全国首長九条の会は13日、「『安保関連3文書』の閣議決定に抗議し撤回を求める声明」を発表しました。
声明は「安保関連3文書」について、「自衛隊の軍備増強と日米共同軍事行動の一体化を図ろうとするもの」で、敵基地攻撃能力の保有は「報復攻撃を招き、南西諸島を焦土と化し、全国民をも戦火にさらすことになる」と批判し、「国民負担の増大によって軍拡財源を生み出す考え」は「到底容認できない」と主張しています。
「岸田大軍拡異議あり」に被団協代表委員の田中煕巳さんが登場しました。
田中さんは、「戦争に突き進むと誰にも止められず、すべてのものが軍備に回されます。先の戦争で都市はほとんど大空襲により破壊され、広島、長崎に原爆が投下されました。戦争の行き着くところが核兵器の使用です」と述べ、「政治家がやらなければならないのは、憲法に従って、日常的に戦争をしないような状況をつくることです」と訴えました。
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全国民戦火にさらす 全国首長九条の会 安保3文書抗議声明
しんぶん赤旗 2023年3月15日
全国首長九条の会は13日、「『安保関連3文書』の閣議決定に抗議し撤回を求める声明」を発表しました。
声明は「安保関連3文書」について、米国の戦略に沿って、九州から南西諸島までのミサイル網を配備するなど「自衛隊の軍備増強と日米共同軍事行動の一体化を図ろうとするもの」と指摘。敵基地攻撃能力の保有などは「相手国民の殺戮(さつりく)」を行うことになり、「報復攻撃を招き、南西諸島を焦土と化し、本土の日米軍事基地はもちろん、全国民をも戦火にさらすことになる」と批判しています。
ロシアのウクライナ侵略から学ぶべきことは、始まった戦争を終わらせる困難さだと主張。「戦争の準備よりも戦争をしないための外交努力や国際連帯などに、政府は全力を尽くすべきである」と強調しています。
大軍拡の財源について、増税でも生活予算の削減でも「国民負担の増大によって軍拡財源を生み出す考え」は「到底容認できない」と主張。「戦時体制に入れば、国民の命と権利、尊厳を守ろうとする地方自治体の自治権さえ奪われることに思いを馳(は)せたとき、政府の誤った選択を到底看過しえない」と訴えています。
同会は、東京都武蔵野市の松下玲子市長と滋賀県米原市の平尾道雄市長の2人の現職首長と、宮城県白石市の川井貞一元市長ら6人の首長経験者が共同代表を務め、憲法9条擁護の一点で共同する団体です。
岸田大軍拡異議あり
戦争行き着く先は核使用
日本原水爆被害者団体協議会 代表委員 田中煕巳さん
しんぶん赤旗 2023年3月15日
大軍拡で国を守るとはどういうことでしょうか。戦争で国を守るとは、国の何を守るのでしょうか。
戦争に突き進むと誰にも止められず、すべてのものが軍備に回されます。先の戦争で東京も大阪も名古屋も大きな都市はほとんど大空襲により破壊されました。沖縄は地上戦になりました。そして広島、長崎への原爆投下です。戦争の行き着くところが核兵器の使用です。
原爆=核兵器が開発される前と後の戦争は全く違うものになりました。ロシアがウクライナ侵略で核使用の威嚇を行っていることを見ても明らかです。
人類が核兵器をなくすのか、人類が核兵器に滅ぼされるのかが問われています。
私たちは頑張って核兵器禁止条約をつくりました。核兵器廃絶に向けた努力が各国で行われ、核兵器禁止条約の署名が92カ国、批准が68カ国へと広がっています。これが世界の流れです。
政治家がやらなければならないのは、憲法に従って、日常的に戦争をしないような状況をつくることです。ことさらに危機をあおりながら大軍拡に突き進む政府にストップをかけるためには目をみはるような大きな行動を起こさなければなりません。
被爆者として、かつて戦争を体験した者として、戦争と核兵器の使用につながるあらゆる動きに反対します。 (聞き手 加来恵子)
「湯の町湯沢平和の輪」は、2004年6月10日に井上 ひさし氏、梅原 猛氏、大江 健三郎氏ら9人からの「『九条の会』アピール」を受けて組織された、新潟県南魚沼郡湯沢町版の「九条の会」です。