかったね。僕は「朝日」「毎日」「読売」を購読しているんだけど、翌日どう報道するか注目したんだ。だけど、どこも一行も書かなかったよ。
岸田文雄首相が訪米して、軍事費を5年間で43兆円にする大軍拡をバイデン大統領に約束した。僕はこれをやったら、本当に国が滅ぶと思ってる。あれこれの重要問題の一つじゃない。国会で一番に議論すべき、国の行く末、政党の真価が間われる問題だよ。
だけど、この問題を正面から取り上げて反対の論陣を張っているのは共産党だけだった。ほかの政党はまともにとりあげないし、メディアの扱いもひどいもんだ。
これだけの物価高で国民生活が苦しい今、軍拡をやってる場合じゃないだろう。「欲しがりません勝つまでは」「ぜいたくは敵だ」ってことなのか。43兆円の財源は増税か国債。あとは福祉・社会保障、教育関係、とどのつまりが国民生活の予算を削るしかないんだ。戦時国債なんて話を、また耳にするとは思わなかった。まさに「新しい戦前」だね。
議論を大事にする共産党
メディアィアの共産党バッシングも戦前と同じだ。、党員のルール違反を問うたら〝異論封じ″〝強権体質″。要は〝アカは怖い″って言いたいんだね。だけど、どの政党も自分たちのルールを自由に作っていいんだよ。
共産党の執行部の選び方は理屈に合ってて、僕はいいと思うよ。社説で「他の公党が普通に行っている党首選」と書いた新聞もあったけど、だいたい、なんで党首選じゃないといけないわけ。
僕は長く公明党にいたけど結党以来、一度も代表選挙をやったことがない。いつも無投票。公明党が党首選をやって派閥争いになったら結局、創価学会の組織問題になってしまう。だから、公明党は派閥をつくらないために、党首選はやらないんだ。
これはいい悪いの問題じゃない。それぞれの政党が自分に合ったルールを自由に決めていいっていう当たり前の話だよ。
自民党は派閥の連合だから、党首選という形の派閥争いが合ってるというだけ。でも、自民党の総裁選に一般の党員が関与する余地は少ない感じがするね。自民党の支部って、議員の個人後援会みたいなもんだろ。
党内での議論という点では、共産党は徹底していると思うよ。綱領を作るために何年もかけて党内で議論した。党大会で決める文章も毎回、何カ月も全党討論にかけている。共産党ほど党内議論を大事にする政党はないと思うよ。 (聞き手 青野圭)