2023年3月24日金曜日

波動 高市大臣テレビがお好き?

 しんぶん赤旗の「波動」のコーナーに「高市大臣テレビがお好き?」という記事が載りました。
 高市氏は、神戸大を卒業後松下政経塾に入り、その途中で足かけ2年米国に渡り、1989年に帰国後同塾を卒業しました。政界進出前にはテレビ朝日やフジテレビで情報番組のキャスターを務めたほか、関西のテレビ局から次々と声が掛かり嬉々として出演していたということです。
 在阪テレビ局報灘記者の桜宮 淳ー氏は、高市氏としては、安倍政権批判を強める放送は許せないものの、選挙のことを考えればテレピ出演は大きなメリットというわけで、放送局を名指しした自分の発言が表に出てはまずかったのだと見ています。
 そう考えると高市氏の支離滅裂な言動もそれなりに理解できそうです。真実はこんな些末なところに宿っていて、その低次元さが放送法の解釈変更という歴史に残る暴挙を行わせたのでした。
 それにしても一方で強権をもって報道の自由を奪っておきながら、将来のテレビ出演の可能性も狭めたくないがために「大立ち回り」を演じ続けるとは、身勝手が過ぎる話です。           ~~~~~~~~~~~~~~~~~~
波動 高市大臣テレビがお好き?
                  桜宮 ー しんぶん赤旗 2023年3月23日
                       在阪テレビ局報灘記者
 放送法の政治的公平の解釈について、総務省が作成した文書をめぐって国会が揺れている。焦点はもっぱら「文書はねつ造されたもの」と発言し、もし文書が正しいものなら議員辞職するとまで言い切った高市早苗大臣(経済安全保障担当)の去就に集まっている。
 70枚以上あるこの文書は読みどころ満載で、官邸側と総務省の聞で交わされたやり取りが、実に生々しく具体的に書かれている。高市大臣が登場する箇所だけが「ねつ造」されたとは到底思えない。ことの真相はまもなく明らかになと思われるが、なぜ高市氏がかたくなに文書の存在を認めないのかを考えたい。
 文書は2014年から翌年にかけて、当時の礒崎総理補佐官が「明らかに政治的におかしな番組がある」として、「1つの番組ではなくある期間の番組全体で判断する」としてきた従来の放送法の解釈を変えるよう総務省に圧力をかけてきたことを発端としている。
 高市氏が登場するのは2015年2月13日。総務省幹部とのこの件ではじめて意見を交わし「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある? どの番組も『極端な印象。関西の朝日放送は維新一色」さらに「苦しくない答弁の形にするか、それとも民放相手に徹底抗戦するか。TBSとテレピ朝日よね」と発言したと書かれている。高市氏はこの発言が公になるのが嫌だったのではないか。
 というのも高市氏はテレピ育ち″の政治家である。1989年から90年にかけテレビ朝日やフジテレビで情報番組のキャスターを経験したのち、93年の総選挙で初当選を乗たす。奈良出身で松下政経塾卒業生というごともあり関西のテレピ局から次々お声がかかり喜々として出演していた。派手な衣装でバラエティー番組にも出演しヘアイドルさながらの存在になった。テレビなくして今日の地位はなかったのではないかと思う。
 安倍政権批判を強める放送は許せない、しかし選挙のことを考えればテレピ出演は大きなメリット 。というわけで放送局を名指しした発言が表に出てはまずかったのでしょう
 それにしても一連の国会答弁はひどい。これではテレビ屋からお声はかかりません。
                (さくらのみや・じゅんいち 在阪テレビ局報灘記者)